世界の企業にとって、リモートワークをはじめとするニューノーマル(新常態)に適したフレキシブルな勤務スタイルの導入は急務となっています。

  • ニューノーマルに適したフレキシブルな勤務スタイル

しかし、専任のIT担当者がいなかったり、設備が整っていなかったり、中小企業を中心に課題を抱えているところは少なくありません。

  • ニューノーマル時代に企業が抱える課題

そんな中、シャープは多様な働き方をサポートし、業務効率化や生産性の向上に貢献するスマートオフィスサービスCOCORO OFFICE」を開発しました。いつでも、どこでも、安心・安全で、仕事に集中できる環境を提供する同サービスは、大きな期待を集めています。

  • 「COCORO OFFICE」のブランドページ

    「COCORO OFFICE」のブランドページ

ただ、シャープにとっても「COCORO OFFICE」はまったく新しい挑戦で、新しい分野の技術が必要でした。

そこで抜擢されたのは、なんと新入社員たち——。

  • 新入社員

「COCORO OFFICE」誕生の背景を探ると、シャープの大胆な戦略が見えてきました。

企業の多様な働き方をサポート!「COCORO OFFICE」開発のきっかけ

今回取材を受けてくださったのは、オフィスソリューション(以下、OS)事業部に所属する三村晋也さんと太田真登さん。
  • 取材を受けてくださったシャープの三村晋也さんと太田真登さん

大学院で工学博士となり、2001年にシャープに入社した三村さんは、複合機の開発・企画・マーケティングとキャリアを重ね、今では「COCORO OFFICE」のビジネスモデル構築を手がけています。

一方、2019年に入社した太田さんは、「COCORO OFFICE」のプロジェクトを担う若手のホープ。お二人ともユーザー目線で独創的な商品を作り続けるシャープに惹かれて入社を決めたそうです。

  • インタビューを受けるシャープの三村さんと太田さん

三村さん、太田さんが携わる「COCORO OFFICE」は、シャープのAIoTプラットフォームを活用したスマートオフィスサービス。

Web会議やビジネスチャットといった多彩なコミュニケーション手段の提供に加え、クラウド上での勤怠管理やコンビニでのネットワークプリントなど、企業の多様な働き方をサポートします。

  • 「COCORO OFFICE」の利用シーン

また、「COCORO OFFICE」のプラットフォームをオープン化し、他社製品やサービスとの連携ができるようにしているのも特徴。ユーザーの利便性を重視するシャープの企業姿勢が垣間見えます。

  • 「COCORO OFFICE」のサービス概要

ニューノーマル時代に即したリモートワークに対応するサービスという印象が強いですが、「COCORO OFFICE」の構想は数年前からあったのだそうです。

私たちが在籍しているOS事業部は、主に複合機を作っている部署です。

しかしペーパーレス化が叫ばれるようになって以来、複合機の需要が減少し、将来的に事業の成長が厳しくなることは明白でした。

新しいビジネスを模索している中で生まれたのが「COCORO OFFICE」の構想だったのです。


  • スクリーンを前に「COCORO OFFICE」の構想について話すシャープ三村さん

世の中の流れを素早く察知し、新しい価値を提供する——。

長きにわたって生き残ってきたシャープの知恵なのでしょう。
複合機、パソコン、スマホなどのオフィス機器を幅広く網羅し、それら商品とさまざまなサービスを有機的に結びつける「COCORO OFFICE」の構想は、2018年の夏頃から部内の有志数名が集まってコンセプトを考え幹部に提案したことに端を発し、その後、NBM(New Business Model)プロジェクトと名付けられ、同年の冬から本格的に動き始めました。

必要なのはスマホネイティブ世代の感性。新入社員を大抜擢!

  • 必要なのはスマホネイティブ世代の感性。新入社員を大抜擢!

NBMプロジェクトは、シャープでも初めての試みだったそうです。

プロジェクトには私たちOS事業部に加え、さまざまな事業部や販売会社の社員が横断的に数多く参加しましたが、こういったケースは過去に無かったように思います。

「そもそもビジネスとして成り立つのか」といったことから話し合いを始め、週に2~3回は打ち合わせを行い、開発を進めていきました。


  • インタビューに答えるシャープ三村さん①

異例のスタートだったそうですが、さらに前例にとらわれない驚きの戦略が取られました。

「COCORO OFFICE」はシャープにとって新しい挑戦であったため、スマホアプリの開発に代表される新しい技術が不可欠でした。

そこで、中堅やベテランの技術者が一から勉強して習得することも考えましたが、せっかくだから新しい人材に担ってもらおうという話になったのです。

また一方で、パソコンでもスマホでも変わらない操作性を目指していましたので、パソコンをメインで使ってきた私たちとは違うスマホネイティブ世代の感性が必要でした。


  • インタビューに答えるシャープ三村さん②

なんと、白羽の矢が立ったのは2019年春に入社したばかりの新入社員たちだったのです。当時を太田さんは「不安と期待が半々だった」と振り返ります。

約30名が研修と称して集められたのですが、私は大学で電気電子工学を専攻していてアプリなどは詳しくなかったので、不安でしたね。

新入社員研修を終えて本配属を控えていた時期だったため、「また研修か……」といった声も少なからずありました(笑)。


  • インタビューに答えるシャープ太田さん①

けれど研修初日、その不安は吹き飛んだと言います。

このプロジェクトの意義や方向性について専務からも直々に訓示があり、期待して任せてくれているんだなと感じました。

「やってやろう!」という前向きな気持ちになれましたね。


  • インタビューに答えるシャープ太田さん②

こうして太田さんたち新入社員は6人でひとつのチームを組み、「COCORO OFFICE」の開発に加わることになったのです。

最前線で新入社員の力が躍動!開発した機能が正式リリース決定!

研修の期間は半年。その間に成果を挙げることが課せられましたが、プレッシャーに負けず、高いモチベーションを保てたそうです。

最初は戸惑いも多く右往左往していましたが、日が経つにつれてチームが団結して一緒にチャレンジできる喜びを感じられましたし、自分自身のスキルが上がっていくのも実感できました


  • インタビューに答えるシャープ太田さん③

「先輩や上司のおかげで課題を乗り越えられた」と太田さんは言いますが、新入社員たちが意欲的に取り組めたのは周囲の支えがあったことも見逃せません。

経営層の想いを伝えたり、何かあれば声をかけたりと、彼らがやる気や目的を失わないようにコミュニケーションには配慮しました。


  • インタビューに答えるシャープ三村さん③

そして、研修の成果を専務にプレゼンする日が訪れました。

「新入社員が専務に直接プレゼンできる機会なんて、そうそうない」。チームリーダーを務めた太田さんは自らを奮い立たせ、臨んだそうです。

結果は、見事採用。太田さんたちが開発した機能が正式にリリースされることが決定したのです。努力が報われ、「めちゃめちゃ高揚した」と太田さんが笑顔を見せると、「思っていたよりうまくいった」と三村さんが目を細めました。

  • リリース期を思い返して笑顔になるシャープ三村さん

「COCORO OFFICE」では、いつでもどこでもパソコンやスマホから同じような操作感で、社内のファイルや届いたFAXを検索し確認することができますが、これを作ったのが太田さんたちのチームです。

  • 「COCORO OFFICE」ポータルアプリのサービス一覧画面1

    「COCORO OFFICE」ポータルアプリのサービス一覧画面

AIを用いた独自開発の高速全文ファイル検索機能が搭載されており、キーワードを入力すれば、膨大なデータの中から必要なファイルを高速で検索することが可能です。

  • 「COCORO OFFICE」高速全文ファイル検索機能

また、検索して取得したファイルを、簡単にメールで共有したり、ネットワークプリントを利用して近くのコンビニで印刷したりすることもできます。

在宅勤務が奨励されている今、それを阻む要因のひとつに社内のファイルやFAXの取り扱いが挙げられますが、その解消につながる画期的なものといえるでしょう。

  • 「COCORO OFFICE」高速全文ファイル検索機能のデモを行うシャープ太田さん

研修期間が終わり、太田さんは「COCORO OFFICE」に引き続き携わることを志望しました。

すべての企業のIT化を実現したい!「COCORO OFFICE」が描くビジョン

「いつでも、どこでも、安心・安全で、仕事に集中できる環境を提供する」。
これが「COCORO OFFICE」のコンセプトですが、その対象に制限はありません。

パソコンやスマホが苦手な人たちも簡単に導入・運用できる操作性を追求していきます。

シャープは昔、「八百屋さんの店先で使えるコンピューターを!」との理念で電卓を作りました

そういったDNAは今も脈々と受け継がれています。
企業規模の大小にかかわらず、すべての企業がIT化を実現できるように「COCORO OFFICE」を育てていきたいですね。


  • 「COCORO OFFICE」の展望を語るシャープ三村さん

「COCORO OFFICE」が想定するターゲットについては研修中から周知徹底されていました。

スマホやIT自体に馴染みがない人たちも使いやすいようにサービスを大きくしていきたいです。

今はまだ公にできませんが、新機能の開発も進めています。


  • 「COCORO OFFICE」の展望を語るシャープ太田さん

ちなみに、シャープの強みはオフィス機器だけではなく、冷蔵庫や空気清浄機、イオン発生機といった白物家電も取り扱っていること。今後は、これら自社製品との連携も視野に入れ、さらなる業務効率化や生産性の向上に寄与したいとも考えているそうです。

「技術一筋だった自分がマーケティングや企画、ビジネスデザインまで挑戦させてもらえるのはありがたい」と三村さんが言えば、「こんなに早く開発の最前線に立てるとは思わなかった」と太田さん。

  • インタビューを終え笑顔のシャープ三村さんと太田さん

経歴や年齢に関係なく人材を登用する大胆さが、まだ見ぬ新しさを生み出し続けるには欠かせないのでしょう。

COCORO OFFICEの詳細はこちら

Photo:hiroshi tokioka

[PR]提供:SHARP