全国一千万人のゲーム電卓ファンの皆様、こんにちは。さて本日は、ここカシオ計算機本社特別会場より、カシオ計算機VSマイナビニュースゲーム電卓ガチ対決をお送りいたします!

さて、この企画、そもそもアラフォー以下の世代には「ゲーム電卓」が何かすらわからないのでは? そんな声も聞こえてきそうですが、まったく気にすることなく進めていきましょう! 最後にはゲーム電卓必勝講座もあるのでぜひ!

数字の和を10にしてUFOが出現?!

本日の対戦カードは、カシオ代表として平田剛仁氏、対するマイナビニュースからはデジタルジャンル編集長 林利明氏の一戦。

  • マイナビニュース代表 林利明氏(左)とカシオ代表 平田剛仁氏(右)

会場は、その両選手の入場を待つのみです。では、この時間を利用して、ゲーム電卓について簡単にご説明しておきましょう。


♪「栄冠は君に輝く」(オルゴールバージョン)~
  • ゲーム電卓「SL-880」。写真は2018年に復刻され、現在も発売中(※詳細はこちら)

ゲーム電卓とは、1980年にカシオ計算機が発売したゲーム機能付き電卓。画面左の数字を「AIM」(「.」)キーで送り、画面右から攻めてくる数字の侵略者(デジタルインベーダー)を「FIRE」(「=」)キーで消していきます。

このわかりやすいシンプルなルールに、奥深さを与えていたのが「UFO」(n)の存在。消した数字が「足して10の倍数になったとき」に現れ、300点を獲得できるUFOは、高得点を狙うための大きなポイントだったのです。

  • 当時の人気漫画「ゲームセンターあらし」でのルール説明(C)すがやみつる/小学館
    ※画像をクリックすると拡大画像がご覧いただけます

このように、手軽に遊べて奥の深いゲーム電卓は大ヒット。かつての小学校高学年~中学生(の主に男子)なら、誰もが一度はプレイしたことがあるはずです。

そんなゲーム電卓が2018年3月、デザインとゲーム内容はそのままに、基本仕様を最新版にバージョンアップして復活。電源はボタン電池式からボタン電池&ソーラーの2Wayとなり、当時はなかったBEEP音の消音機能が付きました。

これで仕事中でもプレイできます。いえむしろ、猛烈に仕事をしているように見えますよ!価格も実売で2,000円前後と40年前の製品(4,900円)より手頃になりました。


ピッ~~~~~~~~~~♪

さぁ、両選手の入場であります。

まずはマイナビニュース代表、林選手から。

入場曲は懐かしの「ゲームセンターあらし」のテーマ。なお、色々と面倒なので歌詞は書きませんが、水木一郎アニキの熱い歌声が会場に響き渡ります!

続いてカシオ代表、平田選手の入場です。

おっと、こちらの入場曲はこれまた懐かしの「カシオミニ」のCMソング! 答え一発的なアレであります。ちなみに、これもJASRAC管理曲なんですね。いや、驚きました。しかしながら、本稿はどこまで若い読者を置いてきぼりにするつもりなのでしょうか!

  • 試合前のスパーリング。一触即発の緊張感が、ここ実況席にも伝わります!

なお、今回のルールは3分間でどちらが多く得点できるかを競います。ゲームオーバーになるまでひたすらプレイする場合と異なり、作戦とテクニックが勝負の鍵となりそう。さぁ、両選手とも挨拶を終え、いよいよ待望の試合開始です!

平田選手、動かず!?

先攻はマイナビニュースの林選手。電卓を机に置いてプレイする「デスクトップフォーム」で挑みます。さぁ、今ストップウォッチのボタンが押されました。画面右から押し寄せる数字を順調に消していきます。無理のない範囲でUFOも手堅く狙いつつ、遊びなく真面目に消して行くスタイル。

まるで林選手自身の生き方を象徴するかのような、大手媒体の編集長までのぼり詰めた、「見ろ、これがオレの生き方だ」そんな林選手の哲学が集約されたようなプレイであります。予想以上の健闘に、カシオ広報さんも驚きの表情。そして、あっという間に3分が経過してプレイ終了。

【動画】懐かしのゲーム電卓対決 第一回戦・マイナビニュース林選手(音声が流れます。ご注意ください)

……注目のスコアは5,500点でした!

  • 林選手のスコアは5,500点

  • 「忙しくて満足に練習できなかったんだよなぁ」と林選手。忙しいのは、みんな同じですよ

続きまして、カシオ側平田選手が今、バトルシート(ただの椅子)に座りました。こちらは、電卓を手に持ってプレイする「ハンドヘルドフォーム」で臨みます。そして今、ストップウォッチのボタンが押されました。……が、平田選手、動きません!

微動だにせず画面を見据えています。大丈夫か平田選手、ひょっとして、急な体調不良で動けないのでは!? 救護班、救護班ーッ! ……いや、今やっと動き出しました。AIMキーを物凄い速さで連打しながら、数字を消していきます。

それにしてもUFOの出現数が多い! なるほど、足して10(の倍数)になる組み合わせを見つけるために、最初はわざと動かなかった、そういう冷静な作戦だったのです! これは見事というほかありません! そして3分が経過。

【動画】懐かしのゲーム電卓対決 第一回戦・カシオ平田選手(音声が流れます。ご注意ください)

……注目のスコアは、なんと8,790点! 驚愕のスコアです!

  • 平田選手のスコアは8,790点!

  • 「僕、これを普通にプレイすると終わらないんですよね。自分からやめないとずっとプレイしていられるんで」と平田選手。「えっ……」(林選手)

では、戦い終えた林選手にお話を伺いましょう。いやぁ、平田選手、強かったですね!

  • くーッ、悔しい! でもまだ、完全に負けたわけではありませんよ!!(ありがちな展開)

林選手「確かに強い! でも、私もマイナビニュースの看板を背負う身です。本日の最優先の使命が“カシオさんとの良好な信頼関係を強化すること”であるとはいえ、このまますごすごと社には帰れません。そこで、なんとか再戦をお願いしたい! なお、今回はこのために秘密兵器を”2つ”用意して参りました!

ひとつは、低周波治療器! 平田選手にはハンディキャップとして、これを使いながら戦っていただきます(なぜか強気)! 」

平田選手「うっ、これ思ったより来ますね……ああっ!」

  • 秘密兵器の低周波治療器。
    平田選手「これ、結構来ますね(笑)」

林選手「そして、ふたつめの秘密兵器は我々の新しいファイター、青木選手です!」

青木選手「待たせたな!(CV/大塚明夫)
私とて、マイナビニュースにはお世話になっている身。しかもゲーム電卓直撃世代! こうなったら昔取った杵柄で御手合せ願いますっ!」




かくして、試合は第2回戦(ハンディキャップ戦)に突入。先攻は青木選手。なんとか3分間は持ちこたえたものの、特に実況するほどの面白い内容もなく、普通に6,000点で終了。

後攻の平田選手は低周波による攻撃に時おり奇声を上げながらも、やはり安定した強さを見せ、第1回戦のスコアを上回る9,700点を獲得して見事勝利を収めました。

【動画】懐かしのゲーム電卓対決 第二回戦・カシオ平田選手(左)VSマイナビニュース青木選手(右)(音声が流れます。ご注意ください)

  • 数字を送る大切な左手に、ビリビリ攻撃をお見舞いするぞぉ。「あッ、痛ててて!」(平田氏)

  • 結局、平田選手のスコアは、第1回戦を上回る9,700点! どこがハンディキャップ戦なのコレ

  • 青木のスコアは6,000点。いやー緊張した!

  • 秘密兵器というほどの実力ではなかった

では、圧倒的な強さを見せつけたカシオ代表平田選手に、詳しくお話を伺います。

  • 完膚なきまでに叩きのめされた二人。大変失礼をいたしました……

あなたも勝てる! ゲーム電卓必勝講座

インデックス

1. UFOは2つの数字の組み合わせで出す

消すと300点を獲得できるUFOは、ハイスコアを出すのに不可欠です。足して10の倍数になるように数字を消すとUFOが現れますが、実は1面で出てくる数字の数が16個と決まっているんです。ですから、なるべく少ない個数の数字の組み合わせ、つまり2つの数字でUFOを出した方が効率的にスコアを稼げるんですね。

  • 「数字が攻めてくるスピードが遅い1面や2面で、繰り返し練習するのがオススメです」

2. UFOのためならライフを捨てる

たとえば、13個めと14個めの数字で和が10になるよう消したとします。が、こういうときは、すでに15個め、16個めの数字が画面上に出てしまっている。そこで、ライフが2つ以上残っているなら、わざとやられてしまう。

すると、次のスタート時にはUFOが現れるのです。で、これを消してその面をクリアすると、次の面ではライフが3つに戻る。ゲーム電卓は3ライフ/面制であることを利用したテクニックです。今回の対戦でも使っていますので、僕のプレイ動画を見てください。

※音声が流れます。ご注意ください

3. 数字は桁のなるべく後方(数字の出現地点に近い方)で消す

数字は桁のなるべく後方(数字の出現地点に近い方)で消した方が、獲得できる点数が高いんです。

林選手「あ、それ知ってます! 『ゲームセンターあらし』で、あらしは暗算が苦手だから、UFOを狙うより数字を出現すると同時に消して逆転するというシーンがあるんですよね」

  • 漫画では、画面に表示される前に消していました(C)すがやみつる/小学館

4. 数字の送り感覚を身体に染み込ませる

自分の数字を見なくても、今何が表示されているかの意識を指の動きとリンクさせることが大切です。この感覚がひとつずれてしまうと、その後のプレイが滅茶苦茶になってしまうので。

5. 空撃ち硬直を利用する

ゲーム電卓では、1面に付き打てる球数が30発と決まっています。なので、仮にひとつの数字を1発で消すとすると、14発の余裕ができる。つまり、14発空撃ちができるんです。7面あたりから数字が押し寄せてくるスピードがかなり上がるので、ここで空撃ちをすると、一瞬数字の進行が止まる(硬直する)。この隙に数字の送りを進めるんです。

林・青木選手「はぁ~」(あまりのレベルの違いに唖然)

6. 足して10の倍数になる基本的な組み合わせは覚えてしまえ!

7、8、9面はかなりスピードが速い。このゲームは暗算がポイントなので、やりこむとだんだん頭が慣れてくるんですよね。数字の羅列の中であれとあれを足せば10になるとか、10を越えてしまっても、さらにあれとあれを足せば20になるとか、直感的にわかるようになる。

たとえば1、2、3、4で合計10とか、6、7、8、9で合計30とか。こういうのは覚えちゃいます。これって結構良い訓練ですよね。算数のテストのためには覚えられないけど、ゲーム電卓のためなら覚えられる(笑)。普段から足して10の倍数になる数字を覚えておくことは、最大のコツかもしれないですね。

1、3、6(計10)とか、5、7、8(計20)とか、今でもすらすら出てきます(笑)。当時、これで算数の成績が上がった(と思われる)子が結構いたんですよ。ボケ防止にもいいですよね。頭だけじゃなく、指も動かすし。

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実は平田氏、これでも文系出身だそう(ちなみに、林編集長は理系出身)。足して10になる数字を覚えることは、算数教育でもすごく重要。何しろ、計算の基礎ですもんね。

ルールのシンプルさゆえ、小学3年生くらいから十分遊べるこのゲーム電卓。手に入りやすくなったこの機会に、ぜひご家族で楽しんでみてはいかがでしょうか。それではみなさん、さようなら~!

  • ゲーム終わってノーサイド。こうして、オジサンたちは40年前にタイムスリップしたのでした

  • (C)すがやみつる/小学館

●「ゲームセンターあらし」作者すがやみつる氏コメント
ゲーム電卓が復刻発売されたとき、懐かしさにかられて即座に購入してしまいました。ゲームはシンプルな方が長く楽しめます。ましてや高齢(68歳です)になったいま、反射神経を維持するためにもゲーム電卓は打ってつけ。「ちょっとだけ」のつもりが、気づいてみたら1時間――なんてこともしばしばです。ちなみに電卓として使うことは、めったにありません(笑)。

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