鍵盤楽器としての美しさと日常に馴染むミニマルさを兼ね備えた、絶妙なデザインが特長のカシオ計算機株式会社(以下CASIO)の電子キーボード「Casiotone(カシオトーン) CT-S1」シリーズ。楽器として最も重要な‟音”にこだわりつつ、生活の中で手軽に楽しめる、高いデザイン性とシンプルな操作性をあわせもつ、これまでになかったスタイルの電子キーボードです。そんな「Casiotone CT-S1」と藤原ヒロシ氏が主宰する「fragment design(フラグメントデザイン)」とのコラボレーションモデルが2025年1月16日(木)に数量限定で登場。

‟ストリートカルチャー”と‟鍵盤楽器”という異色のコラボを果たした「Casiotone CT-S1 × FRAGMENT」。魅力的すぎるビジュアルが、発表されるやいなや、大きな話題と注目を集めました。

この奇跡的なコラボには、藤原ヒロシ氏の音楽への考え方と挑戦を続けるCASIOの大胆さ、そして両者に共通する想いがありました。

本記事では、そんなコラボに至った背景と商品の魅力について紹介します。

  • 「Casiotone CT-S1 × FRAGMENT」71,500円(税込)

表参道に誕生した「V.A.」にて世界初公開

今回コラボレーションを行った藤原氏。彼ほど、ひと言でどのような人物なのかを表現するのが難しい人はいないかもしれません。

藤原氏は、10代でロックやパンク、ディスコソウル、ヒップホップなど、海外アーティストの幅広い音楽と出会い、DJ・プロデューサー・クリエイターとして、音楽を軸に活動する日本のトップアーティストのひとり。ファッションやアート、デザイン、テクノロジーなど、彼独自の感覚で新たな価値や魅力、カルチャーを生み出し続けています。

  • 藤原ヒロシ氏

1980年代後半から90年代を中心に、裏原宿・表参道エリアから発信され始めた彼のクリエイションと"編集"感覚。それは、やがて世界中へと拡散され、幅広いブランドやアーティスト、クリエイターなどに多大なる影響とインスピレーションを与え続けてきました

たとえば、世界的に知られるラグジュアリーメゾンやファッションブランドの数々との協業。幅広い世代のミュージシャンやクリエイターらとコラボレーションを行ったり、気鋭のロボットベンチャーにCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)として参画したりしてもいます。ほかにも、都内の有名大学を舞台に大手出版社と特別講義を企画開催するなど、その活躍はさまざまです。

我々にいつもワクワクするようなビッグニュースを届けてくれる藤原氏ですが、2024年12月にはディレクターとして、20年に渡って愛され続けてきた表参道の伝説的なカフェ・ラウンジ「montoak(モントーク)」の跡地に、新たなコンセプトストア「V.A.」を誕生させました。

  • 物販、カフェ、ベーカリーを複合的に展開するコンセプトストアV.A.

"Various Artists"を意味する「V.A.」。店名の通り、さまざまなモノやコトが交差し、新たなカルチャーを発信していく拠点として、国内外から多くの人々が訪れるようなディスティネーションストアを目指しているそう。

1階は物販とポップアップなどを行うスペースに、2階は山本宇一氏が監修したベーカリーショップ「VAT BAKERY(バットベーカリー)」というカフェになっています。「montoak」の内装を生かしながらも、新たな魅力が満載です。ストアデザインは「The Archetype(アーキタイプ)」の荒木信雄氏が参画しています。

この「V.A.」で、2025年1月に世界初公開・新発売となったのが、「Casiotone CT-S1 × FRAGMENT」です。

CASIO電子楽器の理念やブランドステートメント‟Sound for Style”に共鳴

長きに渡って多様な文化を生み出してきた藤原氏。さまざまなヒト・モノ・コトを起点にして広がり続ける彼の好奇心は底が知れませんが、自身のルーツである音楽を楽しむ気持ちがブレることは無いようです。
多数の楽器や機材を実際に使い続けるなかでもCASIOを選ぶのには理由があります。かつてのインタビューでは、

「CASIOの考えている“すべての人に音楽の楽しさを”という理念、“Sound for Style”というブランドステートメントにも、とても共感しています。僕自身も同じような想いを持って音楽活動しているので。今後もそういう想いの部分を大事にしてほしいなと思います。」

“Sound for Style”とは楽器メーカーとしてのこだわりが込められた“Sound”だけでなく、その先にある、ひとりひとりに合ったまったく新しい音楽のあり方、新しい文化やライフスタイルまでも創り出す、というもの。

そんなCASIOについて、長く続けてきた自身の音楽活動のスタンスとの共通点を語っていました。

また、自身も80年代に「Casiotone MT-40」(1981年発売)を愛用していたことを明かしながら、

「僕も80年代に愛用していた『Casiotone MT-40』はダンスホールレゲエのミュージシャンに愛用され、『スレンテン』と呼ばれる音色が生み出されました。それってCASIO的には、おそらく予想もしない使い方だったと思うんです。今後もCASIOには堅実に製品を作ってもらい、それを僕ら不良たちが勝手に使い倒して、新しい音色や弾き方を生み出していく。そういう関係性でいるのもいいんじゃないかなって思いますね。」

CASIOの堅実でありながらも挑戦し続ける姿勢と藤原氏の想いが相まって、今回の特別なコラボレーションが実現できたのです。

日々の生活で音楽を楽しみ、音楽と共にあり続ける

そんな藤原氏とコラボレーションした「Casiotone CT-S1」。日々の生活で音楽を楽しみたい大人へ向けたミニマルデザインの電子キーボードです。

やはり注目したいのはデザイン。電子キーボードに必須の鍵盤、スピーカー、最小限のボタンのみで構成し、鍵盤楽器の本質的な美しさを表現しています。

また、スピーカー部分をカバーするスピーカーネットには、インテリアのような風合いを持つファブリック素材が採用されています。
今回のコラボモデルでは、そんなスピーカーネットが藤原ヒロシ氏のデザインでも使われる千鳥格子柄に。さらに鍵盤部分にはモノトーンに映えるブルーのフェルトが使用されており、よりスタイリッシュな印象になっています。本体には、FRAGMENTマークも印字され、特別感あるモデルに仕上がっています。

デザイン性の高い「Casiotone CT-S1 × FRAGMENT」ですが、CASIOというだけあって、サウンドも申し分ありません。

楽器としての表現力、リアリティ、音の本質を追求し、音楽的な表現力を大きく高めた「AiX音源」を搭載するほか、スリムなボディの内部に効率的にスペースを確保した独自の水平型バスレフ機構も備わっており、コンパクトサイズながら臨場感にあふれる迫力のサウンドを実現しています。

「Casiotone CT-S1」のサウンドについては、過去記事でも取り上げておりますので、ぜひそちらもご覧ください。

鍵盤楽器は全く弾けないけれど、それでも思わず欲しい、と思わせてしまう魅力を持つ「Casiotone CT-S1 × FRAGMENT」。おそらくこの機会を逃したらもう出会えないであろう、至高の名器といっても過言ではないでしょう。

最後に藤原氏のインタビューでの言葉をご紹介します。

「音楽、そして楽器演奏って身近にあるだけで本当に楽しいもので、もし楽器を弾けない人でも絶対に触れてみるべきだと思います。僕もピアノやギターを弾きますけど、譜面は全然読めないんですよね。でも、聴いたものを弾いたりコードを覚えて弾いたりするのは適当にできる。音楽って、本当はそんな感じで適当にできるものなんです。


楽器を弾く人がみなコンクールで優勝を目指す必要も、プロになって人々から称賛を受ける必要なんてない。堅苦しく感じなくても、難しく捉えなくてもいいし、楽器は本来もっと気軽にできるもの。楽器は自分の好きなように楽しんでいいんですよ。弾けなくてもいいし、欲しければヴィンテージギターを買ったっていい。なんなら家に置くだけでもテンション上がるじゃないですか(笑)。それを誰かが手に取り、ほんの少し弾いてみせてくれるだけで『こんなことができるんだ!』と感じる瞬間が訪れるかもしれない。それが楽器演奏の面白いところじゃないかな。」

藤原氏のエッセンスとCASIOのこだわりが詰まった「Casiotone CT-S1 × FRAGMENT」。ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

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