2020年度から、小学校3・4年生から英語の外国語活動が導入されることもあり、今まで以上に子どもたちの英語教育に注目が集まっている。

東京都町田市は以前から子どもたちの英語教育に力を入れており、放課後の空き教室を利用した「放課後英語教室」を実施するなど、精力的に活動している。

そこで今回は、町田市立鶴川第三小学校で4年生を対象に行われた「放課後英語教室」にお邪魔してきたので、取り組み内容とともにその様子をレポートしていこう。

楽しみながら学ぶ「放課後英語教室」

町田市が取り組んでいる放課後英語教室は、J-SHINE(※)の資格を持つ優秀な講師の指導で行われている。

※J-SHINEとは……小学校英語指導者認定協議会の略称で、日本における「小学校での英語教育の普及・発展を支援する」という趣旨のもと、民間主導で設立した団体。英語教育指導者の資格認定等を行っている。

また、授業は長年、英語のカリキュラム開発に取り組んでいる玉川大学の佐藤久美子教授の監修のもと、作られたカリキュラムで進められる。単語やイラストを見て発音練習するほか、英語の絵本を活用したり、歌やダンスなど、楽しみながら英語を学べる内容となっている。

授業では子どもたちの英語力だけでなく、コミュニケーション能力の向上も目指して、進められている。

  • 「放課後英語教室」が行われている町田市立鶴川第三小学校

この日は9回目の授業ということもあり、子どもたちはすっかり慣れた様子。初回から取り入れている英語の挨拶をモチーフにしたダンスにもノリノリで、リズミカルなビートに乗せて元気よく英語を発音。動画に合わせて楽しそうに体を使い、ネイティブさながらの歌声と素敵なダンスを披露してくれた。

  • 英語の挨拶がモチーフとなるダンス。ジェスチャーで英単語に慣れる練習に

続いて「short」「long」あるいは「high」「low」といった対義語や単語の勉強は、大画面ディスプレイに映し出される絵とスペルを見ながら、発音、書き取りといった内容にチャレンジ。といっても、発音やアルファベットに慣れることを主眼としたものになっており、教員もジェスチャーを交えつつ指導するので、子どもたちもプレッシャーなどは感じていない様子だった。

  • スライドの画面だけでなく、講師がジェスチャーで同じ単語を繰り返し発音し、子どもたちの理解を深める

さらに授業では、前回の復習を兼ねた小テストも行われる。そして、その場で講師が採点し、花マルをもらった子はその用紙を片手に友達と大喜びしていた。

  • 小テストが配られると、子どもたちは「え~!」と言いながらも、一生懸命に問題を解いている姿が印象的だった

次はイギリスの小学校でも教科書として採用されている絵本「オックスフォード・リーディング・ツリー」を活用した英単語学習。この日は「G」が付く単語の学習で、風景の中にちりばめた絵を題材に覚えていく。授業ではカシオの電子辞書の小学生向けモデル「XD-SK2800」も活用されており、電子辞書に収録されている「オックスフォード・リーディング・ツリー」の画面を大画面ディスプレイを映しながら進められる。

  • カシオの電子辞書小学生向けモデル「XD-SK2800」

  • 単語を何度も繰り返すことで、子どもたちはすぐに覚えてしまう

みんなで英単語の発音練習をした後、覚えた単語と発音をより正しく身に付けるために、電子辞書の正しい発音を聞いて何度も練習していた。

  • 電子辞書が配られると嬉しそうに操作し、正しい英単語の発音を聞き返していた

授業の最後は、今回覚えた単語を再度復習して、「Goodbye song」をみんなで合唱。45分の授業はこれで解散となる。最後まで子どもの笑顔が絶えず、みんなが元気な声で練習し、英語を楽しみながら覚えていることが十分にうかがえる素晴らしい授業だった。

  • 講師と一緒に「Goodbye song」を歌う子どもたち

学んだ英語が通じる喜びを子どもたちに感じて欲しい

この授業の終わりには、実際に放課後英語教室の授業を行った三浦友子さんと町田市教育委員会の指導主事を務める奥田奈緒子さんに、「放課後英語教室」の取り組みについてお話を伺う機会をもらった。

――「放課後英語教室」の活動内容と目的を教えてください。

町田市教育委員会 指導主事
奥田 奈緒子さん

奥田さん:放課後英語教室は、文字通り、小学生を対象に放課後に開催される英語教室です。取り組みをはじめて3年目になりますが、町田市が子育て世帯の流入で国内トップクラスという背景があります。子どもが多い地域でもあるので、この街を選べば特別な学習が提供されるという体験をしてもらいたくて始めました。

2020年度には新しい学習指導要領が本格的に実施され、小学校3年生から外国語活動の学習が始まります。英語を学ぶことで、英語のスキル上達はもちろんですが、それ以上に英語を通じてコミュニケーション力を育み、他の教科の力もつけてもらえることを望んでいます。

――放課後英語では具体的にどのような授業を行っていますか?

三浦さん:この町田市立鶴川第三小学校では1日に4クラス、2名の講師で教えています。1回45分、年間16回の授業となっており、学年に合わせて学習指導要領に沿った内容で教えています。授業ではカリキュラムに合わせた内容のスライドの他に、電子辞書、音声ペンなどのツールも使います。

  • カシオの電子辞書「XD-SK2800」に収録されたコンテンツを活用する様子

また、放課後英語教室の授業中は、挨拶から進行の言葉まですべて英語で話します。子どもたちも最初は驚いていたのですが、英語を聞き取る力が高いのですぐに言葉を覚えてしまいます。今では、たまに私が日本語で話してしまうと「先生、日本語話せたの?」と言われるほどです(笑)。

――すべての小学校で放課後英語教室が行われているのでしょうか。

奥田さん:放課後英語教室は2016年度より試行され、今年からはそれを16校に増やしました。今後3年間で町田市のすべての小学校に展開していきたいと考えています。

  • 子どもたちは絵を見ながら、英単語を覚えていく

三浦さん:授業で使用したこの電子辞書には、イギリスで教科書に採用されている「オックスフォード・リーディング・ツリー」が収録されています。それらの絵と関連させて、単語や発音を指導しています。やはりスペルを提示するだけでは、子どもたちが英語の意味をつかめないこともあるので、絵とスペルが合わさることで、なんとなくでも意味を覚えていきます

また、授業では最初に学習する内容を大画面ディスプレイに映し、みんなで発音練習をするのですが、大勢で発音していると、どうしても覚えた気になってしまうので、その後にペアやグループで復習の時間を設けています。電子辞書や音声ペン等の音声ツールを利用し、正しい発音を近くで聴くことで、子どもたちは自分の発音が正しいか振り返りができるのです。

放課後英語教室 講師 三浦 友子さん

――子どもたちが音声ツールを使うことによって、どのような効果がありますか?

三浦さん:10~12歳までの子どもは英語を聞き取る力がとても高い時期です。こういう時期に英語にたくさん触れ、正しい発音を学ぶと、中学、高校生になっても身に付いているので、リスニング力も強くなります

英会話教室や放課後英語教室に通っていなくても、電子辞書やCD等の音声ツールがあればいつでも正しい発音を聞くことができ、楽しみながら子どもに英語を学ばせることができます。毎日少しずつ、なんとなくで良いのでこうした音声ツールを活用しながら、英語の世界を身近にしてあげると良いと思います。

――今後の英語教育への展望をお聞かせください。

奥田さん:コミュニケーションツールとして、英語に親しみながら語学力を伸ばしもらいたいですね。英語の楽しさは、外国の人とコミュニケーションがとれる点にあると思います。

町田市ではALTに子どもたちとより多く接してもらえるよう取り組んでいます。積極的に英語を話せるようになるとよいですね。学んだ英語が通じた喜びがあれば、もっと英語が勉強したくなるはずです。そんな気持ちを持ってもらいたいので、たくさんの子どもたちに放課後英語教室へ参加してほしいですね。

――本日はありがとうございました。

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