内部構造をチェックする

デザインが刷新されたボディを愛でることはこの辺にして、内部構造やスペック的な部分に焦点を合わせてみよう。冒頭で述べた通り、CPUは4コア8スレッドの「Core i7-7700HQ」、GPUはPascal世代のモバイルGPU「GeForce GTX 1050」という組み合わせ。さらにストレージは、256GBのSSDに1TBのHDDというハイブリッド構成で容量と速度を両立している。

そして地味にうれしいのが標準搭載の無線LANユニットが、ついにIEEE802.11ac対応になったことだ。ただ通信速度の上限は433Mbps(IntelDual Band Wireless-AC 3168)と、11acにしては遅いのが残念だが、BTOオプションで867Mbpsにする上位版モジュール(IntelDual Band Wireless-AC 8265)が選択できる。ゲームは自室の有線LANで遊ぶが、リビングに持ち込んで使うときは無線LANをフル活用したい、という人はぜひBTOオプション(プラス4,800円)を追加しよう。867MbpsのUSB外付けモジュールを後付けするのは、(スマートさという意味で)あまりにもったいない。

ハード構成情報を「HWiNFO64」でチェック。CPUは定番のCore i7-7700HQ、GPUはGP107、メモリはDDR4-2400のデュアルチャンネル構成であることなどが確認できる

ストレージの情報は「CrystalDiskInfo」で確認した。試用機のSSD(左)はSanDisk製のM.2 SSD(内部的にはSATA III接続)、HDD(右)はSeagate製だった

同社製ノートでは、標準搭載の無線LANが長らく2.4GHz帯のみ(IEEE802.11b/g/n)の対応だったが、この世代よりようやく5GHz帯にも対応するデュアルバンドモジュールとなった。ただしコストダウンのためか1x1通信なので強烈に速いという訳ではない

底面パネルを外して内部をチェック。2基のブロワーファンに3本のヒートパイプが熱を送る設計が確認できる。左上の空間がバッテリーなので、排気ファンの配置がこのような非対称設計になっているのだ

メモリスロットとM.2スロット。上側のM.2スロットは通信専用らしく、無線LAN+Bluetoothのコンボモジュールが組み込まれている

銅プレートで熱を吸い上げてから、ヒートパイプで熱をヒートシンクまで運搬する。左の大きいほうがGPU(2GBのVRAMも一緒に冷却)、右の小さいほうがCPUとなる

基本性能はどの程度か?

シンプルな構造ながらも、押さえるべき部分はしっかり押さえた感のある「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」だが、基本性能はどの程度なのだろうか? CPU性能を見るために「CINEBENCH R15」、グラフィックス描画能力は「3DMark」、そしてストレージは「CrystalDiskMark」でそれぞれ検証してみた。

「CINEBENCH R15」でCPUの計算性能をスコアにしたもの

「3DMark」でグラフィックス描画性能(&若干のCPU演算性能)をスコア化したもの。テストは"Sky Diver""Fire Strike""Time Spy"の3つを使用した

「CrystalDiskMark」によるストレージの読み書き性能。左がSSD、右がHDD

上記3つのベンチマークから、CPU性能はノートPCとしてはトップクラスだが、グラフィックス性能は最新ゲーミングノートとしては中やや下程度。そしてストレージは最速ではないが、ゲームや一般的な写真編集などをするには十分な性能を備えている。性能と価格のバランスが取れた製品といえるだろう。