PCゲームを快適に遊ぶなら、GPUはCPU内蔵ではなく、GeForceのようなディスクリートなGPUを載せたマシンが必要。予算は可能な限りGPUに突っ込め、というのが快適なゲーミングPCを得るための鉄則だ。

ここまではタテマエだが、実際どの程度のGPUを選ぶべきか? と問われると万人を納得させる答えを出すのは難しい。VR用だったり、画質は最高設定以外認めない、という人ならわかりやすい指標があるが、基本無料系のゲームだとか、画質は"普通"でいいよ的な人だと、ハイエンドGPUがあっても無駄になる場合がある(もちろん将来性という点では賢い選択だが……)。

画質に多くを求めずコストはある程度抑えたい、という人にはGeForce GTX 1050くらいのミドルレンジGPUがしっくりくることだろう。そこで今回はそのGTX 1050とCore i7-7700HQを組み合わせた割安なゲーミングノートとして、マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」をレビューしてみたい。

究極の高画質よりもコスパが何より大事という、価格にシビアなゲーマーに最適のゲーミングノートNEXTGEAR-NOTE i5320GA1。マウスコンピューターの直販サイトで129,800円(税別)で販売中だ

シャープさが増した新型ボディ

マウスコンピューターの15.6インチ級ゲーミングノートは、従来機よりも微妙にフットプリントが小さく、軽さや薄さを意識させるデザインになった。天板部分にも"ワンポイント"が入ったことで、今どきのゲーミングPCっぽさも強調されている。

光学ドライブは非搭載だが、外部ディスプレイ出力は3系統(HDMI×1、Mini DisplayPort×2)、有線LAN&無線LAN(後述)搭載など、インタフェース系はしっかり載せてある。USB Type-Cコネクタもあるが、Thunderbolt 3やUSB 3.1 Gen2(10Gbps)ではなく普通のUSB 3.0(5Gbps)なのは残念だが、USB3.1 Gen2対応デバイスの少なさや価格を考えれば、現実的な割り切りといえるだろう。

新デザインでは天板部分にG-Tuneロゴと赤いワンポイントが入った。この赤い部分は通電時に淡く点灯する。ギラギラ光る訳ではないので、仕事で使ってもあまり浮かないだろう

本体部分はくさびのように手前が薄くシェイプしてあるうえに、底面奥側がゴム足で持ち上げられている。パームレスト部分の高さは約20mmと低いため、手首をパームレストに預けても手首への負担は少ない

右側面にはUSBが2基とオーディオ入出力端子を配置。中央部分は冷却ファンの排気孔だが、この配置は個人的に気になったので、それは後述で

左側面は3系統の外部ディスプレイ出力のほか、有線LANやUSB Type-Cコネクタを備える。Type-Cコネクタの上流はチップセットなので、帯域は5Gbpsが上限だ

背面はバッテリースペースが大半を占めるため端子類はない。ただ左側背面(写真では右)にもう一つの排気孔が設けられている

手前のエッジ部分にインジケータLED類を配置

底面からのショット。バッテリーが本体右側(写真では左)にオフセットされていることや、中央や手前側に吸気口があること、さらに一番手前側にスピーカー用のスリットがあることが確認できる

ACアダプタと本体の比較。ACアダプタの厚みは約25mmなので、本体と一緒にカバンに放り込みやすい。ちなみにACアダプタの出力は120Wだ

キーボードは一般的なテンキー付きのJIS配列。キー自体はスタンダードなメンブレン+パンタグラフなので打鍵感はソフトだ。

本機のキーボードにはいわゆる"ワンタッチキー"的なものは存在しないが、常駐ユーティリティ「FlexiKey」を利用することで、任意のキーにマクロやショートカットを登録することができる。最近のゲーミングノートはRGB LEDを仕込んだものが多いが、本機の場合、バックライトは控えめにしてコストを抑えているものの、実用的なマクロ機能は採用している。実用性重視のスタイルが貫かれているのはグッドだ。

スタンダードなJIS配列のアイソレーションキーボード。右側のShiftやCtrlキーが小さくなっている以外は、実によくまとまっている配列ではなかろうか

キーバックライトは白色のみ。最大輝度にしてもあまり明るくならない。ライトアップで楽しむというよりも、照明を絞った部屋でもキーの輪郭を確認するための実用的なバックライトだ

キーボードにマクロ機能を付与する「FlexiKey」。使用頻度の低いファンクションキーにアプリ起動を割り当てたり、アプリやゲームで多用するショートカットを登録して使う。プロファイルを切り替えられるので、ゲーム時と非ゲーム時の挙動切り替えも可能だ

「FlexiKey」ではマウスのボタンにもマクロを登録することができる。ゲーミングマウスのようにマウス感度を操作することはできないが、安い(あるいは古い)マウスでもマクロやショートカットを割り当てられるのは便利