キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」は、携帯性と高画質を兼ね備えた高級コンパクトデジタルカメラだ。胸ポケットに収まる薄型軽量ボディながら、1型の大型センサーと明るい光学3倍ズームを搭載。その性能は実際の現場でどう役立つのか。"モノ"にこだわりを持つ、人気料理店の店主に使ってもらった。

「PowerShot G9 X Mark II」ボディカラーはシルバーとブラックの2色

暗所に有利な高感度センサー&強力手ブレ補正

「WEBに載せた料理の写真は月に15万人もの人が見ています。写真を見て、うちの店を選んでいただいたお客様もたくさんいます。だから、なるべくクオリティの高い写真を撮りたいんですが、最近はスマートフォンのカメラで済ましがちでどうしても限界がありますね」

そう語るのは東京都中野区にあるマグロ専門店「マグロマート」の店主、平島瑠尉さんだ。同店は、マグロのさまざまな部位をあらゆる料理で楽しめる店。2015年のオープン以来、若者からファミリー層まで幅広いお客に支持され、連日多くの人でにぎわう人気店に成長した。そんな平島さんに、キヤノンの最新コンパクトデジタルカメラ「PowerShot G9 X Mark II」を使ってもらった。

マグロマートの店主、平島瑠尉さん

マグロマートは、東京都中野区にあるマグロ専門の人気料理店(PowerShot G9 X Mark IIで撮影)

「このカメラを初めて使ってみて、まず軽さと反応のよさに感心しました。ふだん使っているスマホくらいの重さなのに、カメラとしてのレスポンスがすごくいい。滑らかに表示される画面を見ながら、サクサクとピントが合うことがとても気持ちよく感じました」

PowerShot G9 X Mark IIの重量は、バッテリーとカードを含めて約206g。金属を多用した高品位なボディにもかかわらず、非常に軽量であり、ポケットにすっぽりと入るほどコンパクトだ。早朝は市場での仕入れに奔走している平島さんにとって携帯性のよさは、大前提ともいえるチェックポイントである。

奥行き約31.3mmの薄型ボディ。約206gという軽さも嬉しい

「店のSNSに写真を載せるため、築地の魚市場で写真を撮ることもあります。しかし魚市場は実際はかなり暗く、スマホではピントが合わなかったり、ブレてしまう点に泣かされていました。このPowerShot G9 X Mark IIなら、暗い魚市場でもスムーズに撮影できます。また、魚市場のプロたちが本気で働いている現場で、スマホの大きなシャッターオンを鳴らすのは失礼になることもあります。そういう意味でも、コンパクトながら本格的に見える、このカメラはちょうどいいですね」

PowerShot G9 X Mark IIは、新開発の手ブレ補正機構「デュアルセンシングIS」を搭載。従来のジャイロセンサーによる制御に加え、CMOSセンサーからの画像情報によってブレを判断し、シャッター速度3.5段分の手ブレ補正を実現。暗所でも安心して撮影できる。しかもレンズは開放値F2.0~F4.9の明るい光学3倍ズーム。手ブレだけでなく、被写体ブレのミスも最小限に抑えられる。

PowerShot G9 X Mark IIの操作感についてはどうだろうか。業務の一部として料理などの写真を撮る平島さんだが、カメラに関してはプロではないので直感的に使えることが大切だという。

「撮影や再生をタッチパネルで行える点が便利ですね。ボタンやダイヤルがごちゃごちゃしていないので、取っ付きやすさも感じます。私だけでなく、ほかのスタッフが料理を撮ることもありますが、カメラに慣れてないスタッフでも、このシンプルのタッチ操作なら問題ないでしょう」

Wi-FiとNFCに加えて、Bluetoothにも対応。低電力でスマートフォンなどとの常時接続が可能となり、連携がより簡単に行える。特に撮影した写真を素早くSNSにアップできる点について気に入っていた様子だった。

3.0型約104万ドットの液晶モニターを装備。タッチパネルによる撮影や再生もスムーズに行える