―― 買収はここで一区切りですか?
ジム・パスコー氏「チャンスはうかがい続けます。例えば、サンディスクに関していうと、買収そのものは完了しましたが、すべての統合プロセスが完了したわけではありません。完全な統合には1年以上かかる分野もあります」
―― HDDに関しては、今後はデータセンター向けや、エンタープライズ向け市場に注力していくのでしょうか?
ジム・パスコー氏「その通りです。そこがウエスタンデジタルにとってのフォーカスエリアになります。
もうひとつフォーカスしているのは、先ほど紹介したヘリウムを使ったアクティブ・アーカイブ・プラットフォームです。とはいえ、どんな使われ方をしようと、顧客ニーズのあるものは提供していく準備をしていきたいと考えています」
―― サンディスクはブランドとして存続するそうですが、HGSTを含め、ブランドをどう差別化しているのか教えてください。
ジム・パスコー氏「サンディスクはフラッシュ製品のリーダーです。HGSTはエンタープライズへのブランド、ウエスタンデジタルはクライアントや消費者向けのブランドと位置付けています。HDDやSSDといった製品ごとにブランドを分けるのではなく、ターゲットとなる市場によって分かれています」
―― ライバルに対するアドバンテージはどこでしょうか。
ジム・パスコー氏「まず、東芝との協業は今後も続けていきます(*)。それを通じて大きな技術的なアドバンテージを、我々は持てるようになると思っています。また、サンディスクの社風はイノベーションに満ちています。特許のポートフォリオも非常に強いものを持っており、今後の市場動向に対しても良い位置につけるはずです」
(*)東芝とウエスタンデジタルの協業
主に、東芝とサンディスクが折半出資で運営してきた三重県・四日市市の半導体工場を指す。ウエスタンデジタルがサンディスクを買収したあとも、東芝とウエスタンデジタルで協業関係を継続。四日市工場では3次元NANDフラッシュの量産を本格化している。
―― 日本の市場を見て、独特の特徴を感じている部分はありますか?
ジム・パスコー氏「良い質問です。世界的に見て、データの量は指数関数的に伸びています。そんな中、日本は『コネクテッド・デバイス』の増える勢いが、他国の市場よりペースが速いように感じています。並行して、これはワールドワイドでいえることですが、クラウドストレージに対するニーズも加速していくでしょう」
―― 日本国内でウエスタンデジタルのブランドを広めるために、何か施策を考えていますか?
ジム・パスコー氏「古くからPCに触れているユーザーほど、ウエスタンデジタル=HDDメーカー、というイメージが強いと思います。フラッシュを含めたストレージのメーカーとして、ブランドを再定義していくために、積極的に活動していきたいと思っています」
―― 本日はありがとうございました。
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