みるみる向上するヒット率「もはや機械ではなく業務パートナー」

こうして良品計画の情報システム部門では、2015年下期の「WH運動」として、AIによる回答作成支援システムの構築と利用を手がけることとした。WH運動とは、“いいことは倍(W=ダブル)に、コストは半分(Half=ハーフ)に”を目標に、半期ごとに全社をあげて実施しているボトムアップによる改善活動だ。

山崎氏らはまず、AIを研究テーマとする複数の大学の研究室を訪ねて話を聞いて回った。その後、大学・研究機関、先進企業とのコラボレーションを得意とするベンチャー、市販のAIソフトを提供する大手ITベンダーの中からパートナーを検討。最終的に、機械学習や自然言語処理での高度な技術・ノウハウと大手企業での豊富な導入実績を有する、Preferred Infrastructure(PFI)の機械学習ソリューション「AnswerFinder」を採用することとなった。

その採用理由として山崎氏は「今回のように、新しい技術をまず試したいといったケースでは、要件定義の作成から業務システムづくりをしていたのでは時間がかかり過ぎてしまいます。また大学の研究機関の場合、基礎研究が主眼のため実践となるとなかなかスムーズにはいきません。すぐにトライして結果を出し、次のステップへと進みたい当社にとって、課題を即時理解して実用的な提案を投げかけてくれるPFIは最適なパートナーだと判断しました」と説明する。

間もなくPFIの手によりAnswerFinderを利用したWebベースの簡易的なレコメンドシステムが構築される。質問内容を入力すると過去の履歴の中からAIが見つけ出した回答候補がスコアの高い順に示され、担当者はどの候補が役に立ったのかをシステム側に返すというものだ。

質問内容を入力すると過去の履歴の中からAIが見つけ出した回答候補がスコアの高い順に表示される

当初は、過去に実績のあった大手新聞社の記事作成システムと同様の設定でスタートしたため、なかなか満足のいく結果は得られなかった。それは、ある程度フォーマットが決まっているニュース記事とは異なり、改善案の回答は文書の自由度が高く、最適な回答をヒットさせるためのデータが蓄積されていなかったためだ。しかし、両社の間で活発な意見が交わされながらレコメンドエンジンのチューニングが進められていくと、やがてPFIの言語処理のノウハウとAnswerFinderの柔軟性が最大限に発揮されはじめ、使い込むうちにみるみる回答のヒット率が向上していったのである。

同社 情報システム担当 システム企画課長 榊原一郎氏

同社 情報システム担当 システム企画課長の榊原一郎氏は、「使えば使うほど賢くなるのが機械学習の特徴なので、その性能に期待はしていたものの想像以上に速いペースで回答精度が上がったことに驚愕しました。これまで手動で回答候補を探しだすのに1件当たり7分ほどかかっていたのが、約2分にまで短縮できています。私にとってAIは、もはや単なる機械ではなく業務パートナーだと感じているぐらいです」と説明する。

情報システム部門での成功を受けて、今年8月を目処に、レコメンドシステムを顧客視点シート&改善提案アプリに完全実装したうえで、本部の全部門での導入を進めているところだ。このことを8月のWH運動報告会で経営層と共有した後には、いよいよ“本丸”である店舗業務や商品物流業務へとAIを本格活用していく構えである。

「まず我々の部門内で効果が示されたことで、社内でのAIに対する気運は盛り上がっています。これから当社がコア事業へとAIを拡大していくための大きなきっかけづくりができたと自負しています」(榊原氏)

最後に山崎氏も次のように続けた。「将来AIによる需要予測などを手がけていこうとすれば、当社が力を入れるオムニチャネル分野における顧客情報も貴重な資産となってくるでしょう。このようにさまざまな業務での差別化にAIを活かしていくなかで、PFIとのパートナーシップは欠かせないものになると期待しています」

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