キャリアよりも低料金で利用できる"格安スマホ"が注目を集めている。キャリアのスマートフォンから格安スマホへの乗り換えを検討している人も多いかもしれない。一方で、格安スマホに魅力を感じつつも、キャリアのスマートフォンをやめることに不安を感じている人もいるだろう。
スマートフォンに求めるものは人それぞれであり、キャリアの"安心感"を重視したい人、とにかく格安スマホで料金を節約したい人など様々だ。また、自身の使い方によっても、キャリアが合っているケース、格安スマホが合っているケースと分かれてくる。そこで本稿では、キャリアのスマートフォンと格安スマホのどちらを選ぶのがベストなのかを、使い方に着目して考えてみたい。
使いたい機能・サービスで考える
MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供するSIMカードを利用する格安スマホのメリットは、何といっても月々の料金がキャリアよりも割安であることだ。また、格安スマホの端末として提供されるSIMフリースマートフォンもキャリアの端末と比べると、かなり割安になっている。格安スマホは、その名の通り"安さ"が一番のメリットと言える。
一方、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクといったキャリアのスマートフォンのメリットとしては、キャリアのサービスを利用できることが挙げられる。代表的なものが「@docomo.ne.jp」などのキャリアメールだ。MVNOサービスの多くはMNP(携帯電話番号ポータビリティ)に対応しているため、キャリアで使っている電話番号を引き継いで、格安スマホに乗り換えることができる。しかし、キャリアメールのアドレスを引き継ぐことはできず、格安スマホでは「LINE」や「Gmail」などで連絡手段を代用することになる。
「LINEがあれば、キャリアメールはいらない」といった人も多いと思われるが、なかには「ずっと使ってきたキャリアメールのアドレスを使い続けたい」という人もいるかもしれない。そのようなキャリアメールを手放せない人の場合、キャリアのスマートフォンを利用することが現実的な選択肢となりそうだ。
また、キャリアのサービスではないものの、"おサイフケータイ"や"ワンセグ"は、基本的に格安スマホでは利用することができない。キャリアのAndroidスマートフォンでは、おなじみの機能だが、これらの機能を「どうしても使い続けたい」という人は、格安スマホに乗り換えるのは難しいかもしれない。
このように、キャリアのスマートフォンでは、独自のサービスや機能が提供されているため、それらのサービス・機能にこだわりがある人の場合、格安スマホよりもキャリアのスマートフォンが合っていると言える。その反面、キャリアメールやおサイフケータイなどに、特にこだわりがない人であれば、格安スマホがキャリアのスマートフォンと並んで有力な選択肢になる。
なお、MVNOサービスは、キャリアの移動体通信網を利用した通信サービスであり、通信のつながりやすさやエリアはキャリアと同様だ。また、端末についても、最近では「ZenFone 2」などのハイスペックなSIMフリースマートフォンが多く提供されており、キャリアの端末と比べても遜色はない。そのため、料金面でどのくらい違いがあるのかが、格安スマホとキャリアのスマートフォンの選択のわかれ道になりそうだ。
通話時間・データ通信使用量で考える
それでは、具体的なスマートフォンの使い方を想定して、キャリアと格安スマホの月々の料金を比較してみよう。なお、本稿では格安スマホの一例として、U-NEXTが提供するMVNOサービス「U-mobile」を取り上げ、料金のシミュレーションを行っている。U-mobileは、ドコモのLTE・3G網に対応したMVNOサービスであり、高速通信が使い放題の「LTE使い放題プラン」、2段階定額制の「ダブルフィックスプラン」などを提供しているのが特徴だ。
キャリアのスマートフォンでは、音声通話を定額利用できる"通話定額プラン"が提供されている。一方、U-mobileなどの格安スマホでは、音声通話は従量課金制であり、電話をかけるごとに通話料がかかる。そのため、音声通話を頻繁に利用する人にとっては、キャリアの通話定額プランが有利になる可能性がある。
そこで、まず音声通話を頻繁に利用するものの、データ通信はあまり利用しないという人の料金をシミュレーションしてみよう。具体的には、通話時間が月間180分、データ通信使用量が月間2GBというケースを想定し、キャリアの料金プランとしては、ドコモの「カケホーダイ&パケあえる」の「データSパック」(2GB)を選択。一方、U-mobileは音声通話対応の「通話プラス」の「3GBプラン」を選択して、月々の料金を計算している(以下、金額は税抜)。
U-mobileでは、専用の格安通話アプリ「U-CALL」を提供しており、同アプリから通話発信することで、通話料が通常の半額の10円/30秒(不課税)になる。180分間の通話料は3,600円となるが、これを加えてもU-mobileの合計料金は5,180円。一方、キャリアのプランでは、何分通話しても定額となるが、月額基本料やパケット定額料が高く、合計料金は6,500円となっており、このケースでは格安スマホのU-mobileのほうが料金が安くなることがわかる。
次に、音声通話を頻繁に利用し、なおかつネット動画などをよく視聴するため、データ通信もよく利用するという人の料金をシミュレーションしてみよう。通話時間が月間180分、データ通信使用量が10GBというケースを想定し、キャリアの料金プランはカケホーダイ&パケあえるの「シェアパック10」(10GB)を選択。また、U-mobileは通話プラスの1年契約のプランである「LTE使い放題2プラン」を選択している。
U-mobileのプランでは、通話料が前述のケースと同様に180分間で3,600円となり、LTE使い放題2プランの月額料金を加えた合計料金は6,330円。一方、キャリアのプランでは、10GBのパケット定額料が高額となっており、合計料金は12,500円となる。こちらのケースでも、格安スマホのU-mobileのほうが料金が安くなっており、さらにキャリアのパケット定額料が高額になったことで差が開いている。
なお、音声通話をあまり利用しないといったケースも想定されるが、キャリアの通話定額プランでは、音声通話をほとんど使わなかったとしても料金は一定となる。一方、音声通話が従量課金制の格安スマホでは、音声通話を使わなければ、その分、通話料が安くなるため、当然ながらキャリアよりも格安スマホのほうが料金はお得になる。
以上のことから、通話定額プランはキャリアのスマートフォンの特徴ではあるが、音声通話を頻繁に利用するケースでも、必ずしも格安スマホよりも月々の料金が安くわけではないことがわかる。また、音声通話をあまり利用しないケースでは、通話定額プランのキャリアよりも格安スマホが断然有利だ。さらに、データ通信をあまり使わない場合、データ通信をよく使う場合、どちらのケースでも格安スマホのほうが料金が安くなっており、料金面を重視するのであれば、使い方にかかわらず、格安スマホがベストな選択肢となるだろう。
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MMD研究所が2014年8月に、20代から60代のスマートフォン利用者を対象に実施した調査では、1カ月のデータ通信使用量を「3GB未満」と回答した人は全体の5割超で、1カ月の通話時間を「1時間未満」と回答した人は約8割だった。
データ通信、音声通話ともにあまり利用していない人が大多数であり、本稿のシミュレーションとあわせて考えると、キャリアから格安スマホに乗り換えることで、料金がかなり割安になるユーザーも多いと言える。また、本稿で取り上げたU-mobileの場合、LTE使い放題プランや格安通話アプリのU-CALLを提供しており、データ通信や音声通話を頻繁に使う人にとってもメリットがある。同サービスでは、スマートフォンのセット販売や店舗での即日開通サービスも提供しているため、乗り換え先の格安スマホの筆頭候補になると言えそうだ。
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