「マネーボール」「フォレスト・ガンプ」「リトル・ダンサー」「ロード・オブ・ザ・リング」などの弱者が主人公となる物語は万人に好まれています。大方の予想に反して弱者が勝利し成功する物語が多くの人の心を掴んでいることは、優れた映画や本によって証明されています。なぜなら、富と力を持つ巨大な敵が常に弱者に勝つような見え透いた物語を誰も観たいとは思わないからです。

しかし、現実の世界ではこうした話は珍しいことではありません。特にスマートフォン、電子書籍、PC、タブレットなどを擁するテクノロジーでは、2~3社の大企業によって支配されている業界が少なくありません。これは、そのような業界では参入障壁が高く、経済的なスケールメリットが求められ、多額の研究開発費を必要とし、最低限の要件を満たすことでさえ厳密な政府規制を遵守することが求められるためでしょう。また、大企業が砦を築いて参入障壁の高さを維持し、時に自分の有利になるようにその支配的地位を濫用し、他の企業との共存によって、その産業を発展させるために必要な情報を共有しないことが原因となっている場合もあります。その結果、多くの場合において独占の管理と独占禁止政策の適用は政府や国際機関の役割となっています。

政府が独占禁止政策をとり消費者が適正競争を求めるのは、常に強者が負けることを望んでいるからではなく、競争力の低い企業を保護し、業界の健全性を高め、消費者がハイエンドからエントリー向け技術まで、または高額製品から低価格製品まで、より幅広い選択肢を持てるようにするためです。重要なのは「選択肢を提供すること」です。しかし健全な競争のためには、単に弱者側を保護しようとすることは必ずしも正しいとは言えず、また大企業にとって不公平な競争になることもあります。弱者はスケールメリットや研究開発費といった課題を克服するために、消費者に選ばれるべき価値のある優れたソリューションを提供しなければならないのです。

独自のテクノロジーを発展させ、パートナーが抱えているプレッシャーを理解する

マルコム・グラッドウェルは、著書「ダビデとゴリアテ(邦題:逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密)」で、何世紀にもわたって語られてきた逸話の見解について考察し、そのほぼ全てが間違っている理由を述べています。ダビデがゴリアテを倒したのは奇跡ではありません。ダビデの戦い方は緻密な計算に基づき、人と異なる視点から巨人を捉えた非常に戦略的なものでした。

AMDはチップメーカーとして、45年間におよぶ歴史を通じて半導体業界において強力な競争相手と競ってきました。この争いにおいて、グラッドウェルによる「ダビデとゴリアテ」の解釈のような展開が始まります。AMDは市場競争を勝ち抜くために、AMDのプロセッサー独自の機能を最大限に生かすことができる差別化された補完的なテクノロジーを開発すること、開発のために提携することに重点を置いています。企業は競争力を維持するため、パートナーの持続可能なエコシステムとオープンスタンダード・ポリシーを維持することにより協力し合う必要があります。

AMDのオープン規格のエコシステムの代表として、ヘテロジニアスシステムアーキテクチャ(HSA)財団が挙げられます。ARM、メディアテック、テキサス・インスツルメンツ、サムスン電子、クアルコム、オラクルといった業界大手による組織は、電力効率と電力パフォーマンスを追求した革新的なコンピューティング・アーキテクチャ-の開発に取り組んでおり、ライバルともなりうる一方で共通の目標のために手を組んでいる企業もあります。広範なデバイスにおいてヘテロジニアス・コンピューティングを実現するHSA構想には、デバイスメーカー、デベロッパー、半導体メーカーが協力し、堅牢かつオープンなHSAアーキテクチャーを開発することが必要であり、これによって今後のPC、モバイル端末、サーバー、HPCおよびクラウド・コンピューティング市場におけるさらなるイノベーションが促進されるでしょう。オープンスタンダードを基盤とすることによって、消費者の選択肢が広がるのです。

AMD PRO Aシリーズ APU

例えば、AMDは業界トップのオープンスタンダードを基盤として仮想化、セキュリティーおよび管理容易性を実現するソリューションを提供しています。セキュリティー機能および仮想化テクノロジーは全ての「AMD PRO Aシリーズ」アクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット(APU)に搭載されており、専有ソリューションやコストに縛られずに既存の環境内で自由に選択することができます。「AMD PRO」を基盤とするシステムは、業界トップのDASH(Desktop and Mobile Architecture for System Hardware)スタンダードに基づいているため、業務用のデスクトップおよびラップトップPCの広範なソフトウェアやテクノロジーに対応しています。DASH準拠の実現によって、企業にとって求めやすい価格でマルチベンダーの業務用PC環境における管理の柔軟性を高めることができます。

AMDはオープンエコシステムを発展させパートナーが抱えているプレッシャーを理解することによって有利な立場を維持し、その役割を果たしイノベーションを促進し続けています。これによって業界全体で市場の需要に合わせてより良い製品を生み出すことができ、市場の成功に繋がります。

マルコム・グラッドウェルが著書で述べたように、人は弱者であるという事実によって自分では気づかない形で変わることができます。扉を開き、チャンスを生み出し、教育し啓蒙し、不可能と思われるようなことを可能にすることがあります。これこそが、強力な競合を相手にAMDが差別化されたアプローチによって業界で生き残り勝利するための方法なのです。AMDにとって、そのアプローチとはオープンスタンダード・ポリシーによって健全なエコシステムを構築することであり、このアプローチには誰でも参加することができるのです。

デイヴィッド・ベネット ■著者紹介:デイヴィッド・ベネット(David Bennett) AMDワールドワイド・コマーシャルセールス担当バイスプレジデント

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米国本社 Aditya Kapoor氏のインタビューレポート

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