接続はあっけないほど簡単。実効通信速度もかなり良好

今回は、ソニーのモバイルノートPC「VAIO Z」を使って、この「アタッチWiFi」の実力を検証しよう。まず「NEX-fi/S」をauケータイに装着してから「NEX-fi/S」の電源スイッチをオン。すると、ケータイ側の画面に「動作を選択してください」と表示されるので「高速転送モード」を選ぶ。これでしばらく待つと通信が確立され「アタッチWiFi」を利用できる状態になる。てっきり初回起動時には何らかの初期設定が要るものとばかり思っていたので、このあっけないほどの簡単さには拍子抜けしてしまったほどだ。

「NEX-fi/S」のキャップを外し、auケータイの外部接続端子(18芯コネクター)に差し込む

「S006」に装着した場合は、こんな具合になる。この状態で「NEX-fi/S」側の電源スイッチをオンにする

すると、画面にこのような表示が出てくるので「高速転送モード」を選ぶ

ケータイ側の画面が写真のような状態に切り替わったら、通信が確立している。この画面で「確認」を押すと、現在の最大通信速度がわかる。今回は最大9.2Mbpsで接続されたが、場所によっては6.1Mbpsに下がることもあった

続いてPC側の設定だが、これは通常のWiFi接続と同様で「アタッチWiFi」のアクセスポイント(「AttachWiFixxxxx」という名前になる)に対して接続設定を行うだけだ。「NEX-fi/S」側がWPSなどの簡易接続には対応していないため、セキュリティキーを手作業で入力する必要はあるが、工場出荷時の状態では「NEX-fi/S」の背面に書かれたシリアル番号がセキュリティキーに設定されているので、これをPCに入力すればよい。

PCのワイヤレスネットワークで「AttachWiFixxxxx」というアクセスポイントが見つかるので、これを選択して「接続」をクリックし、セキュリティキーを入力するとWiFiで接続される

これでPCとの接続設定は完了。普通のケータイをPCでテザリングというのはちょっと不思議な光景だが、使い勝手はモバイルルーターやスマートフォンでのテザリングと何ら変わりない

実用的な通信速度でウェブ閲覧

今回の試用は、東京・世田谷区の二子玉川駅からほど近い場所で行ったが、ブラウザから「SPEEDTEST.NET」にアクセスして計測した実効速度を見ると、下りが2.73Mbps、上りが1.06Mbpsだった。3G回線で下りの実効速度が3Mbps近いというのは、かなり優秀といえるだろう。「NEX-fi/S」のWiFi接続は11b/g対応で、11nには対応していないものの、上流の3G回線が最大9.2Mbpsなら11g接続でもボトルネックにはならない。実際にPC側でWebの閲覧を行っても、体感的にはADSL回線に近い速度が出ている。また、YouTube動画の視聴では、さすがに720pのHD動画を再生すると読み込みが追いつかず、映像がたびたび途切れたが、480pまでなら支障なく再生できた。

「NEX-fi/S」とPC間のWiFi接続は11gなので、リンク速度は54Mbpsとなる

「SPEEDTEST.NET」による通信速度のテスト結果。3G回線で下り2Mbps超えは予想以上に良好な結果だ

「アタッチWiFi」で通信中に電話がかかってきたらどうなる?

ここでひとつ頭をよぎったのは、auケータイを「アタッチWiFi」で使っている最中に電話がかかってきたらどうなるのかということ。あえてケータイからスマートフォンに変えない方からその理由を訊くと、通話の確実性を重視している方が多いように思う。「アタッチWiFi」を使うことで着信を受けられなくなるようでは、そうした主旨に反してしまうだろう。

そこで試しに「アタッチWiFi」で通信中のauケータイに別のケータイから電話をかけてみたところ、画面が切り替わってちゃんと着信し「NEX-fi/S」を接続したままでも問題なく通話ができた。ただ、着信と同時にPCとのWiFi接続は切断されてしまう。通信と通話を同時に行えないのは残念だが、少なくとも電話が不在着信にならないなら安心できる。

「アタッチWiFi」で通信中でも、電話がかかってくると着信画面に切り替わる

今回、初めて「アタッチWiFi」を体験してみたが、その名の通り専用機器をアタッチメントするだけでauケータイがモバイルルーターに早変わりするというユニークな着想や、実効速度の意外な速さに、そのポテンシャルをさらに突き詰めてみたくなった。次回の後編では、「Sony Tablet S」や「PS Vita」と接続して、他社回線との通信速度の違いや気になるバッテリー駆動時間などについて迫ってみようと思う。(本文:星紀明)

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