ノート型VAIOの最上位シリーズ「VAIO F」。なかでもこの春登場した新製品には、フルHD表示に対応した16型ワイドディスプレイで、3D映像の再生が可能なモデルが含まれている。大型のテレビや3D対応プレイヤーなどをそろえなくても、デスクに置いたこれ一台でさまざまな3Dコンテンツを簡単に楽しめるのが特徴だ。早速、その充実した機能と性能をチェックしてみよう。

新「VAIO F」シリーズの3D対応モデル
全面がピアノのような黒い光沢仕上げとなっている

全モデルでクアッドコアのCore i7など高性能パーツを搭載

ほかのVAIOと同じように、VAIO Fシリーズにも店頭販売モデル、VAIOオーナーメードモデルと複数のラインナップが用意されているが、今季の3D対応機種については全モデルでクアッドコア版のCore i7を搭載している。4つのコアがそれぞれハイパースレッディング・テクノロジーに対応するので、8スレッドもの同時処理が可能だ。

デスクに据え置くタイプの大型ノートでもCore i3/5や、デュアルコア版のCore i7を採用している例は少なくないが、そこはさすがVAIOの最上位シリーズ、基本性能にはまったく不安のない構成となっており、店頭販売モデルでも動作周波数2GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大2.90GHzのCore i7-2630QMを採用。さらに高速なCPUを求めるユーザーには、Core i7-2720QM、Core i7-2820QMという選択肢も用意されている。これらのCPUはいずれもインテルの最新アーキテクチャ「Sandy Bridge」世代の製品で、従来のCore iシリーズに比べ、さらにターボ・ブースト機能が効果的に作用するように改良されるなど、さまざまなパフォーマンスアップが図られている。

グラフィックスチップとしては、CPU内蔵グラフィックス機能とは別にGeForce GT 540Mを搭載し、3Dグラフィックスの描画やハイビジョン動画の再生なども余裕をもって行える。VAIOには、「Media Gallery」を使って本体に保存された写真や動画からショートムービーを作ったり、「PMB VAIO Edition」を使って画像を見やすく補正したりといった機能が搭載されているが、GeForceはこれらの処理を高速化するアクセラレーターとしても機能するので、3Dゲームをプレイしないユーザーにとってもメリットは大きい。

広々として使いやすいキーボード テンキーを搭載しており、Excelの作業はもちろん、ゲームのプレイ時にも便利

またVAIOオーナーメードモデルでは、内蔵ストレージとしてHDDの代わりに256GBか512GBのSSDを搭載することも可能だ。OSやアプリの起動時間短縮に効果を発揮するほか、デジカメで撮影した大量の画像ファイルを編集する作業などもより快適に行えるようになるだろう。Windowsエクスペリエンス インデックスの値は以下の画像の通り、CPUが7.4、グラフィックスも2D/3Dともに6.7と、ノートPCとしてはかなりハイスペックなスコアになっている。HDDの5.9という値も、SSDへの変更で大幅にアップできるだろう。

ノートPCとしてはかなりの高スコアを示したWindowsエクスペリエンス インデックス

そのほか、本体左側面に2ポート、右側面に1ポート用意されるUSBポートのうち、本体左側面の2ポートはUSB 3.0に対応している。テレビ番組を録画したファイルなどで将来ストレージ容量が不足した場合にも、USB 3.0対応の外付けHDDを接続して高速にデータを移動させることができる。

本体左側面。左からアナログRGB、HDMI、LAN、USB 3.0 右側面。左からヘッドフォン端子、マイク端子、USB 2.0、ブルーレイディスクドライブ、アンテナ入力端子
前面にはi.LINK端子とメモリースティック/SDメモリーカード対応のカードスロットがある