撮影は超スムーズ、VAIOへの取り込みもスマートに完了

部屋の中で飼い犬を相手に撮影してみた。フラッシュを焚かずに、画像サイズをRAWにした以外は、露出はAUTO、ISOもホワイトバランスも自動、画像の仕上げはスタンダードのまま、特に設定は工夫せず、カメラにおまかせで撮影してみることにする。オートフォーカスの速度や使い心地は申し分なく、ファインダーも見やすい。気分よく次々とシャッターを切ることができた。

撮影した画像をカメラの液晶モニターで再生して確認してみる。再生中にヒストグラムボタン(液晶の右側にある[C]とあるボタン)を押すと撮影データも確認できる。まず感じたのが手ブレ補正のありがたさだ。室内でフラッシュ無しの撮影や、厳しいシャッター速度でもきっちり撮れていて、自分の腕が上がったと錯覚してしまうほどだ

type A」フォトエディションには、「Adobe Lightroom 2」がインストールされていて、すぐに利用できる。使いやすさとクオリティで定評がある、プロのフォトグラファー御用達、写真現像管理ソフトの代表格だ。「Adobe Lightroom 2」で画像の調整をするべく“α700”からCFカードを取り出してVAIOのスロットに差し込み、「Adobe Lightroom 2」を起動して写真の読み込み操作を実行。さすがに1枚12MB以上のRAWデータを100枚以上読み込むと一瞬で終わるというわけにはいかないが、読み込まれた写真が次々とワークスペースに表示され、ほどなく終了。コーヒーブレークを取る余裕はなかった。

RAWデータはカメラメーカー独自のフォーマットで記録されているため、フォルダのファイル一覧ではサムネイル表示されない。しかし「Adobe Lightroom 2」なら、読み込む際のダイアログボックスで[プレビューを表示]チェックボックスをオンにしておけば、画像を一覧で確認しながら選択できるので、余計な写真を取り込まずに済む

「Adobe Lightroom 2」を使って写真のクオリティをアップ

「Adobe Lightroom 2」は、写真の読み込み→整理→現像→公開といったフォトグラファーの基本的な作業フローが円滑に進むように数々の工夫がされている。裏を返せば、「Adobe Lightroom 2」が用意してくれている環境をなぞっていけば、慣れていなくてもうまい具合に事が運ぶということでもある。読み込んだ後は、画面右上に表示される「ライブラリ」「現像」「スライドショー」「プリント」「Web」の5つのモジュールを順に選んで作業を進めていけばよい。各モジュール選択後も、左右のパレットに理にかなった構成で操作が整理されているので迷わずにできる。さすがの使いやすさを実感した。

写真を選別して整理を行う「ライブラリモジュール」の画面。中央が写真を選ぶスペース。左右に操作パレットが並び、検索機能も充実している。画面下部には読み込んだ写真のフィルムストリップが表示され、選択できる

中でも特によいと感じたのが、画像のズームとパンの操作だ。わざわざツールを選択する必要がなく、画像上のクリックとドラッグだけで拡大表示と全体表示の切り換え、画像のパンなどがスムーズ&スピーディに行える。直感的に操作できて非常に気持ちがよい。「Adobe Lightroom 2」のツールとしての完成度の高さと「type A」のグラフィック性能の賜物だろう。またここで「type A」の横長画面が俄然威力を発揮する。画面中央の編集スペースの広さを十分に確保しつつ左右にパレットを並べられるからだ。

左の画面はライブラリモジュールの画面でルーペ全体表示にしたところ。右はルーペ拡大表示画像。ズームとパンの操作は、画像の下に表示されているアイコンで切り換えられる。アイコンでは、グリッド表示、拡大表示の切り換えが可能だ

さて、読み込んだ写真を「Adobe Lightroom 2」の編集スペースで改めてよく眺めてみる。カメラのモニターで確認した感じより、実はもっときれいに撮れているのだということに気づかされる。たとえば、犬の濡れた瞳が水晶のように美しく輝いているとか、カーテン越しに落ちる光の柔らかさなど。やはりいいカメラで撮った写真は、ちゃんと見えるディスプレイで確認しなければ活かしきれないと実感する。

現像モジュールを使い、電球の光で撮影した写真のホワイトバランスを調整して自然な色合いに調整してみた。「自動」や「白熱灯」などのプリセットオプションを選択して簡単に変更することができる。画像上の一部をニュートラルカラー(明るいグレー)として選ぶことで調整する方法もある。さらには色温度と色かぶり補正のスライダを使った微調整も可能。いずれにせよ、補正前と補正後の画像を並べて見ながらできるので、拍子抜けするくらい簡単に思い通りの調整ができる。色温度のような細かい調整ができるのはRAWデータならでは。JPEG画像も調整することはできるが変更できる範囲は小さい。さらに階調の「自動補正」を使ってつぶれて見えなくなっている細かい部分を調整した。この程度の作業なら初めてでも5分とかからずにできてしまう。

なお、「type A」のフォトエディションにプリインストールされている「Adobe Photoshop Lightroom 2」には、“α”本体で現像した画質に近づけるように各種調整値をプリセットした「αプリセット」が用意されている。初めてLightroomを使用するとき、利用すると参考になるだろう(※1)

※1:αプリセット1.lrtemplateは“α700”、αプリセット2.lrtemplate は“α100”、“α200”、“α300”、“α350”に適しています。

補正前(左)と補正後(右)の画像を並べて調整している画面。左右に並べる、上下に並べる、上下に分割、左右に分割など、編集画面下のボタンをクリックして表示方法を選べる

「Adobe Lightroom 2」は、元のファイルデータを一切変更せずに編集する方法を採っている。画像に施した変更はヒストリーに記録され、どの段階にもすぐに戻れる(画面左側パレット)。また調整途中の「ここぞ」という段階で、ワンクリック操作で画像のスナップショットが保存できる。また、一度終了しても、次に「Adobe Lightroom 2」を起動したとき、終わったときのままの状態が表示されるので、続きの作業がすぐに始められる。こういう細かいことの積み重ねが全体としてとても使いやすいものにしていると思った

今回、「Adobe Lightroom 2」での写真編集という部分では多くを実践してみることはできなかったが、“α700”で撮った写真を「type A」フォトエディションを使って活かしきる可能性については十分実感することができた。デジタル一眼レフカメラには、通常、ホワイトバランスなどの撮影時の設定は十分に備わっているため、的確に設定すれば素晴らしい写真が撮れる。しかし、撮影というのは刹那の勝負という側面もあり、とっておきの一瞬を設定操作のため逃したのでは元も子もない。撮った写真を後から自分の目で確かめながらじっくり調整できるなら、撮影するときの思い切りも違ってくる。カメラまかせの設定で撮った写真を自分の表現したいイメージに近づけることも可能だ。

写真を撮るのが大好きな人なら、「Adobe Lightroom 2」の暗室作業に夢中になるのは間違いない。“α700”と「type A」フォトエディションは格好のパートナーだ。もっともっと写真が撮りたくなる。かっこいい写真を撮ってみたいけど自信がなくて本格的な装備は躊躇していたという人も、“α700”と「type A」フォトエディションの組み合わせならきっと願いをかなえてくれるだろう。

標準スペック(デジタル一眼レフカメラ “α700”)

製品名 デジタル一眼レフカメラ“α700icon”(ボディ)
型番 DSLR-A700
撮像素子サイズ APS-Cサイズ“Exmor”CMOSセンサー
最大解像度 【RAW】4288×2856
レンズマウント αマウントシステム
ISO感度 AUTO ISO100-3200(6400まで拡張可能)
記録形式 JPEG、RAW、RAW+JPEG(RAW:ARW2.0フォーマット)
ダストリダクション 帯電防止コートおよびイメージセンサーシフト駆動によるアンチダスト機能搭載
ファインダー倍率 0.9倍(50mmレンズ、無限遠時)
ファインダー視野率 95%
液晶モニター 3.0型、921,000ドット(TFT)/ハイブリッド型エクストラファイン液晶
対応記録メディア “メモリースティック デュオ”、“メモリースティック PRO デュオ”、“メモリースティック PRO-HG デュオ”、コンパクトフラッシュカード Type I、II(UDMA対応)、マイクロドライブ
内蔵ストロボ ガイドナンバー12(ISO100・m)
バッテリー リチャージャブルバッテリーパック『NP-FM500H』
サイズ W約141.7mm×H約104.8mm×D約79.7mm(突起部を除く)
質量 約690g(電池、記録メディアなど、付属品含まず)
価格 148,000円(税込)

標準スペック(VAIO「type A」)

製品名 VAIO「type A」フォトエディション
型番 VGN-AW90US・AW90NS・AW90S
OS Windows Vista(Ultimate / Business / Home Premium)(SP1)正規版
カラー プレミアムブラック
プロセッサー インテル Core 2 Duo T9600 / T9400 / P8600 / P8400
ディスプレイ 18.4型ワイド(16:9)、TFTカラー液晶、リッチカラー・Adobe RGBカバー率100%、解像度:Full HD(1920×1080ドット)、アンチグレア
メモリー 4GB (2GB×2) / 2GB(2GB×1)
グラフィックアクセラレーター NVIDIA GeForce 9600M GT GPU(専用ビデオメモリー512MB)
ストレージ 約628GB(SSD約128GB(64GB×2)+HDD約500GB(4200回転/分)) /
HDD約1TB(500GB×2)(4200回転/分) / HDD約800GB(400GB×2)(4200回転/分) / HDD約640GB(320GB×2)(7200回転/分) / HDD約500GB(250GB×2)(7200回転/分) / HDD約500GB(250GB×2)(5400回転/分)
RAID RAID 1(ミラーリング) / RAID 0(ストライピング)
ドライブ ブルーレイディスクドライブ(DVDスーパーマルチ機能搭載) / DVDスーパーマルチ・BD-ROM一体型ドライブ
内蔵テレビチューナー 地上デジタル×2 / なし
ワイヤレスLAN IEEE 802.11a/b/g/n
Bluetooth機能 搭載
Webカメラ《MOTION EYE》 搭載
FeliCaポート 搭載
メモリースティック&カード用スロット 搭載(“メモリースティック デュオ” 、“メモリースティック PRO デュオ”、 SDメモリーカード 、マルチメディアカード(MMC)、 コンパクトフラッシュ)
動画・音楽編集ソフトウェア Adobe Premiere Elements 4、VAIO Edit Components、DigiOnSound 5 L.E. for VAIO(HDV対応版) / なし
バッテリー駆動時間 約2時間(※)
サイズ W約437.2mm×H約36.9mm(最厚部約39.7mm)×D約288.9mm(突起部含まず)
質量 約3.95kg(バッテリーパック装着時)(※)
価格 269,800円(税込)~

※バッテリー駆動時間や質量は仕様によって異なります。

価格については、2008/11/4現在の金額です。最新の価格についてはソニースタイルのサイトにてご確認ください。

(マイコミジャーナル広告企画)

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