2021年3月下旬より提供が開始されたauの格安プラン「povo」。先に結論を述べると、povoでeSIMを利用することは可能です!
なお、povoのeSIMを利用するための主な設定手順は以下の通り。
【利用開始までの手順】
①設定前の準備を行う
②回線の切り替え手続き【乗り換えの場合】
③URLからQRコードを取得・読み取り
④アクセスポイントの設定【Androidの場合】
⑤eSIM切り替え手続き
⑥APN構成プロファイルの消去【iPhoneの場合】
⑦発信テスト
povoのeSIMは、20GBを2,728円で利用できたり、自分に合わせたプランを組めたりなどのメリットがある一方、eSIM対応機種が限られているなどの注意点もいくつかあります。
この記事では、povoでeSIMを利用する手順やメリット・注意点などを徹底解説していきます。
povoでeSIMが利用できる!

(引用元:povo)
先述したとおり、povoではeSIMを利用できます。
現状eSIMに対応しているキャリアの格安プランは、povoとLINEMOのみです。現時点でドコモの格安プラン「ahamo」ではeSIMは利用できません。
とはいえ、今後対応する可能性は十分ありますので、いずれは全キャリアの格安プランで利用できるようになると思われます。
では、eSIMとは具体的にどのようなサービスなのでしょうか。通常の物理SIMとはどう異なるのか、比較しながら解説していきます。
そもそもeSIMとは?概要についておさらい
そもそもeSIMとはどのようなサービスなのか、簡単に説明すると、eSIMとは”スマートフォン本体にSIMが内蔵されている仕組み”のことです。
通常の物理SIMは、SIMカードを端末に差し込む形で利用する一方で、eSIMではSIMカード自体がなく、プロファイルと呼ばれるデータをオンラインでダウンロードすると利用できます。
そのため、SIMカードの到着を待つことなくダウンロードが終わればすぐに利用できる、つまりんは即日に開通することが可能です。
SIMカード自体がないので、当然抜き差しの手間もなく、紛失や破損の心配もありません。
ただし、対応している端末やキャリアが少ないなど、注意点が多々あることも覚えておく必要があるでしょう。
<通常の物理SIMと異なる箇所>
- 対応している機種、キャリアや事業者が限られる
- 1つの端末で2つの回線が利用できる
- SIMカード不要でSIMが端末に内蔵されている
- SIMカードの到着を待つ必要がなく、即日開通が可能
- SIMカードを紛失・破損する心配がいらない
このようにeSIMは、少しでも早くスマートフォンを利用したい人や、SIMカードの取り扱いが面倒な人には特におすすめです。
povoのeSIMを利用する手順

(引用元:povo)
povoのeSIMを利用するために、どのような手順を踏めばいいのかを詳しく紹介します。povoのeSIMを利用するには、主に以下の7ステップが必要です。
<povoのeSIMを利用する手順>
①設定前の準備を行う
②回線の切り替え手続き【乗り換えの場合】
③URLからQRコードを取得・読み取り
④アクセスポイントの設定【Androidの場合】
⑤eSIM切り替え手続き
⑥APN構成プロファイルの消去【iPhoneの場合】
⑦発信テスト
上記7つの手順について、それぞれ詳しく解説します。
①設定前の準備を行う
povoのeSIMに申し込む際、手続きにいくつか必要なものがあります。スムーズに手続きを進めるためにも事前に準備しておきましょう。
<手続きに必要なもの>
- SIMロック解除済みの端末
- 上記以外のスマートフォンやパソコン・タブレット
- Wi-Fiなどのインターネット環境
povoのeSIMを利用するためには、SIMロック解除された端末が必要です。
また、プロファイルをダウンロードするために、QRコードを表示するための端末も別途準備しておきましょう。オンラインで手続きをするためのインターネット環境も必須です。
iPhoneを利用する予定の人は、iOSのバージョン確認も忘れないようにしておいてください。
iOS13以前のバージョンは対応していないので、このタイミングでアップデートしておきましょう。
povoのeSIMに端末が対応しているか、動作確認状況の確認も忘れないようにしてください。対応機種は、動作確認機種のページで簡単に確認できます。
②回線の切り替え手続き【乗り換えの場合】
他社からの乗り換えの場合は、WEBサイトで回線の切り替え手続きをしましょう。回線の切り替えには以下3つの情報が必要です。
<回線の切り替えに必要な情報>
- povoオンラインショップの注文番号
- 注文時に登録した「注文履歴確認用パスワード」
- 切り替え予定の携帯電話番号
WEBサイトで切り替える際は、午前9時から午後21時15分までの間に以下の手順で手続きを進めてください。
<回線の切り替え手順>
①「ご注文履歴」へアクセスする
②「新規契約・他社からの乗換え(MNP)」を選ぶ
③「ご注文番号の入力へ進む」をクリックする
④「ご注文番号」と「注文履歴確認用パスワード」を入力する
⑤「ご注文履歴を表示する」を選ぶ
⑥「回線を切り替える」をクリックする
⑦利用予定の端末の電源を切る
⑧30分ほど経過したあと、端末の電源を入れ直せば切り替え完了
回線の切り替えが完了したら、QRコードの取得に移りましょう。
③URLからQRコードを取得・読み取り
事前に準備していた利用予定とは別の端末で、QRコードを取得しましょう。
<QRコードの取得手順>
①別端末でプロファイル用のURLにアクセスする
②au IDを入力する
③QRコードを表示する
QRコードを表示させたら、povoで利用予定の端末を使って読み取ってください。手順はiPhoneとAndroid端末のいずれかで異なります。
<QRコードの読み取り手順【iPhoneの場合】>
①povoで利用予定の端末でインターネットに接続する
②「設定」アプリから「モバイル通信」を選ぶ
③「モバイル通信プランを追加」を選ぶ
④別端末で表示しているQRコードを読み取る
⑤「モバイル通信プランを追加」を選ぶ
⑥回線が追加されていれば完了

(引用元:povo)

(引用元:povo)
Android端末の場合は以下の手順でQRコードを読み取ってください。
<QRコードの読み取り手順【Androidの場合】>
①povoで利用予定の端末でインターネットに接続する
②「設定」アプリから「ネットワークとインターネット」を選ぶ
③「モバイルネットワーク」を選ぶ
④「モバイルネットワークへの接続」で「SIMカードをお持ちでない場合」を選ぶ
⑤「SIMのダウンロード」で「次へ」をタップする
⑥別端末で表示しているQRコードを読み取る
⑦ボタンが表示されたら「OK」を選ぶ
⑧「auを使用しますか?」で「有効化」をタップすれば完了

(引用元:povo)

(引用元:povo)

(引用元:povo)
Android端末を利用予定の方はこのまま④へ、iPhoneの方は⑤に進みましょう。
④アクセスポイントの設定【Androidの場合】
Android端末の場合はアクセスポイントの設定が必要です。ただauで販売しているほとんどのAndroid端末はすでに設定済みなので手続きの必要はありません。
自動で設定されない場合は、以下の手順どおりに進めてください。
<アクセスポイントの設定手順【Androidの場合】>
①「設定」から「接続」をタップする
②「モバイルネットワーク」を選ぶ
③「APN」を選ぶ
④「追加」をタップする
⑤「名前」「APN」「ユーザー名」「パスワード」を入力する
⑥下記の表を参考に「認証タイプ」を入力する
⑦「povo」と表示されれば完了です

(引用元:povo)

(引用元:povo)

(引用元:povo)
認証タイプは端末によって異なりますので、以下の表を参考に間違えないように入力してください。
【認証タイプ】
4G LTE対応端末 | 5G端末 | |
---|---|---|
名前 | povo | povo |
APN名 | uno.au-net.ne.jp | uad5gn.au-net.ne.jp |
ユーザー名 | 685840734641020@uno.au-net.ne.jp | au@uad5gn.au-net.ne.jp |
パスワード | KpyrR6BP | au |
認証タイプ | CHAP | CHAP |
続いてはeSIM切り替え手続きに移りましょう。
⑤eSIM切り替え手続き
povo以外の回線を契約している場合は、eSIM切り替えが必要です。eSIM切り替えの手順はiPhoneとAndroid端末で異なるので注意してください。
<eSIM切り替え手続きの手順【iPhoneの場合】>
①「設定」アプリから「モバイル通信」を選ぶ
②「副回線」を選ぶ
③「KDDI」の表示を確認後「この回線をオンにする」をスワイプする
④「OK」をタップする
⑤「モバイル通信」をタップする
⑥povoで利用する回線を選ぶ
⑦「ネットワーク選択」が「KDDI」になっていれば完了

(引用元:povo)

(引用元:povo)

(引用元:povo)
Android端末の場合は、以下の手順でeSIM切り替えを進めましょう。
<eSIM切り替え手続きの手順【Androidの場合】>
①「設定」アプリから「ネットワークとインターネット」を選ぶ
②「モバイルネットワーク」を選ぶ
③対象回線が「無効」となっている場合は、「無効/ダウンロード型SIM」をタップ
④「au」の表示を確認後「OFF」をスワイプする
⑤「auに切り替え」をタップする
⑥ネットワークが「au」になっていれば完了

(引用元:povo)

(引用元:povo)
iPhoneを利用予定の方はこのまま⑥へ、Android端末の方は⑦に進みましょう。
⑥APN構成プロファイルの消去【iPhoneの場合】
iPhoneを利用予定で、他社のプロファイルが設定されている場合は削除をしておく必要があります。
<APN構成プロファイルの消去手順【iPhoneの場合】>
①「設定」アプリを開く
②「一般」を選ぶ
③「プロファイル」もしくは「プロファイルとデバイス管理」を選ぶ
④他社プロファイルをタップする
⑤「プロファイルを削除」をタップする
⑥「パスワード」を入力する
⑦「削除」をタップすれば完了

(引用元:povo)

(引用元:povo)

(引用元:povo)
ここまで終われば、あとは1ステップで開通手続き完了です。
⑦発信テスト
最後に発信テスト用番号の「111」へ電話をかけてください。ガイダンスを最後まで聞いたら電話を切ってeSIMの開通手続きは完了です。
申し込み手順がわかったら、povoのeSIMを利用することで得られるメリットや注意点を詳しく見ていきましょう。
povoのeSIMを利用するメリット

では、具体的にeSIMを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。povoでeSIMを利用すれば、主に以下5つのメリットが得られます。
<povoのeSIMを利用するメリット>
- 1台で2つの回線の利用ができる
- SIMカードの差し替える手間が減る
- 20GBがずっと2,728円で利用できる
- 自分に合わせたプランを組める
- 完全au回線なので通信も速く安定している
上記5つのメリットについて、詳しく解説していきましょう。
1台で2つの回線の利用ができる
先述したとおり、povoのeSIMは、スマートフォン本体に内蔵されるタイプのSIMです。
本来SIMカードを挿し込む場所が空いていることになるため、物理SIMカードを端末に挿せば、1つの端末で2つの回線が利用できるのです。
これにより、通話用回線とデータ通信回線を別会社で契約したり、仕事用とプライベート用で回線を分けるなど、幅広い用途に対応することができます。
SIMカードの差し替える手間が減る
eSIMは端末本体にSIMが内蔵されている仕様上、SIMカード自体がなく、当然差し替える手間も必要ありません。
それだけでなくSIMカードがないので、SIMをなくしたり破損したりする心配もありません。
これまでにSIMカードを紛失したり破損したりした経験がある方は、差し替える手間も減るので、eSIMを利用してみるとよいでしょう。
20GBがずっと2,728円で利用できる
povoは、eSIMでも20GBまでならずっと2,728円で利用できます。
たった1つのシンプルな料金プランなので、他のプランと迷うことがありません。
一方3大キャリアや他社格安SIMは、豊富な料金プランから選べることが魅力の1つです。
しかしその分複雑なため、知識がないとそれが逆に悩みの種となってしまうこともあるでしょう。
キャリアの複雑な料金プランを理解できない人にとってはもってこいのサービスといえるでしょう。
自分に合わせたプランを組める
povoでは、月額2,728円のシンプルな料金プランにトッピングを加えて、サービスをより充実させられます。
簡単に説明するとトッピングとは、povoをより便利に利用するための追加オプションのことです。
povoでは通話かけ放題・データ容量の追加オプションの中から、自分に合ったものをトッピングできます。それぞれどのような内容なのか、表で確認してみましょう。
【povoのトッピング内容】
トッピング内容 | 月額料金 | |
---|---|---|
通話オプション | 1回5分以内かけ放題 | 550円 |
完全かけ放題 | 1,650円 | |
データ追加オプション | 24時間限定データ使い放題 | 220円 |
データ追加 1GB | 550円 |
※価格はすべて税込
電話やインターネットを頻繁に利用する人は、上記のトッピングから自分に合ったものを追加しましょう。
完全au回線なので通信も速く安定している
povoはau回線をそのまま利用できるので、通信速度が速く安定しています。
povoは格安SIMではなく、あくまでauの新料金プランという位置付けであるため、au回線をそのまま使用できるのです。
では、au回線は実際にどれくらいの通信速度が出るのでしょうか。みんなのネット回線速度では、2021年8月時点では、以下のようなデータが記載されています。
<au回線の実測速度>
- 平均下り速度:108.92Mbps
- 平均上り速度:15.47Mbps
日常使いでインターネットを快適に利用するには、10Mbps〜30Mbpsほど通信速度が必要です。
大容量データ通信が必要なオンラインゲームでも、100Mbps程度あれば十分プレイできます。その点を考慮すると、au回線の速度は問題ないといえますね。
現在利用中のau料金が高いと感じている人は、auの高品質回線をそのまま使用できるので、安心してpovoに乗り換えましょう。
povoのeSIMを利用する注意点

povoのeSIMを利用するなら、メリットだけではなく注意点も理解しておく必要があります。注意点は以下の3つのみなので、すべてに目を通しておきましょう。
<povoのeSIMを利用する注意点>
- eSIM対応機種が少ない
- iOSのバージョン次第でできない場合もある
- SIMロック解除をする必要があるかもしれない
では、上記3つの注意点について、それぞれ詳しく見ていきます。
eSIM対応機種が少ない
現状eSIMに対応している機種は少ないので、申し込む前に必ず端末の確認をする必要があります。
対応機種の確認を怠ると、プロファイルのダウンロードができず利用自体もできなくなる可能性があります。
以下の一覧で紹介しているeSIM対応端末を持っていない場合は、新しく購入しなければならないことは覚えておきましょう。
<eSIM対応機種>
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 12
- iPhone 12 mini
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone 11
- iPhone XR
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- Google Pixel 5
このようにiPhoneでは、最近販売された機種であればほとんどeSIMに対応していることがわかります。
しかし同時にAndroid端末の対応機種が極端に少ないこともわかります。
つまり、iPhoneの古い機種やAndroid端末を利用中の方は、eSIMを利用できない可能性が高いのです。
iOSのバージョン次第でできない場合もある
povoのeSIMは、iOS13以前のバージョンに対応していません。利用するには、必ずiOS13以上でなければなりません。
iPhoneを利用している人はバージョンの確認をしておいてください。その際、iOS13以上であればそのまま手続きを進めても問題ありません。
しかし、iOS13以上でない場合は、eSIMプロファイルダウンロード前に必ずiOSのアップデートをしておきましょう。
SIMロック解除を行う必要があるかも
eSIM対応機種を利用する場合は、端末のSIMロック解除を行う必要があります。
しかし、SIMフリー端末では必要ないので、解除手続きが面倒な方や資金に余裕がある方は事前に購入しておくとよいでしょう。
SIMロック解除をしようと思っても、手続き方法がわからず悩んでしまう方もいるはず。SIMロック解除は、各キャリアの窓口から行ってください。どのキャリアでも、WEBサイトか店舗のいずれかで解除手続きができます。
【SIMロック解除の問い合わせ窓口】
WEBサイト | 電話 | |||
---|---|---|---|---|
キャリア | サイト | 受付時間 | 電話番号 | 受付時間 |
ドコモ | My docomo | 24時間 | ドコモ携帯:151(無料) 一般電話:0120-800-000 |
9:00~20:00 |
au | My au | 9:00~21:30 | ー | ー |
ソフトバンク | My SoftBank | 9:00~21:00 | ー | ー |
表からわかるように、ドコモのみ電話からもSIMロック解除ができます。しかし電話からSIMロック解除ができるのは、「契約者本人が購入した端末のみ」なので注意してください。
また店舗でSIMロック解除手続きをする場合は、手数料3,300円が必要です。「SIMロック解除で3,300円も支払いたくない」という方は、WEBサイトからなら手数料なしで手続きできますよ。
手続きのやり方がどうしてもわからないという人以外は、直接店舗に行くメリットはありませんので、各社WEBサイトから手続きを済ませましょう。
まとめ
eSIMとは、プロファイルをダウンロードすることで利用できるようになるスマホ内蔵型のSIMです。従来のSIMカードとは申し込み手順も異なるので、事前に確認しておきましょう。
<povoのeSIMを利用する手順>
①設定前の準備を行う
②回線の切り替え手続き【乗り換えの場合】
③URLからQRコードを取得・読み取り
④アクセスポイントの設定【Androidの場合】
⑤eSIM切り替え手続き
⑥APN構成プロファイルの消去【iPhoneの場合】
⑦発信テスト
povoのeSIMを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
<povoのeSIMを利用するメリット>
- 1台で2つの回線の利用ができる
- SIMカードの差し替える手間が減る
- 20GBがずっと2,728円で利用できる
- 自分に合わせたプランを組める
- 完全au回線なので通信も速く安定している
povoのeSIMに申し込むなら、メリットだけでなく注意点にも目を通しておきましょう。
<povoのeSIMを利用する注意点>
- eSIM対応機種が少ない
- iOSのバージョン次第でできない場合もある
- SIMロック解除を行う必要があるかも
povoのeSIMはSIMカードの到着を待つ必要がなかったり、au回線をそのまま使用できたりとメリットは多いです。
ただ注意点もいくつかあるので、povoのeSIMを検討中の方は十分理解したうえで申し込みしてください。