世界的な「デジタル化」の潮流により、非エンジニアでもテクノロジーを選択する時代が訪れています。ただ、一般的にテクノロジーは、とっつきづらく理解するのが難しいものです。このコーナーでは、皆様にとって身近な「スポーツ」を題材に、そこで利用されているITを紹介。スポーツのトレンドとテクノロジーを一緒に学ぶ――そんなコンテンツとしてぜひご覧ください。

第1回は、ダルビッシュ有選手も利用する高性能弾道測定器「Rapsodo(ラプソード)」に注目。株式会社Rapsodo Japan日本支社長 山同建氏へのインタビューから、スポーツで利用されている最新テクノロジーを紹介します。
株式会社Rapsodo Japan日本支社長 山同建氏

株式会社Rapsodo Japan日本支社長 山同建氏

MLB(メジャーリーグ)のサンディエゴ・パドレスで活躍するダルビッシュ有選手が、自身のユーチューブチャンネルで使用したことで注目を集めている高性能弾道測定器「ラプソード」。高感度のカメラとレーダーで野球選手の投球と打球を瞬時に計測し、総合的なデータ分析を可能にする、トラッキングシステム(移動する物体を追跡するシステム)だ。

米国ではすでにMLB全30球団で導入されており、700を超えるトレーニング施設やベースボールアカデミーでも採用されている。その日本法人が2021年3月15日に設立された。日本の野球界にもいよいよ本格的なデータ革命時代が訪れようとしている。

MLBの膨大なデータ分析に裏づけされた「フライボール革命」

日本の「野球」と米国の「ベースボール」の違いは以前から指摘されていたが、近年はその違いが際立っていた。最大の要因はセイバーメトリクスだ。

セイバーメトリクスとは、……