動画配信や音声配信は、ビジネスとプライベートの双方に “日常あるもの” として定着した。これに伴い今日のネットワークは、その上を毎日膨大な量のパケットが行き来する状況となっている。こうした背景から、サービス提供側が認識できない「ユーザー体験の低下」が生じつつあるのをご存じだろうか。
ネットワークが混雑する状況下ではパケットロスや通信遅延といった問題が発生する。たとえネットワークや機器が正常に動作していても、通信そのものに潜む問題が要因となってユーザー体験は低下してしまう。「性能監視をしているから大丈夫」そう思うかもしれないが、TCP/IPネットワークに接続された通信機器の稼働状況を確認する従来手法では、ユーザー体験の低下に気づくことすら困難なのだ。
本稿ではSCSKが公開する技術文書より、性能監視を3つの方式に分類して解説。その上で、いま取り入れるべき「パケットモニタリング」の重要性をお伝えする。
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性能管理の落とし穴と運用管理の目指すべき先とは?
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いま求められる「パケットモニタリング」
性能監視では、古くからSNMP(Simple Network Management Protocol)と呼ばれる測定方法が利用されてきた。ただ、パケット量の増加に伴い、機器の稼働状況のみを監視するSNMPに不足が生じている。
ここでまず整理したいのは、性能監視というのは、機器の監視を指したものではないということ。下の表に挙げる大きく3つの方式が、性能監視には存在する。
機器モニタリング | 対象 | 機器(サーバやネットワーク機器) |
---|---|---|
指標 | 機器リソース(CPUやメモリ、その他ハードウェアの状況) | |
取得方法 | SNMP | |
フローモニタリング | 対象 | ネットワーク機器が集計する通信統計値 |
指標 | 送信元・宛先・TCP/UDPポート番号ごとの通信量(ヘッダ情報) | |
取得方法 | NetFlow/IPFIX | |
パケットモニタリング | 対象 | パケット取得ポイントに流れるユーザーの通信 |
指標 | フローモニタリングの指標 +アプリケーションの応答時間、その他パケットに含まれる行動履歴 |
|
取得方法 | ネットワークTAPによる通信データの分配、 ネットワーク機器からの通信データミラーリング |
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