OpenStackコミット実績は世界6位 - NEC Cloud System OSS構築モデルの新版発表

[2016/06/03 19:29] ブックマーク ブックマーク

仮想化

日本電気(NEC)は6月2日、クラウド基盤構築・運用支援ソリューション「NEC Cloud System(OSS構築モデル)」において、マルチデータセンター機能などを強化した2ndリリースの提供を開始したと発表した。

ご存知でした? OpenStack貢献度は世界で6位

NEC Cloud Systemは、同社が提供するプライベートクラウド構築ソリューションのブランド名。垂直統合型システムを利用したレディメイド型の「Cloud Platform Suite」、商用製品をBuilding Block方式で選択して構築する「商用製品構築モデル」、OSS(Open Source Software)をベースに構築する「OSS構築モデル」の3種類が用意されている。

今回機能強化されたOSS構築モデルでは、OpenStackをベースに、OpenShiftやZabbix、GitLabなどを組み合わせたもの。オープンかつ信頼性の高いOSSを広く採用しており、自社やパートナーのプロプライエタリなプロダクトは極力減らすよう配慮している。プロプライエタリ製品を採用する際も、各種ソフトウェアとのAPI連携や互換性を検証したうえで決定するプロセスを踏んでいる。

NEC Cloud System(OSS構築モデル)で採用されているコンポーネントの一覧。白枠がOpenStack。赤枠がそれ以外。

上記コンポーネントの対応。赤がOpenStack、緑がそれ以外のOSS、グレーがNEC製ソフトウェア、青が3rdパーティー製ソフトウェア

NECでは、OpenStackを採用するにあたり、OpenStackの開発コミュニティにも積極的に参加している。今年4月に正式リリースされた新版「OpenStack Mitaka」では、NECの開発者22名が9つのコンポーネントに参画。うち1名がPTL(Project Team Leader)、8名がコアデベロッパーとして活動した。会社単位のコミット数は1412件で、ワールドワイドの6位。国内企業では、7バージョン(3年半)連続で1位のポジションにあるという。

ワールドワイドの企業別コミット数。NECが6位

新版はバージョン違いも一元管理、ソースコードはOpenStack本体に還元

今回発表された2ndリリースでは、大きく以下の2点が強化されている。

  • マルチデータセンター管理機能
  • サービス事業者・企業向けVNF/PNF管理機能
    (VNF : Virtual Network Function[仮想ネットワーク機能]、PNF : Physical Network Function[物理ネットワーク機能])

マルチデータセンター機能では、複数のデータセンターをまたがって管理できる統合管理ポータルを提供。データセンター間でOpenStackのバージョンが異なるケースにも対応しており、そのソースコードはOpenStack本体に還元する予定だという。また、データセンター間でのディザスタリカバリ機能を組み込んだほか、データセンターをまたがって管理権限を付与する機能も提供している。

一方、サービス事業者・企業向けVNF/PNF管理機能については、ファイアウォールやロードバランサーなど、仮想・物理ネットワークアプライアンスをプロビジョニングして一元管理する機能を取り込んでいる。NECではこれまで、通信事業者向けという位置づけで同様の機能を買収子会社NetCracker Technologyの「MANO(Management and Network Orchestration)」によって実現してきたが、サービス事業者や一般企業向けとしては機能過多で価格も釣り合わなかったため、仏UBIqubeと提携し、同社プロダクトを新たに組み込んだ。

NECでは、今後も半年から1年程度の間隔で、機能強化したNEC Cloud System(OSS構築モデル)をリリースしていく予定。

NEC Cloud Systemのロードマップ

OpenStackへの機能還元で得られるNECのメリットは?

上記のとおりNECでは、今回の新版で取り込んだ、OpenStackのバージョン違いを吸収して一元管理できる機能をOpenStack本体に還元する意向で、すでにコミュニティに対してBlueprint(機能提案)を上げている。NECには貢献度の大きいコミッターが多いことから、取り込まれる目算が高いという。

還元予定の機能としては、データセンターをまたがって設定・運用できる権限管理の仕組みも挙げられている。さらには、UBIqubeのソフトウェアに関してもOSS版を用意し、公開していく考えだ。

発表を行った、NEC プラットフォームサービス事業部 主席システム主幹の上坂 利文氏

果たして、こうした取り組みの意図はどこにあるのか――OSS化は、すなわち誰も利用できるようになることを意味するが、差別化要因を手放すことにデメリットは感じないのか。また、考えうるメリットとしては、将来の標準機能を先行して搭載することによる先進性・技術力のアピールなども考えられるが、リリース計画はそうした戦略の下に立てているのか。

そのあたりについて、NEC プラットフォームサービス事業部 主席システム主幹の上坂 利文氏に聞いたところ、氏は次のように回答した。

「確かに今はNEC Cloud Systemで先行して提供するかたちになっていますが、だからといって”一日の長がある”などと先進性を主張するつもりはありません。私たちはあくまで、お客様に満足していただくために必要なものを可能な限り早く提供しているだけ。独自の実装として作ってしまえば、バージョンアップや他ソフトウェアとの連携の際に入念なテストが必要になりますので、そうした負担を減らすために、後からでもOpenStack本体に取り込もうとしているわけです」

上坂氏は、OpenStackコミュニティでの活動に開発者を割いているのも、「NECソリューションのお客様満足度を上げるため」と説明する。コミュニティで活動することで、有望なコンポーネントを早期にユーザーの下へ展開できるようになるほか、将来の計画も立てやすくなる。さらには今回の例のように、OpenStack本体への還元も進めやすくなるなど、ソリューション提供者という立場でのメリットは多いという。

「OpenStackコミュニティのメンバーも、弊社ソリューションの開発メンバーも、弊社ソリューションのサポートメンバーも、一体となって進めています。メンバーの負担は小さくありませんが、お客様の利点が少しでも大きくなるよう努力しています」

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