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Peppolと電子インボイスが"鍵"! 経理の働き方改革に向けた官民の取り組み

[2021/06/24 09:00]伊藤正子 ブックマーク ブックマーク

経理の新しい働き方を共創する「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトは6月22日、「日本の経理をもっと自由にサミット DXで変わる日本の紙と働き方」を開催した。

本稿では、プロジェクトの変遷と新たに見えてきた経理の課題について語ったROBOT PAYMENT 執行役員 フィナンシャルクラウド 事業部長 藤田豪人氏と、日本のデジタル改革について語ったデジタル改革担当大臣 平井卓也氏による基調講演の模様をレポートする。

なぜ経理部門の働き方は変わらないのか

「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトは、ROBOT PAYMENTが2020年7月、freee、ランサーズ、マネーフォワードといった賛同企業51社と共に発足したもの(関連記事:経理の働き方改革、請求書の電子化を推進するプロジェクト始動)。請求書の電子化、ひいては電子データを活用したデジタル化に向けたさまざまな活動を行っており、現在、賛同企業は150社を超える。

登壇した藤田氏は、「コロナ禍でテレワークはかなり普及したが、経理に限定して見ると『在宅できない』と答えたのが56.6%、『働き方が変わらない』と答えたのは83.4%というのが実情」だと説明する。

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経理1000人に聞いた請求書電子化と働き方に関する実態調査(「日本の経理をもっと自由に」プロジェクト調べ。以下、同)。全国の企業の経理担当者(20歳以上)男女1000名を対象にインターネット調査を実施(2021年5月14日~2021年5月17日)

その大きな原因の1つは、請求書をはじめとする紙ベースの業務にある。経理や財務といったいわゆるバックオフィス業務はIT化が遅れており、紙の書類の処理や仕分け/管理に忙殺されているのだ。

では、経理の現場は請求書の電子化についてどう考えているのだろうか。

「我々の調査では、経理担当者の約9割が(請求書の電子化に取り組んでほしいという)希望は持っているものの提言できていないことが明らかになりました。そうしたことから、『日本の経理をもっと自由に』プロジェクトが発足したという経緯もあります。電子帳簿保存法の改正をきっかけに、経理の働き方を変えていきたいと考え、請求書の電子化率50%を目標に掲げました」(藤田氏)

同プロジェクトは2020年7月に発足後、同年9月30日には、IT導入補助金を推進している経済産業省へ対応を進言する嘆願書を提出(関連記事:請求書の電子化による経済効果は1兆超、10月1日施行電帳法改正に備えよ)。以降、賛同企業とカンファレンスというかたちで情報提供しながら、電子化とその先にある働き方改革について発信してきた。

だが、「まだまだペーパーレス後進国だと実感している」(藤田氏)という。1000人の経理担当者を対象にアンケート調査を実施したところ、電子化ツールの導入を検討すらしていない企業が59.8%と約6割を占める結果となったのだ。

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同氏によれば、アンケートを通じて、システムへの投資の必要性や紙文化からの脱却を訴えるだけでは働き方は変わらないということが見えてきたという。システムの導入にあたってコストの問題はもちろんあるが、請求書を扱うとなると相手側との調整が必要になり、これが大きな弊害となっているからだ。

「本質的な課題は導入コストではなく、請求書を取り巻く構造がポイントになるのではないか」と藤田氏は語り、そうした構造や仕組みを変える”鍵”として「電子インボイス」と「Peppol(ペポル)」を挙げた。

インボイス制度とPeppolに対する経理の認識は?

インボイスとは、簡単に言えば商取引における請求書のことだ。2023年10月1日から導入されるインボイス制度においては、買い手側は仕入税額控除の適用を受けるためにインボイスの保存が必要であり、交付する売り手側も写しを保存しなければならない。藤田氏は「制度への対応にIT化は必須ではないが、業務がかなり煩雑になる可能性が高いため、電子化は喫緊の課題」だと警鐘を鳴らす。

一方Peppolは、OPEN PEPPOLが策定した国際規格であり、受発注や請求にかかわる電子文書をネットワーク上でやり取りする際の仕様を定めたものだ。電子インボイス推進協議会(EIPA:E-Invoice Promotion Association)は2020年12月、日本国内における電子インボイスの標準仕様をこのPeppolに準拠して策定することを発表している。

プロジェクトの調査では、「あなたは『Peppol(ペポル)』に関する現在の世の中の状況を、どの程度把握していますか」という質問に、「詳しく把握できている」と回答したのは2.5%、同じくインボイス制度について尋ねた質問では15.3%という結果となった。

藤田豪人氏

「自社の経理担当者にヒアリングしたところ、軽減税率の対応よりも細かいことをいろいろ決めなければいけなくて大変だと言っていました。2年も先だという見方もありますが、うちの経理は2年しかないと考えていて、企業によって温度差が出てきていると感じています」(藤田氏)

こうしたことから、プロジェクトでは官民連携で仕組みを普及させていくことが必要だと考えているという。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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