DMM.comが買収したAI企業・AlgoAgeの戦略から見る、AIビジネスの将来像

[2020/05/11 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

DMM.comは2020年2月、人工知能(AI)ソリューション企業AlgoAgeの発行済み株式51%を取得し、連結子会社化した。創業から2年という若いベンチャー企業は、なぜDMM.comの子会社という道を選んだのか。そして彼らはどういった技術力を持ち、どのような未来像を描いているのか。AlgoAgeの共同創業者でCEOの安田洋介氏と同CTOの大野峻典氏のインタビューから、AIビジネスの将来とともにAlgoAgeの実力に迫っていく。

(写真左から)AlgoAgeの共同創業者でCEOの安田洋介氏と同CTOの大野峻典氏(取材はオンラインで実施、写真は全て別日にAlgoAgeが撮影)

コンサルティングを通してAIが最も活きる分野を見定める

AlgoAgeは、各企業の個別課題に対してAI技術を活用しソリューション設計/提供を行うアルゴリズム開発事業と、汎用性の高い課題をターゲットに自社開発の機械学習ソリューションを提供するMLaaS(Machine Learning as a Service)事業をメインで展開する。創業は2018年2月。東京大学の同級生で、学生時代に機械学習を専攻していた安田洋介氏と大野峻典氏が共同で立ち上げた。

AIソリューション企業は国内外に多数あるが、AlgoAgeの強みは、最新の論文など、最先端のアカデミックの情報をベースにしながら、事業に寄り添ったアルゴリズム活用のコンサルティングを行うことだという。安田氏は「開発だけ行うAI企業とは異なり、AIの技術的知見に加え、クライアントの事業成長を第一にしたAI活用戦略を考えることを重視しており、それに関わる課題発見/ソリューション設計のために、外資系コンサル企業出身者をはじめ事業における戦略コンサルティングに強いメンバーを集めています」と説明する。

まずは産業分野を特定せず、コンサルティングを通して各分野の企業の課題を深堀りし、AIを当てはめることで最もインパクトのある業界を探るというのがAlgoAgeの戦略だ。

「今やソフトウエアはどの企業にも欠かせないものになりました。それと同様に、AIもさまざまな産業において活用の可能性があります。今後5年間で、AI技術の活用は各産業分野で進んでいくでしょう。私たちのゴールは、特定の業界の全ての会社が使いたくなるようなものをつくること。機械学習と相性の良い課題、ソリューションの仮説は広くありますので、現時点では探索すべく、業界などの選択肢は特に狭めずに事業を展開しています」(安田氏)

創業間もない段階でDMM.comの買収提案を受けた理由

こうした状況において、さまざまなドメインで事業を展開するDMM.comによる買収提案は、AlgoAgeにとって願ってもない好機となった。創業間もない段階での子会社化はベンチャーの経営者にとって判断が難しいところだが、大野氏は「3年後に社会に対してどれだけ価値を与えられるか考えたときに、DMM.comと組むことが最適だと判断しました。事業戦略上、2つのモジュールで成長を考えています。1つはクライアント/パートナー企業様向けにカスタマイズしたアルゴリズム提供を行いキャッシュフローを回しながらキャッシュ/ドメイン知識/強いチームを作っていく堅実な成長を狙う『守りのモジュール』、そしてもう1つが、そこで積み立てたリソースをMLaaS事業に投資しスケールを狙う『攻めのモジュール』です。今回の提携は、後者のスケールを前提にしてDMM.comの各事業をクライアントにもしていくことを念頭に置いており、守り/攻めのどちらも強化していくことができます」と、DMM.comとの提携メリットについて説明する。

一方で、DMM.com側としては、同社の事業におけるデータ分析/機械学習活用、およびテクノロジー領域人材の強化を図るねらいがある。今回のAlgoAge子会社化に関して、DMM.com CTOの松本勇気氏は「DMM.comにおけるデータ活用の基盤と文化が整いつつあるなかで、さらなる機械学習技術の強化により各自社サービスの強化につながる点が魅力でした。また、AlgoAgeと連携することで、多くの企業がデータ活用に困難を感じている面に対して貢献できるという道筋が見えました」というコメントを当誌に寄せている。

資本業務提携時のプレスリリースより。写真左がDMM.com CTO松本勇気氏

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