DataRobot社は11月20日、プライベートカンファレンス「AI Experience 2019 Tokyo」を都内にて開催した。「AIで成功した先進企業ではビジネスにどんな変化が起こっているのか」をテーマに掲げた同カンファレンスでは、さまざまな分野から機械学習を活用したビジネス変革を推し進める企業が登壇し、その知見が語られた。
そのなかから本稿では、三菱UFJ信託銀行 業務IT企画部 Fintech企画G 岡田拓郎氏が登壇した講演「三菱UFJ信託銀行のAI導入でハマった”落とし穴”と”推進のポイント”」の模様をレポートする。
AI活用の恩恵を受けるには?
金融各社を対象に自社のAI事情について尋ねたアンケート結果によると、AI活用で”もうかっている”会社は10社中2社のみだという。この2社の共通点は、ビジネスのコア領域に絞ってAIを活用していることだ。
「当社でも2016年頃よりAI活用に取り組んできたが、2019年度に入ってからはAI導入の推進ポイントを抑えるようにしたことで、次第に効果が現れ始めている」と岡田氏は説明する。
三菱UFJ信託銀行がAIで実現しようとしているのは、大きく以下の4つの領域だ。
- マーケティング
- コンサルティング業務
- マーケット予測
- 事務自動化
同社では、AI活用が上手く行っているほかの2社の金融機関と同様に、信託銀行のコア領域を定め、その領域を中心として競争力強化のためのAI活用のノウハウを自社に蓄積していくことを目指している。現在、37のAI案件に取り組んでおり、なかでもコア領域の案件は成果を上げているという。
三菱UFJ信託銀行がはまったAI導入「4つの落とし穴」
だが、何事も全てが順風満帆に進んできたわけではない。岡田氏は、同行がAI導入の過程ではまった4つの”落とし穴”を紹介していった。
まず1つ目は「人の落とし穴」であり、AIへの過度な期待に起因するものだ。2つ目は「モノの落とし穴」。いざ分析しようとしたらデータを分析する環境がなかったり、銀行特有の強固なセキュリティのためにインターネット閲覧制限や分析ツールのダウンロードに管理者承認が必要になったりと準備段階で手間取った。
「データ借用手続きに1カ月を費やしたりして、やる気をそがれたこともありました」(岡田氏)
3つ目は「金の落とし穴」だ。企画書が完成して稟議の段階へと進んだのに、何らかの理由で最終的に予算が下りないというのは、AIの導入に限らずしばしば発生することだろう。
そして4つ目が「情報の落とし穴」。さあデータ分析を始めようとデータを見たところ、データがいわゆる”汚い”状態だったため、名寄せに苦労するはめになったという。
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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