AIツールで顧客行動をつかむ! FrancfrancとICI石井スポーツの取り組み

[2018/03/15 12:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

ABEJAは2月22日、AIテクノロジーに関するカンファレンス「SIX 2018」を開催。「リアル店舗運営を変革する。顧客行動データの活用、実践編」というセッションでは、FrancfrancとICI石井スポーツの担当者が登壇し、どのように顧客行動の可視化や分析を行っているかについて紹介した。

売れる店舗をどう作るか? データ活用の重要性

ABEJA 長谷直達氏

IoTやAIなどの技術が発展したことで、これまで捕捉できなかった顧客行動が数値で把握できるようになった。労働人口が減少し、EC化がさらに進むなか、消費者行動を定量化し、データから売れる理由・売れない理由を導き出すことはますます重要になってきている。

小売業でも、こうしたトレンドに反応してさまざまな取り組みが進められている。これまでのように、スタッフの勘と経験に頼る店舗運営ではなく、データから仮説を立て、検証を繰り返しながら「売れる店舗」を築き上げるための仕組みが求められている。

最初に登壇したABEJAの長谷直達氏は、こうした小売業の取り組みを支援するサービスとしてAIを活用した店舗解析プラットフォーム「ABEJA Insight for Retail」を提供していることを紹介。同サービスを使って、いち早く顧客行動の可視化を実践し、店舗経営の手法を大きく変えた小売業として、FrancfrancとICI石井スポーツがあると説明した。

Francfrancは、ブランドターゲットと実際の来店客を比較することで「誰が店に来ているのか?」を把握し、顧客理解に活用している。また、ICI石井スポーツでは、店舗レイアウトを最適化するため、エリアごとに顧客の立寄り率を測定し、最も顧客が買い回りをする店舗構築を目指している。では、実際にどのように取り組みを進めているのか。長谷氏に続いて2社の担当者がそれぞれ登壇し、取り組みのポイントを紹介した。

「ブランド力」を可視化して顧客理解に生かすFrancfranc

Francfrancは「VALUE by DESIGN - デザインによって毎日をより楽しく、より豊かに」をミッションに、家具・インテリア雑貨を国内110店舗超で展開する企業だ。登壇した奥野悠一氏は、社長直轄の戦略企画部で事業構造改革担当を務める。リクルートホールディングスでUXディレクター、プロダクトマネージャーを務めた後、2017年9月にFrancfrancに入社し、経営課題をスピーディーに実行するための全社横断の戦略立案と仕組みづくりを進めてきた。

Francfranc 戦略企画部 事業構造改革担当 奥野悠一氏

奥野氏はまず、戦略が担う役割として「競合と比較し、差別化された価値を提供し、模倣されないための仕組みを作ることが重要です」と指摘。この戦略の役割は小売業のビジネスをベースに突き詰めていくと「誰が何をどのように買ったかを決めること」にまで落とし込むことができる。つまり、現状把握だ。

さらに、戦略を振り返り、次の戦略に生かしていくためには、現状把握だけでなく、そこから課題を抽出し、打ち手を考え、その結果がどうなかったかを再び把握するサイクルを回していくことが求められる。ただ、「現状把握」が正しく行われないと、「課題抽出」や「打ち手」も目的と大きくズレたものになってしまう。

「例えば、売上が前年比90%に落ち込んだとき、原因を探るために、10代から40代までの年齢層別の売上状況を調べるとします。40代の売上が前年比80%で、他の年代は100%でした。

ここで『問題は40代にある』という課題抽出をしてしまうと、打ち手を間違えます。もう少し深掘りして、来店数と購買率を見てみます。すると、40代は来店数が70%なのに購買率は110%とむしろ高い。逆に、10代の来店数が140%だったのに、購買率は70%に落ちていたことがわかりました。

つまり、本当の課題は(一時的に売上が落ちた)40代ではなく、10代向け商品にあるのではと考えることができるのです。最もレイヤーが高い数字で大方針を判断することが重要です」(奥野氏)

数字を正しく判断しないと、どれだけ複雑な分析をしてもムダになるというわけだ。

課題を正しく把握し、解決するための「データ」

では、この課題を打ち手に変えるにはどうしたらいいか。来店が増えたのに購買が下がった理由を探るには、来店前と来店後の状況を正しく判断する必要がある。

「どうすれば来店前と来店後の消費行動を探ることができるのか。テクノロジーに詳しい友人に相談したところ、紹介されたのがABEJAのツールでした。現在、Francfrancでは、店舗に設置したカメラの映像を画像解析して、顧客の消費行動を分析しています」(奥野氏)

全体傾向の取得を目的にまず10店舗で運用をスタート。年代別の来店数と購買率を把握し、ブランド力の衰退や成長の予兆をつかもうとしている。ブランド力とは「何か商品を買いたいと思ったときにFrancfrancというブランドを想起していただけるかどうか」(奥野氏)だという。

来店数や購買率の推移を見ることで、目に見えないブランド力が可視化できると期待している。また、来店数や購買率を、店舗タイプ、商品カテゴリ、エリアといった要素と組みわせて分析することで、課題を正確に把握しようとしている。

「将来的には、誰が来店したのかについて、より多面的に把握できるようになればいいと考えています。例えば、新規顧客かリピート顧客か、感度や趣味嗜好、テイスト、予算などです。この点はABEJAさんのツールに期待しています」(奥野氏)

最後に奥野氏は「経営に必要なデータは何なのかをゼロベースで考え、必要なデータをテクノロジーで取得できるのかをしっかり追っていくことが必要です。そうしたテクノロジーの導入には経営レベルで判断し、整備していかないと、全社的なKPIの設定や戦略の振り返りが行なえません。経営に必要なデータを経営レベルで整備するという経営の意思決定がポイントです」と訴えた。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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