「5年以内にロボットを持ち歩く社会へ」- ロボットクリエーターが語る未来

[2018/01/29 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

ソリューション

AI技術の進化により、社会は大きく変わろうとしている。ますます身近な存在になりつつあるロボットは、いずれ我々の生活に欠かせない存在となるだろう。そんなロボット時代のキーマンと目される人物の一人が、ロボットクリエーターであり、ロボ・ガレージ代表取締役社長を務める高橋智隆氏だ。人の生活に寄り添う「コミュニケーションロボット」開発の第一人者である。

高橋氏は、1月25日に開催された「NTT DATA Innovation Conference 2018」の基調講演に登壇。「ロボット時代の創造」と題し、コミュニケーションロボットの進化や、今後社会にもたらされるであろうインパクトについて解説を繰り広げた。

アナログとテクノロジー融合の「カギ」

先述の通り、高橋氏はロボットクリエーターとして広く知られる存在だ。制作に携わった作品は「EVOLTA(エボルタ)」や「RoBoHoN(ロボホン)」、「Robi(ロビ)」など多岐にわたり、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授や大阪電気通信大学客員教授などの顔も持っている。

ロボ・ガレージ代表取締役社長 高橋智隆氏

そんな高橋氏は講演冒頭、「私たちの生活はテクノロジーによって快適化が進んでいますが、一方で雪で交通機関がまひしたら遅延証明をもらって判子を押しています。最後のところはアナログな生活をしているわけです」と指摘。「ただ、それがなくなったほうがいいとは思いません。こたつでみかんを食べてごろごろしていたい」と言い添え、会場を笑わせた。

そうしたアナログな生活とテクノロジーがどこで融合するのか。カギを握るのは、高橋氏が追い求めるテーマ「コミュニケーションロボット」だ。

もともと鉄腕アトムに憧れてロボット科学者を目指したという高橋氏。その後、一度は別の道に進みかけるも、就職活動の失敗をきっかけに再びロボットへの想いが再燃したという。

「予備校に通い、京都大学工学部に入り直しました。ロボット分野に進むことを決め、在学中からロボットを制作しました」

高橋氏が制作したロボットはベンチャーコンテストやアイデアコンテストで見事優勝。卒業と同時に京都学内入居ベンチャー第1号として、ロボ・ガレージを創業するに至った。

高橋氏のロボットデザインは、初期から一貫している。鉄腕アトム誕生年である2003年に開発した「neon」はアトムのオマージュ的作品であり、産業用ロボットとは一線を画す愛らしい見た目に仕上げた。関節から機械的な部品が見えないよう隠すなど、細部までこだわり抜いたという。

また、同氏は性能面でも優れたロボットを生み出している。著名なロボット工学者である石黒浩教授らと共同で開発した「VisiON」は、全方位カメラを搭載した完全自律型ロボットで、ロボカップ世界大会で5連覇を達成した。2013年には高橋氏の開発したロボットが宇宙へ飛び、世界で初めて「宇宙で言葉を発したロボット」となった。

企業とのコラボレーションにも積極的だ。パナソニックのエボルタチャレンジでは、乾電池で動く「エボルタくん」を開発。グランドキャニオンをロープで登りきり、ル・マン24時間走行を成し遂げてギネス記録を達成した。2017年には後継となる「エボルタNEO」でフィヨルド登頂も成功させている。

講演では、エボルタくんがロープを登る様子が実演された

デアゴスティーニ・ジャパンから発売された「週刊ロビ」は毎号パーツが付属し、創刊号から最終号まで買い揃えると高橋氏が開発したロボット「ロビ」が完成するという斬新な企画だ。ドライバー1本で完成できる手軽さも受けて、人型ロボットとしては史上最高となる約15万台の売上を記録した。

「ロボットの組み立てと言うと男性が多そうですが、購読者の4割近くが女性でした。(分冊百科形式の)デアゴスティーニは挫折する人も多く、最終号まで1割が残ればビジネスとして採算が取れると言われていますが、週刊ロビは半数が最終号まで定期購読してくれました」

高橋氏曰く、ロビは実用性が皆無なのだという。それでもこれだけ売れたのはなぜか。同氏はそこにロボット社会の可能性を感じていると語る。

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