ドローン+ICTブイで海苔養殖の状態監視、LPWA活用でドコモらが6者協定

[2017/04/18 11:35]徳原大 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

佐賀県農林水産部と佐賀大学農学部、佐賀県有明海漁業協同組合、農林中央金庫、NTTドコモ、オプティムの6者は3月にノリ養殖におけるIoTとAI、ロボットの活用に関する「6者間連携協定」を締結した。

[お知らせ] 4月下旬、ドローン特集スタート

IT Search+では今月下旬に、『ドローンのポテンシャル - メーカー、キャリア、ユーザー企業はこう見る』と題した特集を掲載予定です。管轄官庁の国土交通省や業界団体を含む9企業/団体にインタビュー。ドローンのビジネス活用について、それぞれの立場から近未来の展望を語っていただいております。そちらもお楽しみに。

協定では、ドローンやICTブイ、スマートフォンといったデバイスを活用し、それらの機器から取得するデータをビッグデータとして解析する。これにより、有明海域における主要産業の海苔養殖の品質と収量の向上、病害対策、ノリ漁家の作業負担軽減を目指す。佐賀県と佐賀大学、オプティムは、2015年8月に三者連携協定を締結しており、その成果を6者協定で発展させる。

具体的には、実証実験として、LPWA(Low Power Wide Area)・セルラー通信機能を搭載した固定翼型ドローン「オプティムホーク」とNTTドコモが実用化したICTブイを活用し、ノリ病害と赤潮の発生予測、対応策を検討する。

ITの利活用は、主にオプティムが全面的なサポートを行う。同社 代表取締役社長の菅谷 俊二氏が佐賀大学農学部の出身で、主にMDM製品「Optimal Biz」を中心に事業を広げてきた。近年は今回の実証実験でも活用するIoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」に注力している。

水温と比重、その他天候データなどを単一画面で表示できる

ドローンによる撮影データ。これはマルチコプターによるものだが、固定翼型でも同様の画像品質を担保できるという

RGB解析による病害の特定。水温や比重データと絡めて判別している様子がわかる

赤潮の発生といった問題もリアルタイムで監視できるようになることで、被害拡大を未然に防ぐ

固定翼型ドローンの開発は、IoTプラットフォームと組み合わせて活用することを目的としており、ソフトバンクの「第2回 SoftBank Innovation Program」にも同社の取り組みが採用されている。こちらはソフトバンクとのビジネス協業を前提としたテストマーケティングの実施、サービス・ソリューション化が目的となっており、新型ドローン・ロボットの開発をすすめるとしている。

画像解析とブイデータを活用

今回の実証実験では、タワー(通信拠点)からLPWAでICTブイ4基と接続し、ブイとドローンから得られたデータを水産IoT統合プラットフォーム「Fishery Manager」で管理する。実証項目としては、LPWA(LoRaWAN)のエリア確認と、同じくLPWAでデータを送信するドローンから安定的に受信できるか、データ欠損率や消費電力を調査する。ドローンについては、LPWAやセルラー通信の搭載によってリアルタイムのデータ送信も視野に入れる。

ドローンから送信された画像についてはRGB解析でアカグサレ病などの病害を早期に発見することが期待されている。ノリ養殖における病害は、潮の流れなどによって蔓延しがちであり、佐賀県では個別の農家による管理ではなく「集団管理方式」によって病害の未然予防を行っている。

他県ではあまり例を見ない対策によって、全国ブランドである「有明海苔」を守っているというわけだ。ただ、30万柵の網、一区画あたり54m×36mのものが有明海一面に張られているため、管理場所が点在しており、効率性を高めても限界があった。

そこで重要になるのがNTTドコモのICTブイだ(関連記事 : IoTデバイスと化した「ブイ」は漁業を変えるのか?)。仙台の漁場で実用化済みのICTブイはセルラーモジュールを搭載しており、クラウドへ水温を1時間毎に送信していた。こちらの漁場でも海苔養殖で活用されていたが、ここの知見から比重の変化を取得できるように改良されたものを有明海では投入する。水温に加えて比重も把握できるようになることで、海水面付近で育成する海苔が死ぬことを食い止められるようになる。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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