流通・小売を革新する、4つのAI活用分野

[2017/04/04 08:30]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

話題のAIは流通・小売業にどんなインパクトをもたらすのか―― 現在考えられる活用分野を整理したのが、リテールテックJAPANにおける三菱総合研究所の講演である。

「パーソナライズ化」「在庫最適化」「人員・店員配置最適化」「接客高度化・売場力向上」の4つの分野を例に具体策が示されたので、簡単にご紹介しよう。

バイタルデータや、表情・動作も! 小売のデータは拡大中

3月7~10日に開催された「リテールテックJAPAN」(主催: 日経新聞社)のセミナーに、三菱総合研究所 ICTイノベーション事業本部 マーケティングイノベーショングループリーダーの篠田 徹 氏が登壇。『流通業におけるAI活用の可能性と勘所 ~AI×ビッグデータが切り開くビジネスイノベーション~』と題して、小売流通業がどうAIに向き合っていけばよいのかを解説した。

三菱総合研究所 ICTイノベーション事業本部 マーケティングイノベーショングループリーダーの篠田 徹 氏

小売業とAIというと、国内ではまだまだこれからの取り組みのように思える。だが、篠田氏は、「適用領域は広がっていて、AI技術の進展を取り込んでいくことで、ビジネスインパクトが大きく拡大することが見込まれます。AI活用の戦略を定め、その戦略に基づいて実装していくことが重要になってきました」と指摘する。

AI活用の戦略でまず大きなポイントになるのは「テクノロジー起点」ではなく「価値起点」で戦略を立案することだという。

具体的には「どのAIが使えるか」ではなく、「利用者は誰か」「狙いと提供できる価値は何か」「どの業務のどういった意思決定に役立つか」といった視点で戦略を立てる必要がある。また、具体的な実装についても、意思決定の支援や自動化に役立つという視点から、AIの手法を選択していくことがポイントだという。

「意思決定に向けたデータ分析には、いくつかのフェーズがあります。最初は『見える化』というフェーズですが、それから『相関関係・因果関係の把握』『予測』『最適化』と続いていきます。これらのフェーズでは、理解や推論、知識化といった作業が欠かせません。そのためAIが大きな威力を発揮するのです」(篠田氏)

さらに、篠田氏は、小売業が活用できるデータは、従来のようなID-POSや受発注データといった構造化データから、顧客の声やRFID、顧客動線・映像、バイタルデータ、表情・動作などの非構造化データに広がっているとし、目的を明確に定めることで、さまざまな活用が可能になることを説明した。

AIの3大効能は、業務効率化、顧客価値創造、リスク管理

AI活用の目的としては大きく、業務の効率化、顧客価値の創造、リスク管理があるという。

例えば、業務の効率化を目的として、受発注データや在庫データなどをAIで分析していくことで「在庫の最適化」を図ることができる。また、顧客の価値創造を目的にして、ID-POSやポイントカードのデータなどをAIで分析していくことで「パーソナライズ化」を図ることができる。目的に応じて、データを多角的に組み合わせることで、AIはさまざまな活用が可能なのだ。

では、具体的にどんなシーンで活用できるのか。

篠田氏は、代表的な取り組みとして「パーソナライズ化」「在庫最適化」「人員・店員配置最適化」「接客高度化・売場力向上」を挙げ、それぞれの取り組みのポイントを紹介した。

パーソナライズ化で、PDCAの「DCA」が自動化

パーソナライズ化とは、「個客」の嗜好やインサイトを予測し、顧客一人一人にあったコミュニケーションを実現する取り組みだ。

こうした取り組みはデジタルマーケティングの一環でこれまでも行われてきたが、課題が多かった。例えば「セグメンテーションが経験頼りで設計が難しい」「マーケティングオートーメーションを導入したが仮説や条件設定が担当者依存になる」「PDCAがなかなか回せない」などだ。

「パーソナライズ化でのAI活用の勘所は、嗜好やライフサイクルの分析に使う1つの項目である『商品DNA』の分類をAIで自動化することです。商品DNAに基づいてセグメンテーションやプロファイリングを行うことで、PDCAのうちのDCAが自動化・短サイクル化でき、担当者はPに注力できるようになります」(篠田氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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