【新春インタビュー】石川温が携帯3キャリアに聞く「IoTは飛躍するか」 - センシングデータとAIの融合で"革命"を目指すソフトバンク

【新春インタビュー】石川温が携帯3キャリアに聞く「IoTは飛躍するか」 - センシングデータとAIの融合で"革命"を目指すソフトバンク

[2017/01/03 08:00]石川温 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

新年あけましておめでとうございます。
ITSearch+では「2017年新春インタビュー」と題し、「IoT」を軸に携帯3キャリアの法人部門トップインタビューを行いました。IoTの本質とは何か、携帯3キャリアの戦略からIoTをベースに、次の打つべき手は何かを見出していただければと思います。最後はソフトバンクです。

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ソフトバンクといえば2008年、他キャリアに先駆けてiPhoneを導入し、当時、売りまくっていた「ホワイトプラン」と共に、回線獲得競争を勝ち抜いてきたイメージが強い。

コンシューマー市場は総務省からの圧力もあって伸び悩みが否めないが、法人市場においては回線数や売り上げなどで堅調な成長を見せている。また現在でも、iPhoneやiPad、データ回線などが売上利益の7~8割を占める主力であることは間違いないと言えよう。

ただ、ソフトバンクの常務執行役員で法人事業副統括 兼 ICTイノベーション本部長の佐藤 貞弘氏は「スマホを山のように売る時代は終わった」といい、競争の軸はすでに変化していると語る。

ソフトバンク 常務執行役員 法人事業副統括 兼 ICTイノベーション本部長 佐藤 貞弘氏

Watsonへの期待と現実

同社の法人事業は、前述のスマホシフトだけでなく、感情認識ロボット「Pepper」やIBMのコグニティブコンピューティング「Watson」など、常に次世代のテクノロジーに先行投資を行い、前のめりで取り込んでいく感がある。そんなソフトバンクにとって、2016年はWatsonが大きく進化した年だったという。

佐藤氏は「Watsonの日本語化が2015年12月に完了し、2016年6月末に実装段階に入った。本当に長い道のりだったように思う。APIが日本語化されて、エンジニアたちもさらにやる気が出てきた」と振り返る。ソフトバンクがWatsonにかける意気込みは並大抵なものではなく、すでにWatsonのデータセンターを日本に設置したというのだ。

「これでグローバルと同じ環境が整ったことになる。グローバルでIBMが展開するWatsonと、ソフトバンクと日本IBMが提供するWatsonはリンクする。これによって、日本語や環境の違いで遅れを取るということが最小化する」と佐藤氏は胸を張る。すでに開発パートナーが50社ほど集まっており、Watsonをベースにしたサービスも4件が商用化済みだ。(関連記事 : ソフトバンク、Watson組み込みソリューションを提供開始 - 第1弾はチャットボットとCS支援)

Watsonと言えば、アメリカのクイズ番組で人間に勝ったことで大きくフィーチャーされたが、最近では白血病の診断を短時間で行った事例など、実用レベルで高い潜在能力があることが証明されつつある。日本での環境整備が進む中で、次の課題は「いかにWatsonを使いこなすか」になるようだ。

「過去にもAIブームがあり、賑やかしのアプリで盛り上がったが、結局、失速して終わっていた。しかし、Watsonは社会に定着するよう、期間をかけて、じっくりと育て、大きく回収したい。ソフトバンクらしからぬゆっくりした動きのように見えるかも知れないが、着実に進めていきたい」(佐藤氏)

実際にWatsonは、準備段階として「システムへの学習」が大変な作業でもある。Watsonの紹介ビデオを見ると「何でも知っていて、人間の要望に簡単に応える」という造りになっているが、現実はそこまで甘くない。

「人工知能と言われると、なんでも聞けば答えてくれるイメージだが、Watsonは生まれたての赤ん坊のようなもの。教育のプロセスがまだこなれていない状態にある。ビジネスで使うには、お客様で知識をWatsonに教え込んでいく必要がある。我々はそのお手伝いを一緒にしていく」(佐藤氏)

ソフトバンクでは、Watsonベースの「ソフトバンクブレイン」というシステムを開発している。社内の総務的な質問やコールセンターでの対応、営業やSEノウハウが集積され、社員がWatsonに質問すると、的確な答えを出してくれるというものだ。これも、ソフトバンクにある知識をWatsonに教え込むことで、Watsonが学習し、最適な答えを出せるようになる。もちろん、導入すればすぐに答えてくれるわけもなく「学習させる」というプロセスが必要なのだ。

「これまでは、企業がシステムを導入する際は要件定義があり、作り込んでいった。これからはユーザー部門、使う人たちが、自分たちが持っているデータをWatsonに食べさせて育てていく時代になっていく。コグニティブコンピューティングによって、システムの作り方が変わっていくだろう」(佐藤氏)

セキュリティ意識の改革を

ソフトバンクがもうひとつ、2016年に注力していたのがセキュリティだ。2015年9月に米Cybereasonに出資し、2016年には日本市場への提供を目的とした合弁会社であるサイバーリーズン・ジャパンを設立した。サイバーリーズンはAIを活用した独自の分析技術により、サイバー攻撃を検知し、サイバー攻撃対策の課題を解決するクラウド型のデータ解析プラットフォームとなっている。

佐藤氏は「一部ではアンチウィルスを入れておけば良いという考えのところも多いが、それではもはや間に合わない。エンドポイント全体の挙動を監視し、攻撃の兆候を検知して、すぐに管理者に報告し対策しなくては太刀打ちできない」と警告を鳴らす。

日本企業はただでさえ少ないIT投資のうち、セキュリティ投資が取り分け少なく、セキュリティに対する認識も甘いところが多い。上場企業にも関わらず、セキュリティ課題に取り組む担当者が片手に収まる程度しかいないところもあるという。そんな中でソフトバンクは、単にセキュリティ商材を売りっぱなしにするのではなく、万が一、何か起きた際に、導入企業と一緒になって問題解決をしていくことで、信頼を勝ち取っていきたいという。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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