メールセキュリティを手がける韓国のジランソフト。今年の2月にはキヤノンITソリューションズが日本向け製品「SPAMSNIPER AG」の取り扱いを開始し、独占販売権を同社が獲得した。5月9日~11日に開催された「Japan IT Week 春 2017」にあわせて来日したジランソフト創業者でCEOの呉 治泳氏に話を聞いた。

ジランソフト 創業者 CEO 呉 治泳氏

キヤノンITソリューションズと共同企画で新製品

ジランソフトは韓国で創業し、現在は従業員400名、2016年度は売上が60億円にまで成長した。拠点は韓国と日本のほか、シンガポールとスウェーデン、アメリカに構えている。日本法人については2019年の上場を目指しており、グローバル展開の要として営業・マーケティング戦略を担うポジションに据えている。

同社は、日本以外で提供されているメールセキュリティ「SPAMSNIPER」と、企業向けオンラインストレージの「GIGAPOD」、また日本を含むAPACで販売権を取得しているセキュリティSDK「CYREN(開発は米CYREN)」、オフィス製品スイートなどを提供している。

SPAMSNIPERは、そもそも韓国国内で市場シェアの8割を占めており、これにキヤノンITソリューションズと共同で日本向けにカスタマイズしたものが「SPAMSNIPER AG」となる。もともと、キヤノンITソリューションズが2009年より提供していたスパムメール対策のOEMとしてジランソフトが関わっており、その後継として製品を投入するに至った。

「日本市場では、メールの無害化機能が官公庁を中心に大きな需要がある。添付ファイルやHTMLメールから感染することのないようにファイルを遮断して削除、テキスト化することが一般的だが、私たちの製品では添付ファイルで、例えばExcelのマクロだけ除去するということが可能になる。業務効率を悪化させることなく『誤送信対策』『ファイル無害化』というイン/アウトの双方の対策が可能となるのはAGだけだ」(呉氏)

2020年までにマーケットシェア1位を

SPAMSNIPER AGはアンチスパムエンジンにCYRENのエンジンを採用しており、あわせてアンチマルウェアやURLフィルタリングといったSDKを、ジランソフトはAPACにおける販売代理店として昨年から拡販を始めた。