アスリートが語る、SNSをやるべき理由 - Sports x Instagram Summit

[2019/12/05 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

アスリートはただ試合で勝つことにだけ集中していれば良い――そんな時代は終焉を迎えつつある。

アスリートにとって、ファンやスポンサーからの応援・支援の獲得は死活問題だ。最近では、SNSなどを通じて個人のプロモーション活動に取り組むアスリートの姿を見る機会も増えてきた。

SNSはアスリートのあり方をどう変えていくのだろうか? 電通のグループ会社であるスポーツITソリューションがフェイスブック ジャパン協力の下、10月31日に開催したイベント「Sports x Instagram Summit Vol.1 ~Instagramが変えるスポーツマーケティングの未来~」にヒントがあった。

本稿では、同イベントの様子を踏まえつつ、ミキハウス所属で東京オリンピックのカヌー 日本代表(カナディアンシングル)が内定している羽根田卓也選手(@takuya_haneda)と、FC東京所属でサッカー日本代表に選ばれている橋本拳人選手(@kento_hashimoto_18)のインタビューをお届けしたい。

Instagramはアスリートとファンとのエンゲージメントを高めるプラットフォーム

Instagramパートナーシップ スポーツ部門統括 デイヴ・セティ氏による講演では、Instagramを活用したスポーツマーケティングの海外最新事例が紹介された。

セティ氏によると、Instagramにおいてスポーツ関連のアカウントをフォローしているアカウントは世界で4億以上存在しており、なかでもスポーツ好きな利用者は平均して8名以上のアスリートのアカウントをフォローしているのだという。セティ氏はこうした数字を根拠に「Instagramはアスリートとファンとのエンゲージメントを高めるプラットフォームになっている」と強調する。

Instagramとして特にスポーツ分野で注力している機能が「IGTV」と「Instagramストーリーズ」だ。IGTVは、2018年に公開された最長60分までの長尺動画プラットフォーム。たとえばテニスのセリーナ・ウィリアムズ選手は普段の料理の工程を配信するなど、プライベートの様子を伝えるために活用している。

また、セティ氏が「アスリートにとって最も相性が良い」とするのがストーリーズだ。投稿した画像や動画が24時間で消えることにより気軽に情報発信することができるため、プライベートな内容でも投稿しやすい。

「アスリートには本業があり、それが投稿のメインコンテンツになると思うが、オフの時間や選手の内面について気軽に投稿するのにストーリーズは適している。アンケートや質問スタンプ機能などもあるので、より密にファンとコミュニケーションすることが可能だ」(セティ氏)

Instagramの調査によると、利用者は試合や競技に関する投稿よりも、友達や家族などプライベートに関するコンテンツを求めているのだという。そういう意味でも、IGTVやストーリーズを通して、テレビや雑誌の公式インタビューではわからない選手の内面や舞台裏などを伝えることは有効といえるだろう。

ただし、セティ氏は「何のためにInstagramをやるのか、Instagramを使う理由を考えてから活用してほしい」と注意を促す。自分にとってのInstagramの活用意義を明確にして、一貫性をもたせて戦略的に使いこなすことが重要であるとした。

Instagramでブランドコンテンツを作る際に気をつけるべきこと

フェイスブック ジャパンのエージェンシーパートナーマネージャー 水谷晃毅氏は、Instagramにおけるブランドコンテンツのあり方について紹介した。

Instagramの特徴のひとつは、セティ氏の講演にもあったようにアスリートの普段の生活の様子が垣間見えることだろう。この特徴が、広告にも活きてくる。

特にビジュアルでのコミュニケーションがメインとなるInstagramでは、さりげなく商品を見せていくことができる。カンター・ジャパンの調査によると、調査対象の利用者の6割が好きなアスリートのInstagram投稿を見て商品の購入に至った経験があると回答したという。

アスリートの継続的な発信によって、利用者の印象に残り商品やブランドが想起されやすくなるという効果はもちろん、利用者としては、選手と同じものを買うことにより応援している気分になれたり、スポンサー企業の商品を買うことで間接的に選手のサポートをしている感覚になれたりもする。「プロが使っている商品なら間違いない」という安心感もあるだろう。

Instagram×アスリートの広告事例としては、サッカーの堂安律選手とスイスの高級腕時計ブランド「HUBLOT」がタイアップとして制作したIGTV動画や、サーフィンの五十嵐カノア選手を起用したVISAとのストーリーズ広告などがある。後者については業界平均と比較して高い広告効果が出ているという。

有名人やクリエイターが有償で商品などの提供を受け、投稿で紹介するブランドコンテンツとしてよく見られるのは、企業アカウントを友達と同じようにタグ付けしている、またはハッシュタグに企業名を記載しているものだが、金銭的な協賛を受けている場合、Instagramとしては「ビジネスパートナー」としてのタグ付け機能の使用(ブランドコンテンツツールの使用)を推奨している。

同機能は、提携先企業からクリエイターの認証が可能。企業側は設定画面の「ブランドコンテンツの承認」から「承認が必要」をONにし、所属選手や特定のクリエイターを登録する。クリエイター側は詳細設定の「ビジネスパートナーをタグ付け」から、承認されている企業やブランドを選んで登録する。

こうすることで、ステルスマーケティングと見られてしまうリスクを下げることができるだけでなく、企業側はタイアップ投稿やビジネスパートナーのパフォーマンスを確認できるというメリットもある。

さらに今夏には、有名人やアスリートが投稿したブランドコンテンツを広告主がそのまま広告として展開できる機能も公開されたことで、企業はよりInstagramを活用した広告施策を打ちやすくなったといえる。一方、アスリート側にも自分のフォロワー層にはいない企業アカウントのターゲット層に自身の投稿やアカウントの存在を知ってもらえるというメリットがある。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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