今回は「集客 チャネル」の画面で見られる重要キーワードを解説していきます。

また、Googleアナリティクス上でそれぞれのチャネルに適切に分類するためには「パラメータ」の設定が必要になる場合もあります。本稿最下部のコラムで「パラメータ」の作成方法から設定項目までを紹介しますので、そちらもぜひ参考にしてください。

【本連載で取り上げる画面(予定)】

  1. ユーザー
    - ユーザー サマリー (「ユーザー」→「概要」)
    - ユーザー モバイル サマリー (「ユーザー」→「モバイル」→「概要」)
  2. 集客
    - 集客 チャネル(「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」)
  3. 行動
    - 概要
    - ランディングページ(「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」)
    - すべてのページ(「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」)
  4. コンバージョン
    - 目標 サマリー(「コンバージョン」→「目標」→「概要」)
  5. その他の分かりにくい用語集

集客 チャネル (「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」)

「集客 チャネル」画面では、ユーザーがどのような経路から流入してきているかを調べることができます。

  

集客 チャネル画面

Organic Search

自然検索」を意味します。

GoogleやYahooなどの検索エンジンから流入してきた場合はこちらに分類されます。

ただし、リスティング広告(検索結果に連動して表示される有料の広告)からの流入は、(適切なパラメータが設定されていれば)次の項目で解説するPaid Searchに分類されます。

Paid Search

有料検索」を意味しており、リスティング広告からの流入が分類されます。

リスティング広告とは、Googleなどで検索した際に出てくるサイト一覧のうち、「広告」と記載されているものを指します。代表的なものとして、Googleが提供している「検索ネットワーク広告」と、Yahoo!が提供している「スポンサードサーチ」があります。1クリック毎に設定した金額が課金されていく形態なので、GoogleアナリティクスのPaid Searchの項目でもコンバージョン数をはじめとして状況をしっかり確認しておきましょう。

また、リスティング広告からの流入をPaid Searchに分類するためには、パラメータを設定して、「リスティング広告からの流入である」と判別できる状態であることが条件となります。パラメータについては本稿の最下部でまとめて解説しているので、リスティング広告を行う方は是非チェックしてください。

Display

ディスプレイ広告」を意味します。

ディスプレイ広告とはWebサイトの広告枠に表示される広告で、バナー画像を表示することが多いためバナー広告と呼ばれることもあります。

代表的なものとしては、Googleディスプレイネットワーク(GDN)とYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)があります。GDN、YDNがそれぞれ提携しているサイトに広告を表示することができます。

こちらもPaid Searchと同様に、適切な設定を行わなければ「ディスプレイ広告」からの流入であることが判別できないので注意しましょう。

Social

ソーシャルメディア」からの流入を意味します。

Facebookなどの企業アカウントで情報発信をしている場合には、注目して見ておきたい項目ですね。Paid SearchやDisplayと異なる点として、FacebookやTwitterなどからの流入は自動的にSocialに分類されます。

しかし、ソーシャルメディアは数限りなく存在するため、Googleアナリティクスも全てをSocialであると認識できているわけではありません。また、アプリなどでは仕様によってSocialに分類されないこともあるため、URLにパラメータを設定しておきましょう。

Referral

他のサイトに張られたリンク」からの流入を意味します。

Referralをクリックすると参照元(どこのサイトからの流入なのか)を確認することができます。

リファラースパムにご注意を

アクセス元を確認する人を悪質なスパムサイトに誘導するために、スパムサイトから流入した記録を作る「リファラースパム」という迷惑行為が存在します。

リファラースパムに引っかかることが無いよう、以下の手順でGoogleアナリティクスのボットフィルタリング機能は有効にしておきましょう。

  1. 「管理」→「ビューの設定」をクリック
  2. 「ボットのフィルタリング」にチェックを入れ、「保存」をクリック

すぐにできる簡単な設定ですので、是非実施してください。

Direct

参照元がない」ことを意味します。

検索エンジンを使わずにURLを直接入力して流入してきた場合や、ブックマークからの流入がこちらに分類されます。

次項で説明するメールからの流入についても、パラメーターの設定を行わなければ、Directに分類されます。

Email

メール」からのアクセスを意味します。

リードナーチャリングのためにメルマガ配信を行っている方も多いのではないでしょうか。こちらも何も設定が無ければDirectに分類されてしまいますので、メルマガなどでURLを記載する際には必ずパラメータを設定しましょう。

Affiliates

アフィリエイト広告」からの流入を意味します。

アフィリエイト広告とは、広告主と掲載メディアの間をASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)という仲介者が取次をして掲載する形態の広告です。広告主はASPに出稿依頼する際に成果1件あたりの報酬を設定することができるので、費用と成果のバランスをコントロールしながら出稿可能です。

Googleアナリティクスでは2016年からデフォルトの設定で表示されるチャネルとなりました。こちらもパラメータの設定が必要になるので、注意してください。

Other Advertising

リスティング広告、ディスプレイ広告など以外の広告」からの流入を意味します。

(Other)

これまでのどれにも分類されないものが(Other)に分類されます。

Directと混同してしまいそうになりますが、

  • Directは直接の流入であり、「どの経路で流入したか」の情報がそもそも無い
  • (Other)はどこかからの流入ではあるが、他のチャネルには分類されない

という違いがあります。

パラメータの設定方法

Paid SearchやDisplayなどに適切に分類するためには、URLにパラメータを設定する必要があります。そのパラメータを読み取って、Googleアナリティクスがそれぞれ設定したチャネルに振り分けてくれる仕組みになっています。 下記の手順で簡単に設定できるので、これから広告出稿を考えている方はぜひチェックしてください。

  1. URL生成ツールを開く
  2. こちらでパラメータのついたURLを生成することができます。
  3. 各項目を入力する
  4. Website URL、Campaign Source、Campaign Medium、Campaign Nameをそれぞれ入力しましょう。

Website URL 該当のWebサイトのURLを入力しましょう。
Campaign Source 「どこからの流入なのか」を記載しましょう。
【リスティング広告】:google,yahooなどの媒体名
【ディスプレイ広告】:google,yahooなど媒体名
【メール(メルマガ】:mailmagazineなど媒体名
【ソーシャルメディア】:lineatやtwitterなど媒体名
【アフィリエイト】:a8などの媒体名
Campaign Medium Googleが定めた分類に従って記載します。
【リスティング広告】:cpc,ppc,paidsearch
【ディスプレイ広告】:display,cpm,banner
【メール(メルマガ)】:email
【ソーシャルメディア】:social,social-network,social-media
【アフィリエイト】:affiliate
Campaign Name 任意のキャンペーン名を設定します。

以上の手順でパラメータ付きのURLを作成することができます。

著者紹介


羽岡 純平 (Haoka Junpei)
- 株式会社WACUL

人工知能を使ったWebサイト分析サービス「AIアナリスト」のマーケティングを担当。アクセス解析・SEO・インサイドセールスと幅広くマーケティング業務に携わる。

なお、AIアナリストは、Googleアナリティクスと連携するだけで、人工知能がWebサイトのデータを集計し、改善提案を行うサービス。基本機能は無料で利用できる。