CX向上に欠かせない顧客インサイト、その価値とリスク、リーダーの役割

[2018/03/09 09:55]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

マーケティング

2月19日~20日の2日間にわたり都内で開催されたガートナー ジャパン主催のイベント「カスタマー・エクスペリエンス サミット 2018」では、ガートナー ジャパン リサーチ リサーチ ディレクター、川辺謙介氏が、「誰がどう管理するか:顧客情報とインサイト」というテーマの下、講演を行った。

「購買行動」と「マーケティング」の関係

デジタルビジネス時代は”つながる時代”とも言われるが、川辺氏は、「このつながりこそが、さらなる顧客インサイトを生みだす。そしてつながった顧客インサイトが差別化を生む時代となった」と強調した。

しかしながらその一方で、2013年以降、全世界で約60億件のデータの不正利用が起きている。このような状況で何かトラブルが生じた際、企業はどう対処すればいいのだろうか──。こうした課題の下、川辺氏の講演は進められていった。

ガートナー ジャパン リサーチ リサーチ ディレクター、川辺 謙介氏

まず、今のデジタルビジネス時代において、顧客と関連業務はどのように変わってきたのかについて、川辺氏は考察していった。

さまざまな担当者が多様なツールを使ってマーケティング活動を実践しているケースとして同氏が紹介したのが、全日空におけるデジタルマーケティングデータ統合ハブの活用事例だ。同社では、Tealium(ティーリアム)の「Universal Data Hub」を導入して、複数のシステムに分散していたデータを連携・統合した。これにより、最適なタイミング、最適なチャネルでの顧客との最適なコミュニケーションを実現したのである。

また、消費者の購買行動としては、必要なときにその都度比較・検討して購入するというのが一般的だ。しかし、川辺氏によると今、このプロセスに明らかな変化が起きているという。とりわけ音楽コンテンツなどの競争の激しい市場では、月額いくらで提供するサブスクリプション型に変わってきているのだ。

「その背景には、激しい競争の結果、競合製品を選んでもあまり差がなくなっていることと、消費者の『ずっと使い続けたい』という意思の存在があります。つまり、『必要なときに必要なものを必要な分だけ利用しながら使い続ける』というように消費者の購買傾向が変わってきているので、これまでの売り切るビジネスとは異なり、定常的に顧客と付き合い続けるビジネスへと変化しているのです」(川辺氏)

ガートナーが示す、戦略的プランニングの仮説事項は以下のようなものだ。

  • 2020年までに、あらゆるデータアナリティクスプロジェクトの40%以上は、顧客体験(CX:Customer Experience)の側面に関連するものとなる

  • 2021年にかけて、CXの向上を通じて競争力を高める国内大企業の60%以上は、顧客化以前のマーケティング活動から顧客ライフサイクルの終了までの顧客行動を一貫して追跡・分析し、エンゲージできるマーケティング基盤を新たに導入する

  • 2022年までに、あらゆるCXプロジェクトの3分の2がITを活用する

マーケティング基盤が普及していく一方で、ルールや規制の強化も進んでいる。日本では個人情報保護法が2017年5月に改正されたが、2018年5月にはEU圏内の個人情報を持つ企業を対象にGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)も施行予定となっている。

「欧州の顧客とビジネスをしていない企業であっても、自社のWebサイト内に顧客のデータが存在しないかどうかの確認が必要になります。ただ、GDPRはかなり厳しいルールなので、これに対応することは顧客情報を扱う体制の強化にもつながるでしょう」(川辺氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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