PowerShell 7.1登場

PowerShell 7系の初のメジャーアップデートバージョンとなる「PowerShell 7.1.0」が公開された。PowerShell 7.0系を使っているなら、PowerShell起動時に「PowerShell 7.1.0」のリリースを伝えるメッセージが表示されるようになったはずだ。

PowerShell 7.1.0

PowerShellのパッケージはGitHubからダウンロードできる。

Releases · PowerShell/PowerShell


今回は、Windows、Mac、LinuxでPowerShell 7.1にアップデートする方法について説明していこう。

Windowsでのアップデート方法

まず、先ほどのGitHubページからPowerShell 7.1.0をダウンロードする。多くの場合、win-x64をダウンロードしておけばよいだろう(PowerShell-7.1.0-win-x64.msi)。

対象のパッケージをダウンロード

PowerShell 7.1.0をインストールする前に、すでにインストールされているPowerShellをアンインストールしておく。設定アプリケーションから「アプリ」を選択し、インストール済みのPowerShellを探してアンインストールを実行する。

インストール済みPowerShellをアンインストール

PowerShellをアンインストールしたら、ダウンロードしてきたパッケージを実行してPowerShell 7.1.0をインストールする。

PowerShell 7.1.0をインストール

インストール後に設定アプリケーションで確認すると、PowerShellが7.1.0へアップデートされていることがわかる。

PowerShell 7.1.0のインストールを確認

Windows TerminalなどでPowerShell 7.1.0が実行されていることを確認する。

Windows TerminalでPowerShell 7.1.0の動作を確認

Macでのアップデート方法

Macでのアップデート方法も同じだ。上書きインストールすることもできるのだが、先にインストール済みのPowerShellをアンインストールして綺麗にしてから、新しいバージョンをインストールしよう。PowerShell 7は次のように通常のアプリとしてインストールされているので、そのままドラッグ&ドロップでゴミ箱へ入れればよい。

右下隅にあるPowerShellのアイコンをゴミ箱に入れればアンインストールできる

ちなみにMacの場合、アプリを削除するサードパーティ製アプリケーションも存在する。例えば、「AppCleaner」はその一つだ。AppCleanerの使用はあくまでも自己責任となるが、アンインストールされるファイルを確認してから作業を行えるといった特徴がある。

AppCleanerでアンインストールするという手もある

さて、ダウンロードしたPowershell 7.1のパッケージを実行しようとすると、次のように「悪質なソフトウエアかどうかをAppleでは確認できないため、このソフトウエアは開けません」といったメッセージが表示され、インストーラが起動しないことがある。

インストーラを起動できない

その場合、Finderでインストーラを選んだ状態で「Ctrl」キーを押しつつメニューを表示させ、メニューから「開く」を選択する。

「Ctrl」キーを押しながらメニューを表示させ「開く」を選択する

そうすると先ほどと同様のメッセージは表示されるものの、キャンセル以外に「開く」というボタンが追加される。ここで「開く」を選択する。

「開く」を選択

後は、インストーラに従ってインストールを行えばよい。

インストーラに従ってインストールを実行

ターミナルでpwshコマンドを実行すれば、次のようにPowerShell 7.1.0の実行を確認できる。

PowerShell 7.1.0の実行を確認

Mac版は今のところx64版のみが提供されているが、今後はarm64版の提供も行われるのではないかと考えられる。時期は発表されていないが、状況を考えるとそれほど時間はかからないだろう。

Appleは先日、ARMアーキテクチャベースの新しいプロセッサ「Apple M1」を発表しており、Apple M1を搭載したMacの販売も開始されている。Apple M1のベンチマーク結果は良好だ。しかも、デバイス価格が同じレベルのIntelプロセッサを搭載したPCよりも廉価である。パワーがあり、バッテリーの持ちがよく、iPhoneやiPadのアプリが動作し、x64バイナリも実行できる(一部例外あり)。開発者やアドバンスドユーザーの心は、この新しいデバイスに心惹かれるはずだ。

ARMの採用に関してはMicrosoftのほうが先行しているのだが、Microsoftの取り組みは同社が期待していたほどは成功していない。しかし、AppleのほうはAppleの想像を超えて成功する可能性がある。その場合、MicrosoftはApple M1でネイティブに動作するアプリケーションの提供を始めることになり、当然PowerShellも提供対象になるはずだ。どのバージョンで提供が開始されるかは、どの程度Apple M1ベースのデバイスがさばけるかに依存しているのだが、現状を見る限り、そう長い時間はかからないように思う。今後の展開に注目したい。

Linuxでのアップデート方法

Linuxでのアップデートは簡単だ。プレビュー版ではないので、PowerShellは対象のディストリビューションが提供している正規のパッケージか、またはSnapからインストールしよう。後はそのパッケージ管理システムの方法でアップデートを行えば、PowerShell 7.1.0へアップデートされる。アップデートに関してはLinuxが最も簡単だ。