ピュア・ストレージ・ジャパンは5月10日、サントリーシステムテクノロジーがピュア・ストレージのオールフラッシュストレージ「FlashArray//M70」を導入したと発表した。

サントリーグループの基幹システムなどを管理・運用するサントリーシステムテクノロジーでは、仮想化によってメインフレームをオープンにダウンサイジングする取り組みを行っており、現在は850台の仮想サーバが稼働している。

一方、ストレージシステムは、パフォーマンスが要求される本番用データベースには性能を重視したハイエンドストレージを使用し、検証用データベースは極力費用を抑えたコスト重視のストレージを使用するなど、パフォーマンスとコストを重視し、本番環境、検証環境、本番用データベースの3階層で管理していた。

しかし、それぞれのストレージを4~5年のリース契約で使用していたため、毎年いずれかのリース期間が終了する。リプレースにはデータの移行作業が伴うため、その工数は年間平均で約700時間、多いときには約1,500時間かかっていたという。

また、近年フラッシュストレージの低価格化が進み、分割運用による費用対効果が薄れつつあることや、3階層の製品ごとに設定・操作方法が異なるために、障害対応に時間がかかることも課題視されていた。

こうした課題の解決に向け、同社では、ストレージシステムを統合基盤として刷新することを計画。新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)の支援の下、ピュア・ストレージを含む4つのオールフラッシュ製品を対象にPoC(概念実証)を実施した。

だが、コスト削減と工数削減を要件として行ったPoCの結果、4製品で大きな性能差は表れなかった。そこで、サントリーシステムテクノロジーはRFP(提案依頼書)に基づく提案内容も合わせて検討。RFPでは、データの移行作業をなくすことや、運用を委託したいことが要件に設定されていたという。

検討の結果、FlashArray//M70の導入を決定。選定にあたっては、サポートオプション「Evergreen Storageサブスクリプションプログラム」によって、システムの停止やデータ移行作業を伴わず、ディスクヘッドを無償で新品に交換できることや、運用をFlashArrayに一本化することで、複数の製品を運用する手間から解放されると共に、NSSOLに運用を移管できることが決め手になった。

サントリーシステムテクノロジーでは、2017年12月にFlashArray//M70へのデータ移行を完了。導入により、ストレージコストを約65%削減したほか、ストレージの設置場所も、5ラックから13Uへと大幅に削減し、消費電力も24.2kVAから2.3kVAへと10分の1に削減した。さらに、年間平均で約700時間の運用工数が削減される見込みだとしている。

今後の計画として同社は、ストレージシステムのクラウド環境への移行も検討中だという。