ティントリジャパンは7月3日、セガゲームスが仮想化環境専用ストレージ「Tintri VMstore(ティントリ ヴイエムストア)」を導入したと発表した。

セガゲームスが従来利用していたストレージには、QoS(Quality of Service)を自動調整する機能がなく、ストレージのI/Oリソースを大量に消費する仮想マシンが1つ発生すると、同じストレージを利用するほかのVMのパフォーマンスが著しく劣化するという問題があった。

I/Oリソースの大量消費は、データのバックアップ処理や、アプリケーションの不具合を調べるためのログのサルベージ処理などが原因となることが多い。しかし、それらの業務はサービス部門の担当であり、ITインフラの構築・運用を担うインフラDB課では、いつどの処理が行われるかを事前に知ることができなかった。そのため、どの仮想マシンがストレージのI/Oリソースを大量消費しているのか、どんな処理が原因となったのかを特定するのは困難だった。

こうしたことから、インフラDB課ではITインフラの安定稼働を目指し、2016年夏、新たなストレージ製品の検討に着手。ストレージベンダー4社から検証機を借り受けてPoCを行った結果、Tintri VMstore T850の選定に至った。決め手になったのは、ハードウェア障害発生時のI/O回復にかかる時間が短かったことと、自動QoS機能による運用改善効果の大きさだったという。同年秋より導入・運用を開始し、現在は1台あたり420VMを収容する。

セガゲームスが導入したTintri VMstore T850

導入により、これまでストレージの定例運用に費やしていた時間がほぼゼロになり、ITインフラのさらなる改善と全仮想化ビジョンの実現に向けた業務に注力できるようになったという。

また、従来のストレージ環境では、DR(Disaster Recovery)サイトへのバックアップに1回あたり6時間を要していたが、新ストレージ導入後は重複排除・圧縮によって転送データ量を大幅に削減し、1時間に1回のバックアップ(スナップショット)が可能になったとしている。

導入後のストレージ構成図。メインサイト・DRサイトにT850を2台ずつ導入している