電車の移動時間の検索、旅行の予約、お金の管理など、日常生活を送る上でスマートフォン利用が欠かせないものとなりつつある。現在、世界規模でスマートフォン利用が進んでいるが、スマートフォンアプリ開発を行うためには、そういったユーザーのニーズを的確に把握することが大切である。

アプリ市場データを提供するApp Annieでは、消費者のアプリ利用状況に関する調査レポートを公開した。同レポートでは、ユーザーのアプリ利用時間や所持数を国別に分析している。これらの結果を元に、スマートフォンアプリの利用状況を紐解いていこう。

日本のユーザーは1人で100本以上のアプリをインストール

100本以上のアプリをインストールする日本のユーザー

世界10カ国を対象に行った調査結果によると、日本のユーザは平均100本超のアプリをインストールしている。その数は調査対象国の中で最多となった。また、インストールしているアプリのうち、1カ月に使うアプリの本数は、インド、ブラジル、中国の順で多くなっており、日本は平均30本程度となっている。

毎日10本のアプリを利用する日本のユーザー

毎日10本のアプリを利用する日本のユーザー

次に1日あたりのアプリ利用について分析していこう。対象となったすべての国で、スマホユーザーは1日平均で9本を超えるアプリを利用していることが分かった。1カ月の平均利用本数と同じく、1日の利用本数でもブラジル、インド、中国が上位を占めている。

日本は1カ月の平均利用本数は下位だったものの、1日の利用本数ではブラジル、インド、中国、米国に次いで多い結果になった。また、アプリ所持数自体は世界に比べて多かったものの、1日あたりの利用本数は平均値だった。つまり、日本はさまざまな種類のアプリをインストールし、その中から必要なものを数本ずつ利用するという傾向が見られる。

なお中国では、WeChatが多機能アプリとして圧倒的に有力なポジションにいるにも関わらず、インストールするアプリ数が日本に次いで多く、さらには1日あたり11本ものアプリを利用しているという。

1日あたり3時間アプリを利用、そのうち25%はゲーム

日本のユーザーのアプリ利用時間は1日に約3時間、そのうち25%はゲーム

2015年から2017年にかけての1日のアプリ利用時間は、調査対象となったすべての国で増加しており、アプリの普及が進んでいることを裏づけている。

日本のユーザーの1日あたりのアプリ利用時間は、2017年には約3時間近くまで増加。また、内訳を見ると、新興国の利用時間の半分以上は「ソーシャル」や「通信」カテゴリーが占める一方、日本や韓国では利用時間の25%をゲームが占めることが明らかになった。

韓国と日本は毎日1時間以上ゲームで遊ぶ

ゲームプレイ時間が1日1時間超える地域は日本と韓国

モバイルゲームの平均利用時間は、調査対象となったすべての国で、2015年から2017年にかけて増加した。モバイルゲームをプレイする時間は日本と韓国のユーザーが群を抜いており、1日あたり1時間を超えている。アプリストアの収益全体に占めるゲームの割合は約75%を占めているが、世界的にゲームゲームプレイ時間が増えている点は、モバイルゲームが今後も引き続きパブリッシャーに大きなビジネスチャンスをもたらすと示唆しているという。

アプリ利用時間の80%がトップアプリに集中

また今回の調査では、アプリ利用時間の80%以上がFacebookやWhatsAppといった、それぞれの国で利用時間が長いアプリ以外のアプリに費やされていることが明らかになった。

次ページでは、アプリの利用時間やインストール状況、人気カテゴリについて、詳しく見ていこう。