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リフト&シフトをシンプルに実現する「Azure VMware Solution」

【連載】

徹底研究! ハイブリッドクラウド

【第21回】リフト&シフトをシンプルに実現する「Azure VMware Solution」

[2021/02/04 08:00]津久井 智浩 ブックマーク ブックマーク

今回は、昨年11月、「Azure VMware Solution」(以下、AVS)をメインテーマに据えて開催した勉強会の様子をお届けします。

新型コロナウイルス感染予防の一環として人々の移動が制限されるなか、クラウドへシフトすることで地理的、距離的な問題を解決しようと考える企業は少なくありません。ただし、オンプレからクラウドへの移行を成功させるためには十分な調査と計画が必要です。

米Microsoftと米VMwareが協力して作り上げたAVSは、移行にかかる労力の軽減に大きく貢献し得るソリューションとして期待されています。

クラウド移行をシンプルにする「Azure VMware Solution」

AVSにフォーカスを当てたセッションでは、ネットワールド SI技術本部 ソリューションアーキテクト 工藤真臣氏により、AVS誕生の背景やAVSの特長、利点などがわかりやすく解説されました。

初期リリース時のAVSは、クラウドサービスプロバイダーである米CloudSimpleと米Virtuastreamの2社から提供されていました。その狙いは、2つのソリューションを用意することで、顧客のニーズに柔軟に対応することです。その後、米GoogleによるCloudSimple買収が転機となり、AVSはVirtuastreamを軸としたソリューションに一本化されました。

Virtuastreamをベースとして進化を遂げた現在のAVSの特長は以下の通りです。

  1. 高性能なクラウドインフラであること
  2. シームレスはAzure統合を実現していること
  3. 仮想化基盤として慣れ親しんだVMware社のツールや技術を有効活用できること

こうした特長を持つAVSですが、その最大のメリットは、クラウドへのリフト&シフトを加速させる点にあります。

ここで基本に立ち返ってみましょう。クラウド移行には、次の4つのパターンが考えられます。

  • Re-Host:会計システムなど中身を変えなくて良いシステムを移行する
  • Re-Platform:支援DBなど、中身を一部変えたいシステムを移行する
  • Re-Purchase:Web会議システムなど、既存クラウドサービスを利用する
  • Re-Architect:新たに作る/作り直す

リフト&シフトは、これらのうちRe-hostの領域に含まれます。Re-hostの実施にあたっては、既存の仮想マシン構成に極力変更を加えずに移行することが、インフラ管理者の負担軽減に繋がります。

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リフト&シフトでは、いかにして既存のIPアドレスに変更を加えない状態で移行するか、つまり、オンプレミスのネットワークをクラウドのネットワークにL2レベルで延伸する方法が課題となっていました。

この問題に終止符を打つべく登場したのが、VMwareのSDDC(Software-Defined Data Center)ソリューション「VMware HCX」です。企業によっては数百、数千という仮想マシンの移行が発生しますが、VMware HCXの技術によってネットワークの問題を克服し、クラウド移行をシンプルに実現することが可能となりました。

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加えてAVSを使うことで、リフト&シフトにかける時間的コストを大幅に削減できます。これにより、残る3つのクラウド移行(Re-Platform、Re-Purchase、Re-Architect)に注力できるという副次的な効果も得られます。「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」「Azure ハイブリッド特典(AHB)」「予約インスタンス(Reserved Instance)」といった機能を利用できるようになることも利点でしょう。

工藤氏は、「他社クラウドベンダーにも同様のソリューションが存在するが、Azureの持つメリットを最大限に引き出せることがファーストパーティーソリューションであるAVSの強み」だと語り、セッションを締めくくりました。

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「Azure Kubernetes Service on Azure Stack HCI」を試す

Azure Stackファミリーにおけるハイパーコンバージドインフラとして熟成を重ねている「Azure Stack HCI」ですが、昨秋開催された「Microsoft Ignite」にて、Azureのマネージドサービスとして「Azure Kubernetes Service」(以下、AKS)への対応が発表され、注目を集めました。

2つ目のセッションでは、日本ビジネスシステムズ コーポレート戦略本部 コーポレート戦略企画部 CoE 胡田昌彦氏が「AKS on Azure Stack HCI with Azure Arc」の概要を説明すると共に、実際にチュートリアルに沿って構築/検証を行う中で得られた知見を紹介しました。

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計20時間に及ぶ検証作業の様子は、胡田氏個人のYouTubeチャンネルで視聴可能です。これから検証を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

次回勉強会について

次回、第17回勉強会は2月12日(金)に開催します。業界初のクラウドネイティブ専用ベアメタルコンテナプラットフォーム「DIAMANTI(ディアマンティ)」を取り上げる予定です。
ライトニングトーク枠も準備中ですので、「我こそは! 」という方はぜひ手を挙げてください。

著者紹介

株式会社ネットワールド
Microsoft ソリューション プリセールスエンジニア
津久井 智浩(つくい ともひろ)

ソリューションディストリビューターであるネットワールドの一員として、お客様に付加価値を提供するというミッションの下、Microsoft製品を中心にオンプレミスからクラウドまで幅広く提案~導入を担当。
趣味はバイク。昼散歩が日課。最近は自分よりもカミさんの働き方改革を何とかしたいと苦悩し、マインクラフトを通して子供と一緒にプログラミングを学びたいと願う40代。3児(2女、1男)の父。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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