国内ゴルファーの約6割にあたる413万人の会員を抱えるゴルフ総合サイト「ゴルフダイジェスト・オンライン」。同サイトを運営するゴルフダイジェスト・オンライン社(以下、GDO)では、ゴルフ情報を発信するメディアを軸に、ゴルフ場予約やECサイトなど多岐にわたるサービスを展開する。そんな同社は、経営スピードを加速させるべく、クラウド環境へのIT基盤の全面移行を決断した。
3月3日に開催されたマイナビニュース スペシャルセミナー「クラウド移行の正しい期待値」では、クラウド移行を決めた背景やコストの実態、運用上の課題やその解決方法などについて、GDO システムマネジメント室 副室長 白尾良氏が紹介した。
なぜGDOはクラウド移行を決めたのか?
GDOがクラウド移行を検討し始めたのは、2015年。きっかけは、2011年より導入していた「Egenera」のプラットフォームがサポートを終了するという案内を受け取ったことだ。そもそも、Egeneraは仮想基盤ではあるもののマシン容量が決まっていたため、「バックアップできないデータがある」「テスト用の仮想マシンが作れない」といった問題が顕在化しており、これも移行の後押しとなったという。
また、ゴルフ場予約サービスはWindowsサーバ、ECサイトはLinuxサーバといった具合にサービスによって異なるパッケージを利用していたために、監視システムが乱立。さらに、データベースも複数存在し、それぞれ異なるバックアップソリューションを採用しているなどその運用は煩雑さを極めた。加えて、ファイル共有やメールなどの社内ネットワークと、予約サービスやECサイトなどの管理ネットワークが混在していることも課題視されていた。こうした問題を一挙に解決するために、GDOはクラウド移行へと舵を切ることを決断したのだ。
移行先の選定理由 - 一部Azureを採用したワケ
実際にGDOがクラウド移行を実施したのは2017年。パブリッククラウドにはAWS(Amazon Web Services)を選択した。その理由について白尾氏は「当時利用していた仮想アプライアンス『BIG-IP VE』が利用できるのがAWSのみだった。また、GDOのデータベース全てがPaaSとして稼働するのもAWSだけだった」と説明する※。
※ 現在では、Google Cloud Platform (GCP)とAzureでも利用可能。
ただし、「100%同じプラットフォームに依存することは避けたい」という理由から、SAPのシステムのみAzureへ移行したという。その意図について白尾氏は「AWSに比べてAzureの規模は微々たるものだったが、AWSに何か問題が発生したときにAzureへ移行できる体制を持っておきたかった。Azureの動向を知るという意味でも有益だった」と語る。
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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