NECは10月25日、健康食品の通信販売を手掛けるやずやの新通販システムを、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」上に構築したと発表した。

やずやでは、これまで顧客の要望や現場のニーズに応えて通販システムの開発・改修を進めてきたことで、システムが肥大化・複雑化していた。また、タイムリーな販促施策を行える仕組みや、大規模災害など万一の事態に備えた事業継続性の向上なども求められていたのだという。

そこで今回、NECは、やずやの通販システムを刷新し、NEC神奈川データセンターのNEC Cloud IaaS上に新通販システムと、DM・在庫管理・問い合わせ管理などの関連システムを構築。併せて、別のデータセンター上にある既存ECシステムなどとも相互連携するハイブリッドクラウド環境を実現した。

やずやのシステム基盤の全体像

新通販システムの導入により、オペレーターが扱うシステムの操作性が向上。直感的に操作可能なUIを採用したことで、ITに精通していないオペレーターでも容易に操作できるという。

また、顧客属性に応じたマーケティング施策を打つ際、従来ならば情報システム部門に依頼する必要があったが、販促部門、もしくはオペレーター自身がシステムを変更できるため、タイムリーな販促施策の実施が可能になったとしている。

さらに、新システムではフレームワークを活用したコンポーネントベースで構築されており、要件に応じた改修作業が容易になっている。これらのことから、やずやでは外部委託していたシステム要員を従来の半数に削減する見込み。

本番環境が置かれたNEC神奈川データセンターは、堅牢な施設であることに加え、冗長化されたネットワークや電源機器などを導入しており、災害に強い環境を提供する。併せて、九州のデータセンターを活用したDR(Diisaster Recovery)環境を構築しており、万一の大規模災害にも対応可能だという。