インテルは4月15日、ストレージ向けの取り組みをパートナーとともに紹介するイベント「INTEL SOTRAGE BUILDERS EXECUTIVE SUMMIT」を開催した。

米Intel データセンター・ストレージ事業部 アーキテクチャー&ソフトウェア・エンジニアリング・ディレクターのグレン・ウェインバーグ氏

イベントでは、米Intel データセンター・ストレージ事業部 アーキテクチャー&ソフトウェア・エンジニアリング・ディレクターのグレン・ウェインバーグ氏が登壇。ストレージを取り巻く環境の変化や、同社の最新技術/パートナーシップについて解説した。

また、後半では、Intel Storage Buildersに参画するヴイエムウェア、日本HP、富士通、デル、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、日立製作所によるパネルディスカッションを開催。SDS(Software Defined Storage)をテーマに各社の実績や最新の取り組みが紹介された。

本稿では、ウェインバーグ氏の講演に焦点を当て、要旨を簡単にご紹介しよう。

世界の総データは2年で2倍に、ストレージも革新が求められる

ウェインバーグ氏の講演は、現在ストレージ周りで起こっている変化の解説から始まった。

同氏は、Google エリック・シュミット氏の言葉を引用しながら、「2010年当時、CGM(Consumer Generated Media )の急激な普及により、全世界のデータ量は、2003年時点と同等の5EBが2日ごとに生成されていた」と説明。現在は、SaaSの普及などもあいまってさらにデータ量が増えているとし、「2020年までの間に2年ごとに2倍ずつ増えていく」というIDCの調査結果を紹介した。

続けて、こうして爆発的にデータが増える中では、「いかなるデータも正しく格納して検索することができなければ、ビジネスの価値はゼロになる」と説明。従来のストレージ基盤では、今後増え続ける多様なデータへの対応が難しいことを強調する。

こうした状況を踏まえて、ウェインバーグ氏は2022年あたりまで、従来型のSAN、NAS、DASの売上は大きく減少してくとしたうえで、SDS(Software Defined Storage)ベースのハイパーコンバージドサーバを活用したSANストレージや、スケールアップ型のエンタープライズサーバによるSANストレージが大幅に伸長していくとの見通しを示した。

従来型のSAN、NAS、DASの売上が減少してく一方で、ハイパーコンバージドサーバを活用したSANストレージや、スケールアップ型のエンタープライズサーバによるSANストレージが大幅に伸長していく

さらに今後、IoTやクラウドとの連携が不可欠になる中では、俊敏性を備え、セキュアで自動化され、シームレスに連携できるデータサービスが必要と説明。特にに自動化に関しては、「すでにサーバやネットワークの世界では、障害が起きると回避できる手立てがあるのに、ストレージだけは止まってしまい、へたすれば永遠に失われてしまいかねない」(ウェインバーグ氏)と語り、革新の重要性を説いた。

3D Xpointや3D NANDを投入、Storage Buildersでエコシステムも確立

ウェインバーグ氏によると、ストレージの変革に向けた技術は徐々に揃い始めているという。

同氏は、現時点でNVMe(Non-Volatile Memory Express)対応のSSDが高い性能を発揮していることを示したうえで、3月31日にストレージ向けXeonプロセッサー「E5-2600 v4」製品ファミリー 22モデルを発表したことを紹介。さらに、3D Xpointテクノロジーや、デュアルポート対応SSD、3D NAND型SSDが、高性能化、大容量化、信頼性向上などに大きく寄与することにも触れた。

ストレージにおけるインテルの役割

そして、同社が推進する重要な取り組みとして、Intel Storage Buildersプログラムに言及。正式発表から約2週間にもかかわらず、インテルのストレージ向け技術を活用するベンダー73社と、強力なエコシステムを築いていることを明かした。

Intel Storage Buildersの意義についてウェインバーグ氏は、「間もなく、何十億ものデバイスをシームレスにつなぎ、データを処理していかなければならない時代を迎える。そのためにはストレージのモダナイゼーションが不可欠。コミュニティが協力して複雑な課題を解決していかなければならない」と解説。今後、ストレージの革新に少なからず貢献するであろうことを明言して講演を終えた。

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