盛り上がるHR Tech市場、2019年には何が起きるか? - カオナビ 柳橋仁機氏

[2019/01/17 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

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いわゆる「働き方改革」のムーブメントも追い風となり、さまざまなサービスが登場した2018年は、HR Tech業界が大いに盛り上がった1年だった。そして迎えた2019年、HR Tech市場はどのような動きを見せるのだろうか。

2012年にクラウド人材管理ツール「カオナビ」の提供を開始し、国内HR Techベンダーの先駆けともなったカオナビ 代表取締役社長 柳橋仁機氏に2018年の振り返りと2019年の予測を聞いた。

カオナビ 代表取締役社長 柳橋仁機氏

新規参入が相次いだ2018年のHR Tech市場

――2018年はHR Tech業界にとってどのような年でしたか。

柳橋氏:一言で言うと”ぐちゃぐちゃ”な年でしたね。とにかくプレーヤーが増えて競争が激しくなりました。2~3年前くらいまでは限られた数のプレーヤーしかいませんでしたが、昨年までに数倍に膨れ上がった印象です。

――なかでも特に盛り上がっている分野というのはあるのでしょうか。

柳橋氏:全てだと思います。採用サービス、タレントマネジメント、勤怠管理サービス、エンゲージメントなど全般的に盛り上がってきました。

――なぜここへきて大きな盛り上がりを見せたのでしょうか。その要因は?

柳橋氏:いくつかあります。大きな理由の1つは、政府レベルでHR Techも使って働き方改革をやろうとしていること。それから、一般企業がインターネット上で人事の仕事をすることに抵抗がなくなってきたことです。

世の中にはインターネット上でやる必要がない作業もありますが、インターネットを活用したほうが圧倒的に便利なこともたくさんあります。HR Techというのは、インターネット上でやったほうがよい人事業務をまとめてクラウドに上げたものだとも言えるでしょう。

その流れに火をつけたのは、もしかすると弊社かもしれません。1年半前にリクルートから出資してもらったのですが、それが業界に大きなインパクトを与えました。「一部のスタートアップが何かやってるぞ」という印象から、「最大手が入ってきたなら、これは本当に”来る”ぞ」という空気感に変わったわけです。

――逆に言えば、それまではHR Techに抵抗感を持っていた人も多かったということですね。

柳橋氏:セキュリティを心配する人は多かったですね。ただ、僕自身はそれも時間の問題で解決すると思っていました。僕が20歳の頃、ECサイトのブームが来るか、来ないかという話があったんですよ。「本当にECサイトで買い物をして大丈夫なのか」「クレジットカードを使って安全なのか」という議論がありました。

今思うとくだらない話ですが、当時は本当にあったんです。その後どうなったかはご存じの通り。別に当時と比べてセキュリティが劇的に変わったわけではないですが、皆さん普通にECサイトを使います。インターネットで買い物できたほうが、圧倒的に便利だし、合理的ですからね。とはいえ、そんなECサイトにさえ議論があったように、人間の感覚はいきなりテクノロジーの進歩に追いつけません。感情的に不安になっているだけですから、いくら「セキュリティは大丈夫ですよ」という説明をしても意味がないんです。

――感情の問題は時間が解決する、と。そうなると重要なのは、解決したときにサービスが整っていることでしょうか。

柳橋氏:そうですね。とはいえ、あれもこれもとはいきません。2019年以降はある程度、(HR Tech企業の)勝者と敗者がはっきりして、強い者同士が結びつく合従連衡が起きてくるでしょう。

今はもう当たり前にAPI連携ができるので、例えばタレントマネジメントだったら勤怠管理サービスと連携できたほうがいいに決まっています。そして、連携するならばそのなかでも有力なサービスと組みたいはずです。皆、それをわかっているので、今はお互いを見定めている時期でしょう。当然、弊社も見定めているし、見定められていると思います。そういう空気を強く感じます。

――御社が昨年8月に発表された「人材データプラットフォーム構想」がまさに今のお話に通じるビジョンですよね。発表から半年経ちましたが、現在の状況はいかがでしょうか。

柳橋氏:現在、鋭意開発中です。データベースの構造からつくるものなので、かなり時間をかけて開発しています。今年から段階的に発表できるものが出せる予定です。開発すること自体よりも、むしろ使っていただいてデファクトスタンダードになることが重要だと考えています。とにかく先行して、導入実績をつくっていきたいですね。

――連携先として想定されているのは?

柳橋氏:具体的な社名は言えませんが、ジャンルで言うと必然的に給与計算、勤怠管理、チャット、SPI、エンゲージメント測定、BIツールなどは入ってくるでしょう。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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