説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「突然画面中央にリンゴマークが表示されたけど、どういうこと?」という質問に答えます。

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iPhoneを利用していると、突然画面が暗転して中央にリンゴマークが表示されることがあります。自分の手でiPhone(iOS)を再起動したときはともかく、アプリを操作している最中に前触れなくリンゴマークが現れることは不安を感じさせますが、多くの場合故障ではありません。

この現象は、「SpringBoard」というiOSの主要プログラムがなんらかの原因で異常終了し、再起動しているときによく見られます。このプログラムはホーム画面やロック画面の表示などiOSのGUI部分を受け持ち、常に起動した状態にあります。もしメモリの空き容量が不足したなどの問題によりSpringBoardが異常終了すると、自動的に再起動するよう設計されているのです。そのとき表示されるのがリンゴマーク、というわけです。

iOSに潜む不具合(バグ)によりシステムに異常が生じ、それをリセットするためSpringBoardが再起動されることもあります。iOS 6やiOS 7といった新システム(メジャーバージョンアップ)の公開直後にリンゴマークを見かけることが多い理由には、未検出の不具合の存在が挙げられます。その後システムのマイナーバージョンアップ(バージョン番号は小数点以下で表現されます)により不具合は解消されていくため、アップデートを繰り返すことがシステムの安定化、ひいてはリンゴマークの出現頻度低下につながります。

なお、SpringBoardが再起動されると、バックグラウンドで動作中のものも含め、そのとき起動している全アプリが終了されます。アプリが確保しているメモリ領域も解放されるので、アプリの異常終了(クラッシュ)が収まるなど動作が安定することもあります。

写真で解説

なんらかの原因でiOSのGUIを司るプログラム「SpringBoard」が再起動すると、リンゴマークが現れます