ノートパソコンといえば、机上に据え置きして使うのを前提としたスタンダードサイズと、カバンなどに入れ屋外に持ち出すことに主眼をおいたモバイルサイズに大別できる。前者は使い勝手は高いが持ち歩くには不向き、後者は携行しやすいがディスプレイの視認性やパフォーマンスが一段低くなるというのが一般的だ。だが最近は、VAIO Zのように携帯性の高いボディにハイパフォーマンスなCPUを搭載し、モバイルマシンとメインマシンの双方を兼ねる製品も増えている。今回試用した「VAIO SE」シリーズは、VAIO Zとは別のアプローチで性能と携帯性を両立したノートパソコンとなる。

店頭販売向けモデルとなる「VAIO S VPCSE19FJ/B」。オープンプライスで実勢価格は約160,000円となる。CPUはCore i5-2430M(2.40GHz)、メモリ4GB(最大8GB)、HDDは750GBとなる

VAIO Sシリーズをそのままスタンダードサイズに!

「VAIO Zとは異なるアプローチで性能と携帯性を両立」と前述したが、その相違点とは何か。それは、VAIO Zがモバイル性の高いボディに少しでも高性能なCPUの搭載を目指したのに対し、VAIO SEではハイパフォーマンスなシステムはそのままに、少しでも薄くて軽いボディを実現するという方向性を採ったことだ。15.5型ワイド液晶というスタンダードサイズのディスプレイの視認性を確保しながら、約24.5mmの薄さ、約1.99kgの軽さを可能にした。もちろん、純粋にモバイルマシンとして設計されたVAIO Zの携帯性にはおよばないが、ほかのスタンダードサイズのノートPCに比べれば、10mmほど薄く、1kgほど軽いボディに仕上がっている。

このVAIO SEシリーズは、実はモバイルマシンとして定評があるVAIO Sシリーズのコンセプトを基に、スタンダードサイズマシンとして開発されている。そのため、Sシリーズで採用されているデザインコンセプト「Hexa-shell」を受け継ぐ。このデザインは、前面から見た場合、あるいは側面から眺めた場合、6角形の一部を切り取ったかのような印象を受ける。これは単にデザイン的な処理ではなく、剛性を高める効果もある。また、SEシリーズはマグネシウム合金のシェル+アルミニウム削りだしのパームレストを採用。手に持って振ってみるとわかるが、非常に高い剛性を確保しているのだ。

右側面にメモリカードスロットやUSB2.0および3.0、HDMI出力などが集約される。左サイドは光ドライブのみの構成だ

フロントから見ると、6角形をベースにした形状となっているのがわかる

天板はフルフラットな形状。ディスプレイのヒンジが見えず、スッキリとした印象を受ける