砂漠の中に"Imagine Cup"のロゴが浮かび上がる。学生とITの祭典もこれで幕引きだ。エジプト・カイロで開催されていた『Imagine Cup 2009』は7日(現地時間)、盛大なフィナーレを迎えた。表彰式の場所は、なんとギザのピラミッド。背後に3つのピラミッドを望む砂漠のステージで全競技部門の優勝チームの名が呼ばれると、5日間にわたりコンペティションを繰り広げた学生たちの熱は最高潮に達した。そして、日本から写真部門に出場していた寺田志織さんが3位入賞を果たした。浴衣姿でステージに駆け寄る寺田さんから笑みがこぼれた。

ピラミッドの正面に開設された閉会式ステージ。はっきり言って、圧巻

ステージに上がる寺田さん。手にしているのは、NISLab++が寄せ書きした日の丸旗。名前を呼ばれたときは実感がわかなかったが、ステージ上に立って「世界で3位になったんだ」と感じたと話す

見事3位に輝いた寺田さんは「(賞を)取れると思っていました」と笑った。出発前の壮行会でも自信を覗かせていたように、現地入りしてからもマイペースを保って作品制作を行なっていた。部門テーマは、"Kaleidoscope of Egypt, ancient calture facing technology"。寺田さんは、紙のオブジェで作ったエジプトの街並みが発展していく様子を写真に収めて表現した。最高の結果を出し、同部門優勝のクロアチア作品の出来には納得しながらも、「できれば1位がよかった」(寺田さん)。次は写真部門以外にチャレンジしてみたいと話した。

閉会式が始まる前、Imagine Cupのホテル会場ではデジタルシアターが実施された。写真部門やショートフィルム部門の作品を他部門の競技者も含めて皆で鑑賞するというものだ。写真は寺田さんが作品の説明をしているところ

日本からは3チームがImagine Cupに挑んだ。大会では何度も繰り返されたとおり、彼らは"出場した時点で勝者”だ。Best of Bestの学生であり、本大会で結果を残せなかった学生たちにも悔しさはあるかもしれないが、Imagine Cupに参加した経験は誇れる実績となるだろう。

なお、本大会では学生特派員カメラマンとして柳岡創平さん(日本大学芸術学部)も日本チームの姿を追った。柳岡さんはImagine Cupの写真部門にチャレンジしていたが出場は叶わなかった。しかし、彼のチャレンジがマイクロソフト関係者の目にとまり、大会への同行が実現。柳岡さんは会期中も、来年こそはImagine Cupに出てみたいと意欲をのぞかせていた。この大会へ関わることで世界に向けて動きだし始める学生は多い。柳岡さんの今後にも期待したい。

柳岡創平さん。Imagine Cup参加学生を追ってシャッターを切り続けた

2010年は「ポーランド」で

閉会式では2010年大会の開催地も発表された。次の舞台は欧州・ポーランド。すでにWebサイトがオープンしており、競技部門がソフトウェアデザイン/ ゲームデザイン/ デジタルメディアの3部門に大幅変更されている。ソフトウェアデザイン部門は組み込み開発部門と統合し、2009年大会同様「国連ミレニアムの開発目標」をテーマとしてエントリーを受け付ける。デジタルメディアは従来のアート系部門を統合したもの。詳細についてはWebサイトを確認してほしい。

ポーランド大会の詳細はWebサイトで

各部門入賞者

各部門の入賞者は次のとおり。ソフトウェアデザイン部門は、ルーマニアのチームSYTECHが優勝。地域社会が抱える問題を解決し、発展していくための市民と行政によるコラボレーションプラットフォーム「UpCity」を提案した。組み込み開発部門の優勝チームは韓国のWafree。食物が育たない地域などの飢饉対策として、栄養価の高い虫類を食料にするための飼育システムを開発した。

ソフトウェアデザイン部門で優勝したルーマニアのチームSYTECH

組み込み開発部門で優勝した韓国のチームWafree

ソフトウェアデザイン部門

順位 チーム名
優勝 SYTECH ルーマニア
2位 Vital Lab ロシア
3位 Virtual Dream ブラジル

組み込み開発部門

順位 チーム名
優勝 Wafree 韓国
2位 iSee 中国
3位 Intellectronics ウクライナ

ゲーム開発部門

順位 チーム名
優勝 LEVV It ブラジル
2位 Epsylon Games アメリカ
3位 Sanquine Labs イギリス

ロボット&アルゴリズム部門

順位 チーム名
優勝 Lukas Perutka チェコ共和国
2位 Byron Knoll カナダ
3位 Lin Fuming 中国

ITチャレンジ部門

順位 チーム名
優勝 Cosmin Ilie ルーマニア
2位 Wu Chang 中国
3位 Miklos Xari Sivila ボリビア

マッシュアップ部門

順位 チーム名
優勝 CURIOS アメリカ
2位 Monastery of Innovations ポーランド
3位 PlanetKY シンガポール

写真部門

順位 チーム名
優勝 Voodoo Delirium クロアチア
2位 Woolgathering シンガポール
3位 寺田志織 日本

ショートフィルム部門

順位 チーム名
優勝 Fulham Four イギリス
2位 ChennaiCoolers インド
3位 Just4Fun ウクライナ

デザイン部門

順位 チーム名
優勝 Willburn ブラジル
2位 eXchangeFun アメリカ
3位 Paindepices フランス