「Nokia E71」と「Nokia E66」はNokiaのビジネスコンシューマー向けスマートフォン、Eseriesの最新モデル。両モデルともにHSDPA 850/2100MHzとGSM 4バンドに対応、無線LANも内蔵する。Mail for Exchangeクライアント搭載によりビジネスメールをPush利用できるほか、世界1000社以上のISPとGmail、Yahooメール、Hotmailのメールアカウントを簡単に設定することができるなど、メールの利用に最適化されているのが特徴だ。さらにボディーはステンレス素材を採用しており高級感ある仕上がりとなっている。

Nokia E71

Nokia E71はQWERTYキーボードを備えたストレート形状端末。日本でも発売されているNokia E61(Softbank X01NK)の後継となるモデルだが、サイズはE61の117x70x14mmから114x57x10mmと1回り以上小さくなっている。特に厚みはわずか1cmしかなく、数値以上に小型・薄型化された印象だ。ディスプレイは2.36インチのQVGA、背面にはオートフォーカス対応の300万画素カメラを備えている。

本体の小型化で気になるのはフルキーボードの押し具合だが、各キーは小さくなったものの、トップに適度な盛り上がりがあるため、隣り合ったキー同士を押し間違うことは無さそうだ。片手で持ちながら全てのキーを片手で操作することもできそうである。

QWERTYキーボードを備えたNokia E71。ボディーカラーはホワイトとブラックの2色

本体は1cmと薄い。電池カバーなど本体はステンレス素材をメインに採用している

各キーのトップは適度な盛り上がりがある

E61とE71のサイズ比較。数値以上の差がある印象だ

Nokia E66

Nokia E66はスライド形状で、現行機種のE65の後継モデルとなる。E71がE61を小型化したのとは反対に、E66はスリムな小型端末であるE65をサイズアップして機能強化を図っている。ボディーはE71同様にステンレス素材を多用、2.4インチと大型化されたQVGAディスプレイはモーションセンサーにより本体を横向きに回転させると画面表示も横転する。本体サイズは107.5x49.5x13.6 mm、121g。

その他のハードウェアスペックはE71と同等で、300万画素カメラ、GPS搭載、内部メモリ128MB、外部メモリはmicroSDカード、外部接続はmicroUSB端子、Bluetooth 2.0と赤外線を内蔵している。

スライド形状のE66。キーボードは一般的な10キー

背面はE71同様にステンレス製の電池カバーに覆われる。厚みは13.6mm

強化されたメール機能やソフトウェア

E71、E66はメール機能が強化されているが、有用な機能の1つがEメールアカウントの自動設定だ。これはメールアプリケーションに自分のメールアドレスやパスワードを入力するだけで、オンライン上の専用サーバーに接続して利用しているISPやGmail、Hotmailなどの無料メールサービスのサーバー設定を自動で取得してくれるもの。端末を買い換えたときや新しくメールアドレスを取得したときなど、受信/送信サーバー設定などを手動で設定する必要がない。現時点では日本のISPの設定は無いようだが、今後対応するISPの数は増えるとのことだ。

また待ち受け画面の最下段には新しくSMSや留守番電話の新着表示がされるようになった。SMSや留守番電話の受信があるとアイコンが表示され、メニューを開くことなく待ち受け画面から直接SMSを読んだり返信することが可能になる。

e-mailセットアップを起動し、メールアドレスやパスワードを入力

専用サーバーへの接続を開始し、メール設定を受信

メールアカウント設定が自動で保存される

待ち受け画面はSMSや留守番電話の表示・ワンタッチアクセス機能がついた

さて内蔵アプリケーションも機能強化が図られている。たとえばカレンダー(予定表)はこれまでは1画面上にカレンダー表示しかされず、予定を見るにはそれぞれの日にちを選択して予定表一覧画面を別途呼び出す必要があった。E71/E66のカレンダーは1画面で月間表示と選択した日の予定が同時に表示できるように改善されており、より容易に予定を確認することができるようになっている。

カレンダーは1画面でより多くの情報を閲覧できるようになった

一方ユニークな機能が「テーマ」のワンタッチ切り替えだ。NokiaのS60スマートフォンは待ち受け画面の壁紙やアプリケーションアイコンなどを「テーマ」として一括して管理している。テーマは複数が保存可能だが、切り替えるには設定画面から画面の表示設定を呼び出す必要がある。

E71/E66ではテーマのワンタッチ切り替え機能が搭載された。「仕事」「アフターファイブ」のように2つのテーマを用意しておけば、携帯電話を利用するシチュエーションに応じて画面の雰囲気や待ち受け画面に表示するショートカットアイコンなどを即座に切り替えることが可能になる。E71/E66はビジネス向けスマートフォンだが、仕事が終わったあとは待ち受け画面はすっきりさせてメールの表示はさせたくない、といった設定などが簡単にできるというわけだ。

テーマを簡単に切り替えられるSwitch Mode

ワンタッチで仕事モードからオフモードに切り替えできる

E71/E66のステンレス製ボディーとより強化された機能はビジネス向け端末というだけではなく、大人向けのスタイリッシュなスマートフォンにも仕上がっていると言えるだろう。また黒と白、2色の本体カラーの展開は男性のみならず女性ユーザーにも人気を得そうである。2008年7月から順次世界各国で販売予定で、価格は350ユーロ前後が予定されている。