先週に引き続き、今週も「箇条書き」のカスタマイズ方法を紹介する。3回目は、「箇条書きのレベル」を指定して階層のある箇条書きを作成する方法、ならびに「段落番号」について解説してみよう。そのほか、「箇条書き」を横に並べて配置する手法も紹介する。少し強引な手法になるが、活用できる場面は多いので覚えておくとよいだろう。

箇条書きのレベル指定

まずは、階層のある箇条書きを作成する方法から解説していこう。「箇条書き」の書式を指定する手順、ならびに「左側の余白」や「行頭文字との間隔」を調整する手順は、前回までの連載で解説したとおりである。これらを指定した後に、以下のように操作すると、箇条書きに階層を設けることができる。

(1)レベルを変更する段落を選択する
(2)「ホーム」タブにある「箇条書き」のアイコンの▼をクリックする
(3)「リストのレベルの変更」から変更後のレベルを選択する

「箇条書き」のレベルの変更

これで選択していた段落の「箇条書きのレベル」を変更することが可能となる。以下の図は、「技術賞」「アイデア賞」「デザイン賞」の3つの段落について、「箇条書きのレベル」を1つ下位のレベルに変更した場合の例となる。

レベルを変更した「箇条書き」

もちろん「箇条書きのレベル」を変更した段落も、行頭文字や配置をカスタマイズすることが可能だ。この手順も前回までの連載で紹介した手順と同じである。「行頭文字の記号」ならびに「左側の余白」「行頭文字との間隔」などを調整しておくとよいだろう。

行頭文字と配置をカスタマイズした箇条書き

段落番号とレベルの指定

階層を分けて項目を列記するときは、「段落番号」の書式を使用するケースも多い。続いては、Wordの「段落番号」について解説しておこう。まずは「段落番号」の書式を指定する手順から解説する。といっても、この手順は「箇条書き」の書式を指定する場合と基本的に同じである。段落をまとめて選択し、「ホーム」タブにある「段落番号」のアイコンの▼をクリックして番号の種類を選択すればよい。

「段落番号」の書式の指定

もちろん、レベルを変更して階層のある「段落番号」にすることも可能だ。この操作手順も「箇条書き」の場合と同じである。同様に、レベルを変更した段落の「番号の種類」も好きなものに指定しなおすことが可能である。

「段落番号」のレベルの変更

番号の種類とレベルを指定できたら、「左側の余白」と「番号との間隔」を調整する。こちらの手順も「箇条書き」の場合と同じである。段落を右クリックして「リストのインデントの調整」に適当な数値を指定すればよい(またはルーラーにあるマーカーを左右にドラッグする)。

レベルを変更した「段落番号」

「箇条書き」の書式をカスタマイズする手順を理解できていれば、すぐに使い方を覚えられるはずだ。

段落番号の種類の変更

Wordの「段落番号」は、「1、2、3、…」や「(ア)、(イ)、(ウ)、…」といった種類の番号が用意されている。これらの書式をカスタマイズすることも可能である。この場合は、以下の手順で操作を行う。

(1)番号の種類を変更する段落を選択する
(2)「ホーム」タブにある「段落番号」のアイコンの▼をクリックする
(3)「新しい番号の定義」を選択する

すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここでは、最初に「番号の種類」を選択する。

番号の種類の指定

続いて、番号の前後に表示する文字(記号)を指定する。この指定は、「番号書式」の項目にキーボードを使って文字を直接入力すればよい。以下は「a、b、c、…」の番号の前後にカッコを追加した場合の例である。背景がグレーで表示されている部分が"自動的に変化していく文字(数字)"と考えればよい。

番号の前後に付ける文字の指定

このように操作することで、一覧には表示されていない形式の「段落番号」を作成することが可能である。先ほど示した例のように書式を指定した場合は、以下の図のように「段落番号」が表示されることになる。

番号の種類を変更した「段落番号」

「箇条書き」や「段落番号」の解除

以上が、「箇条書き」や「段落番号」の書式をカスタマイズするときの操作手順となる。念のため、これらの書式を解除して「通常の文字」に戻す方法も紹介しておこう。

「箇条書き」や「段落番号」の書式を解除するときは、段落をまとめて選択した状態で「標準」のスタイルをクリックする。これで、選択していた段落の書式を「通常の文字」に戻すことができる。

「箇条書き」や「段落番号」の解除

「ホーム」タブにある「箇条書き」や「段落番号」のアイコンをクリックしてOFFにしても構わないが、この場合は配置を調整するインデントの書式がそのまま残ってしまう。指定した書式を一発で解除する方法として、「標準」のスタイルを適用する手法も覚えておくとよいだろう。

箇条書きを横に並べて配置

最後に、「箇条書き」を横に並べて配置する方法を紹介しておこう。注文書やアンケート用紙を作成する場合などに応用できるはずだ。

Wordの「箇条書き」は項目を横並びにする機能が用意されていないため、「段組み」を利用して配置を調整しなければならない。まずは、これまでに解説してきた手順で「箇条書き」の書式を指定する。続いて、以下のように操作して、選択している段落だけを多段組みに変更する。

(1)「箇条書き」を指定した段落をまとめて選択する
(2)「ページ レイアウト」タブを選択する
(3)「段組み」のアイコンをクリックし、「段組みの詳細設定」を選択する

「段組みの詳細設定」の呼び出し

すると、以下の図のような設定画面が表示される。「箇条書き」を横に並べるときは、その項目数に合わせて「段数」を指定するのが基本となる。あとは、各段の「段の幅」と「間隔」に適当な数値(文字数)を指定するだけ。このとき「段の幅を全て同じにする」のチェックボックスをOFFにしておくと、各段の設定値を自由に指定できるようになる。

各段の文字数と間隔の指定

このように「段組み」を利用することで、「箇条書き」を横に並べて配置することも可能となる。少し強引な手法ではあるが、便利に活用できる場合もあるので覚えておくとよいだろう。

横に並べて配置した「箇条書き」

なお、ここで紹介した手順で「段組み」を指定するときは、末尾に「改行」を挿入しておくのを忘れないこと。文末まで選択した状態で「段組み」を指定すると、それ以降の段落にも「段組み」の書式が指定されるため、上記のような結果にならない。文書の「途中にある段落」だけを選択した状態で「段組み」を指定するのが基本だ。

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さて、3回にわたって「箇条書き」や「段落番号」の書式をカスタマイズする方法を解説してきたが、実はこれらの操作手順を知らなくても同様の結果を得ることが可能である。その要となるのがインデントである。そこで、来週はWordのインデントについて詳しく解説してみよう。「箇条書き」や「段落番号」の書式を『使いづらい……』と感じている方は、代わりにインデントの使い方をマスターしておくとよい。