低価格スマートフォンを得意とするシャオミから、今度はタブレット「Xiaomi Pad 5」がグローバルで発売になりました。シャオミの日本法人もXiaomi Pad 5の国内投入をSNSで公式にアナウンスしており、近いうちにも発売される予定です。注目すべきは、やはり価格と性能で、コスパの高いタブレットとして人気になるかもしれません。

  • シャオミのタブレット「Xiaomi Pad 5」

スマートフォンの代名詞がiPhoneのように、タブレットと言えば誰もがiPadを思い浮かべるでしょう。ミニサイズな8.3インチ「iPad mini」から、パワフルでノートPC代わりにもなる「iPad Pro」までラインナップを多数そろえいています。しかしiPad 10.2インチモデルの64GBが3万9,800円ではあるものの、他のモデルやラインナップは5万円以上。さらにApple Pencilは第一世代が1万1,800円、第二世代は1万5,950円。これにキーボードも加えると結構出費がかさみます。タブレットを本格的に使おうと思うと意外と高くつくものなのです。

  • iPadの中でも安価でフルセットを組める10.2インチのiPad

Xiaomi Pad 5は高スペックなSnapdragon 860を搭載し、ディスプレイサイズは11インチで2,560x1,600ピクセルと高解像度。本体はiPadに似たシャープなデザインで高級感があります。カメラは1,300万画素と内側に800万画素の2つを装備。OSはAndroid 11でシャオミが独自にカスタマイズしたMIUI 12を搭載しています。価格は中国で1,999元、約3万5,000円。ヨーロッパでは349ユーロ、約4万6,000円。マレーシアでは1,399リンギット、約3万9,000円です。シャオミのこれまでの製品の価格を見ると中国は安め、ヨーロッパは高めです。日本での販売価格はその中間あたり、マレーシア価格に近いと思われます。おそらく3万9,800円くらいで日本で発売されるのではないでしょうか。

  • 日本では4万円を切る価格で出てきそうだ

Xiaomi Pad 5と同じAndroid OSを搭載するタブレットも日本では多数販売されていますが、手ごろな価格の製品はパフォーマンスにやや難があるなど、選びにくい状況です。たとえばレノボの「Yoga Tab 11」は同じ11インチ画面ですが解像度は2,000x1,200ピクセル、チップセットはMediaTek Helio G90Tと少し低い性能です。価格は4万円弱と、Xiaomi Pad 5とほぼ同等ですが、ゲーム用途などではやや不満が出てくるかもしれません。

  • 4万円を切る11インチタブレット、Yoga Tab 11

一方、同じレノボの「Lenovo Tab P11 Pro」は11.5インチ2,560x1,600ピクセルディスプレイにSnapdragon 730Gを搭載してパフォーマンスを向上させているものの、価格は6万6,667円とやや高めです。海外ではサムスンの11インチタブレット「Galaxy Tab S7」が販売されていますが、Snapdragon 865 Plusを搭載したハイスペックモデルのため価格は699ドル、約8万円とさらに高くなります。なおアマゾンなどで売っている中国メーカーの激安タブレットは動作が重いため、現実的にはあまりお勧めできません。

  • Galaxy Tab S7は11インチでハイスペックだが価格は高い

このように11インチクラスのタブレットを見ると「中華格安低スペック」「適度な価格でまあまあな性能」「高価格高性能」と3つのクラスに製品が分かれているようです。これに対してXiaomi Pad 5は「適度な価格で高性能」という、仕事にも十分使えるパフォーマンスを持ったタブレットと言えるわけです。

Xiaomi Pad 5はキーボード付きのカバーやスタイラスも用意されています。日本での発売は不明ですが、中国ではキーボードカバーが399元(約7,000円)、スタイラスが349元(約6,000円)。日本で発売されるとしたら両方合わせて2万円くらいでしょうか。つまり合計6万円程度でノートPCライクな仕事またはクリエイティブツールとして使えるタブレットが手に入るわけです。

  • キーボードカバーで仕事マシンにもなる

スマートフォンがあればある程度のことができる時代ですが、仕事や授業も自宅で行うリモート化が進んでいます。ノートPCを買うのが一番いいのでしょうが、タブレットのほうができることは限られる反面、特定の用途としては使いやすいでしょう。オンラインビデオ会議やオフィス系アプリを使うなら、むしろタブレットのほうがアプリのインストールも含め手軽に使えます。

Xiaomi Pad 5は、そんなニューノーマル時代にぴったりなスペックの、適度な価格のタブレットと言えるかもしれません。ちなみに筆者の住む香港では9月の発売と同時に初期入荷分が完売してしまいました。価格と性能のバランスの良い、コスパに優れた製品だからなのでしょう。日本での発売が楽しみなタブレットです。