イギリスPlanet Computersの「Cosmo Communicator」は本体を開くと6インチの大型画面と両手の指先を使って本格的なタイピングができるキーボード付きスマートフォンです。キーボードのついた製品と言えばブラックベリーが有名ですが、Cosmo Communicatorはキーのサイズも大きく超小型のノートPCのように使うこともできる本格的なキーボード端末。しかも日本での販売も決まっています。海外スマートフォンの取材を得意とするITジャーナリストの富永彩乃氏にCosmo Communicatorの使い勝手を試してもらいました。
Cosmo Communicatorの外観は一般的なスマートフォンと大きく異なります。折りたたみ式のため普段は蓋が閉じた状態になっています。しかし蓋の上部には1.9インチ570×240ピクセルの小型のディスプレイが備わっており、閉じた状態でも通話ができるのです。
ディスプレイの下には指紋認証センサーが備わっています。ここはタッチセンサーにもなっており、すぐ上の小型画面の表示をスクロールさせて電話帳を呼び出すことも可能。そこから相手を選び、閉じたまま発信もできます。
画面を開けばその姿は超小型のノートPCのようにもなります。Planet Computersは実は1年前にも同じデザインのスマートフォン「Gemini PDA」を出していました。Gemini PDAは蓋の部分にセカンドディスプレイが無く、蓋を閉じた状態では何もできない仕様だったのです。Cosmo Communicatorは「コミュニケーター」の名がある通り、端末がどんな状態でもコミュニケーションを図ることのできるツールなのです。
Cosmo Communicatorを机の上に置くと、ヒンジの裏側が少し持ち上がることによりキーボードがちょうどいい角度になります。ノートPCと全く同じようにはタッチタイピングはできないものの、人差し指、中指、薬指の3本を使ってかなり高速なタイピングができます。女性の指先でも楽に押せます。それぞれのキーが独立している上にキーボードの上部は斜めにカットされているため、隣のキーを間違って押してしまうこともありません。
またCosmo Communicatorを両手で持って、親指を使ってタイピングすることも可能です。電車の車内などでも立ったままキーボード入力を行うことができるというわけです。
本体のデザインは左右対称のシンメトリックなデザイン。外観にも拘った製品であることがわかります。閉じたサイズは171.4×79.3×17.3mmと、横幅は女性の手でもギリギリ持てる大きさです。厚みはキーボード部分があるため一般的なスマートフォンの倍くらいあり、重量も326gありますが、スマートフォンというよりも超小型のノートPCと考えれば十分許容できるレベルでしょう。
移動中などは閉じたまま手に持っていることが多いでしょう。この状態でも通話ができるため電話がかかってきてもすぐに出ることができます。本体を手にもって通話するスタイルは普通のスマートフォンと変わりません。スマートフォンのように大きい画面への誤タッチもありませんから、実は通話するときの使い勝手は結構高いのです。
ところでカメラは外側に2400万画素、開いた内側に500万画素のものを搭載しています。セカンドディスプレイを使えば閉じたままセルフィーの撮影も可能、しかも画質がいいのでSNSへの投稿用写真も自在に撮れます。
普段PCのキーボードに慣れている人なら、Cosmo Communicatorのキーボードを使えば長文も楽に打つことができるでしょう。外出先で報告書を書き上げなくてはならないビジネスパーソンも、Cosmo Communicatorを持っていればノートPCの電源が切れても安心です。しかも通話用途にも使いやすいため取引先との電話利用も問題なし。Cosmo Communicatorはビジネスパーソンに向いた新しいカタチのスマートフォンと言えるのかもしれません。日本ではリンクスインターナショナルから日本語キーボード搭載モデルが10万円前後で登場予定。仕事に使えるスマートフォンを求めている人はぜひともチェックしたい製品です。