低価格なスマートフォンで市場シェアをあっという間に拡大した中国のスマートフォンメーカー、シャオミ。2015年頃にいったん勢いが落ちましたが、いま、再び中国やインド、新興国で製品を積極的に展開しています。今月には韓国にもスマートフォンをキャリア経由で投入し、次のターゲット市場はいよいよ日本かもしれません。
そのシャオミは今年の春、今までの製品とはちょっと違う毛色の端末を中国で販売しました。ゲームに特化したスマートフォン「Black Shark」です。Black Sharkはシャオミが出資した企業でゲームユーザーを念頭に置いたスマートフォンを開発しました。黒と緑のカラーリングは有名なゲーミングPCメーカー、Razerを思い起こさせますが、見た目がそれっぽいだけではなくゲームに集中できる専用ボタンを備えるなど、スマートフォンゲーマーのことを第一に考えた製品です。
本体に取り付けるジョイスティックも用意されており、装着すればスマートフォンというよりもポータブルゲーム機のようになります。ジョイスティックは片側だけですが、両側につけると端末が横に大きくなってしまい持ちにくくなってしまいます。ジョイスティックをつけたままでもポケットに入れることを考えた設計になっているわけですね。接続はBluetoothですが反応速度は悪くないようです。
さてシャオミと言えばスマートフォン以外の製品も数多く出しています。最近はスマートフォンと連携できる家電のみならず、精密ドライバーセットやおもちゃを発売するなど生活雑貨にも進出しています。シャオミのバッグはポケットが多く収納性が高く、デザインもいいことから人気があります。今は日本でも正規代理店が販売しています。スマートフォンメーカーの手掛ける製品だけあって、毎日PCを持ち運ぶ人や小物が多い人に最適な仕上がりになっています。
そのバッグの最新モデルが発売されましたが、見た目はどことなくゲーミングPCを思わせる特徴的なデザインです。後ろから見ると左右非対称で、亀の甲羅のようなデザインは背中に背負うだけで人目を惹きそうなルックスです。価格は香港のシャオミストアで499香港ドル、7,000円ちょっとと手ごろです。とはいえシャオミの製品としてはやや高め。購入者を選ぶバッグともいえます。
中を見てみると、シャオミのコーポレートカラーであるオレンジ色の内張りとなっています。明るい色合いなのでバッグの奥に入っているものも視認性が高いのです。前と後ろの2室構造で、後ろ側にはノートPC、タブレットが入るほか、マウスなど小物のポケットも。USBケーブルやメモリカードの専用収納場所もあります。細かいところまで結構本気で作られているわけです。
前のポケットは着替えの上着を入れられるくらいの余裕があります。また亀の甲羅のふくらみの部分の内側には、ヘッドホンをひっかける面ファスナーが取り付けられています。音楽を聴いたりゲームをガンガンプレイする人にとって、フルオープン型のヘッドホンは欠かせません。しかしいざという時収納場所に困まるもの。シャオミのこのバッグなら余裕で収納できるのです。
背中に当たる部分の背あても厚みがありメッシュ構造なので、真夏の暑い時でも汗をうまく逃がしてくれます。さらに片サイドにも持ち手があるので、シチュエーションによってはバッグを横向きにして持つことも可能です。このスタイルならビジネス用途に使うのもありかもしれません。
実はゲーミングPCやスマートフォンメーカーである、前出のRazerは、Tシャツやパーカー、そしてバッグなどを出しています。ゲーミングPCはスペックが高いのは当然ですが、光るキーボードやシャープな外装デザインなど、持つこと自体がカッコよく思える出来栄えの製品が多いのです。シャオミはまだゲーミングPCは出していませんが、スマートフォンやバッグを通じてゲームユーザーの興味も引きつけようとしているようにも見えます。
Black Sharkはシャオミが出資している企業ですが、製品ブランドはシャオミと独立した展開を行っています。いずれはゲーミングマウスや黒と緑のファッションアイテムなど、Razerのような製品を投入するかもしれません。シャオミの製品は価格が安くデザインもよい点は評価されていすが、若い世代からみるとまだまだあか抜けた印象がありません。ゲーミング関連製品を拡大すれば、シャオミに対するイメージも大きく変わることでしょう。