スマートフォンと接続できる空気清浄機や炊飯器などのスマート家電も手掛ける、中国の新興メーカーのシャオミ。最近ではPCやタブレットが入るバッグやスーツケースなど、スマートフォン関連製品と言えなくもないような商品も販売しています。関連企業の枕やベッドも扱っており、今のシャオミはスマートフォンメーカーというよりも総合的なライフスタイルソリューション企業と言えるのかもしれません。

そのシャオミが最近面白い商品を出しています。それは子供用の積み木です。スマートフォンとの接続性は一切なく、単純な木製の積み木のセットを売り始めました。ドイツの木製玩具メーカー、Hape社と協業して作ったもので、天然の安全な素材が使われています。

  • シャオミから発売になった積み木セット

カラフルな色の積み木には正方形でアルファベットの文字が1文字1文字書かれているものもあります。積み上げて何かを作るだけではなく、文字を組み合わせるといった遊びもできます。教育玩具としても使えるわけです。そのほかに円柱や直方体など合計70個の積み木がセット、これで価格は99元、約1,700円です。シャオミのスマートフォン同様、高品質・高クオリティーながら価格は安いのです。

  • 教育玩具としても使えそう

しかしどうしてシャオミはこのような玩具を販売するのでしょうか。おそらく中国にはまだまだ完全に安全と言える低年齢の子供が使える玩具が多くないからでしょう。またこのような玩具を販売することで、それまでシャオミのお店やオンラインストアに立ち寄らなかった消費者を呼び込むこともできます。孫に何かを買ってあげたいと思ったおじいちゃんが、初めてシャオミの店に来る、なんてことも期待できるかもしれません。

またセットの中にはシャオミのマスコットキャラクター、うさぎがヘルメットをかぶった「米兎」のシルエットの積み木もはいっています。気が付けば毎日シャオミのマスコットと遊ぶようになるわけですから、小さい子供のうちからシャオミファンになってもらえるかもしれません。マスコットキャラクターがいるメーカーだからこそこんなこともできるのでしょう。

  • さりげなくシャオミのマスコットの積み木も入っている

シャオミはこれ以外にも、木製レールの上を走らせる木製の鉄道セットも販売しています。ポイントや鉄橋、ホームもあり機関車2両と貨車3両が付属。こちらには米兎の小さいフィギュアが付属します。63個のパーツセットで299元、約5,100円はこれも安さを感じられます。セットを収める大きい収納ケースも付属するなど至れり尽くせりの商品です。

  • こちらは鉄道セット。これも人気になりそうだ

シャオミはすでにスマートフォンからコントロールできる、組み立て式のロボットも販売しています。スマートフォンのアプリを使い、パズルのようにプログラムを組むことができ、ロボットのコントロールを半自動で行うことができます。対象年齢は小学校の高学年くらいになるでしょう。

  • プログラミング可能な組み立て式ロボット

タイや走行タイプ、キャタピラ走行タイプがありどちらも499元、約8,500円。これも性能を考えるとかなり安いものです。このロボットはスマートフォンと連携できるため、スマートフォンメーカーの周辺機器としては十分ありと言えます。子供だけではなく大人が使っても楽しめそうです。

  • 実は大人が買っても十分楽しめるだろう

そういえばシャオミは大昔にマスコットの米兎のぬいぐるみを多種そろえて販売していました。そのころのシャオミはまだオンライン販売が中心で、ユーザーとの距離も近く、ファンを育てることでスマートフォンの販売数を伸ばしていきました。しかし今のシャオミは毎月のように新製品を出す大メーカーにまで成長しています。ファンとネットで情報交換しながら製品を作りあげていく、という姿はみられなくなりました。

  • シャオミはマスコットキャラクターを創業時から展開している

スマートフォンの販売台数も2018年は初の年間1億台が見えています。しかしそんな大メーカーになっても、ユーザーとの友好的な関係はこれからも続けたいと考えているのでしょう。スマートフォンを買う世代には、もはやマスコットキャラクターを使うことで親近感をわかせるのではなく、製品そのもので勝負。一方まだスマートフォンを自分の力では買えない子供たちには、スマートフォン以外の製品で距離を縮めよう、なんて考えているのかもしれません。

  • シャオミファンを子供にまで広げようという戦略かも

シャオミの玩具のこれからですが、ロボット、低年齢層向けの積み木とくれば、もしかすると次は女の子向けの商品、たとえば着せ替え人形などがでてくるかもしれませんね。手にはシャオミのスマートフォンをもっている、なんて小技を効かせたら楽しそうです。シャオミのお店の中に玩具コーナーができたら、来訪者はさらに増えるでしょう。

  • 現在のシャオミの店の玩具コーナー

シャオミがカバンや寝具を出した時も驚きましたが、この積み木をお店で実際に見たときは筆者も再び大きく驚きました。スマートフォンメーカーなのに玩具を出す、他社のやらないことをやり続けていくシャオミの動きは、これからも目が離せません。そしてこの積み木はぜひ日本でも販売してほしいものですね。