こんにちは、阿久津です。前回に引き続き、Windows Vistaから搭載されたスクリーンセーバーのチューニングを行ないましょう。前回はオーロラスクリーンセーバーをターゲットにしましたが、今回はバブルスクリーンセーバー、ラインアートスクリーンセーバー、リボンスクリーンセーバーの3つがターゲット。いずれも美しいスクリーンセーバーながらも、オーロラスクリーンセーバーと同じく、設定項目が用意されていません(図01)。

図01: 個人設定→スクリーンセーバーとクリックして開き、ドロップダウンリストから<オーロラ>を選択して、<設定>ボタンをクリックしますと、同スクリーンセーバーに対する設定項目が用意されていないことを確認できます

しかし、バブルスクリーンセーバーは、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Screensavers \ Bubbles、ラインアートスクリーンセーバーは~ \ Screensavers \ Mystify、リボンスクリーンセーバーは~ \ Screensavers \ Ribbonsと各キーを参照しています。ここではもっともチューニング(レジストリエントリ)項目が多いバブルスクリーンセーバーを対象に、手順を解説しましょう。

クイック検索やファイル名を指定して実行などから「regedit」を実行してレジストリエディタを起動し、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Screensavers \ Bubblesまでキーをたどって開きます。右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択。名前を「ShowBubbles」に変更します。続いて同手順でDWORD値「Radius」を作成し、同DWORD値をダブルクリックで開きます。値のデータを「1130000000」に書き換えてから、<OK>ボタンをクリックします。引き続き同様の手順でDWORD値「SphereDensity」を作成し、値のデータを「2100000000」に書き換えてください。[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、レジストリエディタを終了すれば、チューニング完了です(図02~08)。

図02: 「ファイル名を指定して実行」や「クイック検索」のテキストボックスに「regedit」と入力して[Enter]キーを押します

図03: HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Screensavers \ Bubblesまでキーをたどって開き、右ペインで右クリック。<新規>→<DWORD(32ビット)値>と選択して、DWORD値「ShowBubbles」を作成します

図04: 同様の手順でコンテキストメニューから、<新規>→<DWORD(32ビット)値>と選択して、DWORD値「Radius」を作成します

図05: DWORD値「Radius」をダブルクリックで開き、<10進数>にチェックを入れてから、値のデータを「1130000000」に書き換え、<OK>ボタンをクリックします

図06: 同様の手順でコンテキストメニューから、<新規>→<DWORD(32ビット)値>と選択して、DWORD値「SphereDensity」を作成します

図07: DWORD値「SphereDensity」をダブルクリックで開き、<10進数>にチェックを入れてから、値のデータを「2100000000」に書き換え、<OK>ボタンをクリックします

図08: 画面のように数値を設定し終えたら、[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、レジストリエディタを終了します

それでは早速、チューニングの効果を確認してみましょう。デスクトップの何もないところを右クリックし、メニューから<個人設定>を選択。ウィンドウにある<スクリーンセーバー>をクリックして、「スクリーンセーバーの設定」ダイアログを起動しましょう。ちなみに、同ダイアログはコマンドラインなどから「rundll32.exe shell32.dll,Control_RunDLL desk.cpl,,1」と実行しても起動できます。ドロップダウンリストから<バブル>を選択し、<プレビュー>ボタンをクリックしますと、チューニングされたバブルスクリーンセーバーが起動しました。今回はチューニング前の画像も用意しましたので見比べますと、その違いが実感できるはず。また、各レジストリエントリの内容は表1にまとめましたので、チューニングの参考になさってください(図09~図12)。

図09: 「スクリーンセーバーの設定」ダイアログを起動し、ドロップダウンリストから<バブル>を選択して、<プレビュー>ボタンをクリックします

図10: こちらは初期状態のバブルスクリーンセーバー。デスクトップに泡が沸き立ちます

図11: こちらはチューニング後のバブルスクリーンセーバー。デスクトップの描画が無効になり、泡のサイズや数も増えています

図12: 先の設定から「Radius」を削除し、「MaterialGlass」を「0」にしました。溢れんばかりの泡がデスクトップ上に描画されます

■表1 バブルスクリーンセーバーで設定できる値
DWORD値 数値(10進数) 内容
ShowShadows 0もしくは1 バブルの影を有効(1)もしくは無効(0)にします。
MaterialGlass 0もしくは1 バブルをグラス風にする(1)もしくは無透明(0)にします。
ShowBubbles 0もしくは1 バブルの背景を描画する(1)もしくは黒く(0)します。
TurbulenceForce 1から4294967295 バブルの色変化の幅を制御。数値が小さいとグレー表示になります。
TurbulenceNumOctaves 1から255 バブルの色変化スピードを制御。数値が大きいほど変化が早まります。
Radius 1から1130000000 バブルの半径を指定。1130000000以上の数値は再度小さくなります。
SphereDensity 1から2100000000 バブルの数を指定します。

リボンスクリーンセーバーや、ラインアートスクリーンセーバーのチューニング手順と同じですので、ここではその結果と各レジストリエントリの内容をまとめたものを紹介します。なお繰り返しになりますが、前者のチューニングターゲットはHKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Screensavers \ Ribbonsキー。後者はHKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Screensavers \ Mystifyとなります。それぞれ表2と表3を参考になさってください(図13~16)。

図13: こちらは標準のリボンスクリーンセーバー。これでも十分キレイですが……

図14: 「Numribbons」を「50」、「RibbonWidth」を「1050000000」にしたもの。雰囲気が大きく様変わりしたことを見て取れるでしょう

■表2 リボンアートスクリーンセーバーで設定できる値
DWORD値 数値(10進数) 内容
Numribbons 1から256 リボンの数を指定します。
RibbonWidth 1から4294967295 リボンの幅を指定します。
Blur 0もしくは1 リボンのフェード効果を有効(1)もしくは無効(0)にします。

図15: こちらは標準のラインアートスクリーンセーバー。比較的地味な印象を受けます

図16: 「LineWidth」を「1050000000」、「NumLines」を「50」に設定したもの。比較的地味なラインアートスクリーンセーバーが派手な演出となり、見ていても楽しめます

■表3 ラインアートスクリーンセーバーで設定できる値
DWORD値 数値(10進数) 内容
LineWidth 1から4294967295 ラインアートの幅を指定します。
NumLines 1から100 ラインアートの数を指定します。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)