こんにちは、阿久津です。MicrosoftなどIT系企業が発表会をストリーミング配信する場面が増えてきました。直近では米ニューヨークで開催されたSurface BookやSurface Pro 4の発表会を、日本でリアルタイム視聴した方もいるでしょう。
筆者も普段から海外の時刻を把握するため、複数のタイムゾーンを設定しています。Windows Vista以降から実装された機能ですが、その数は基本設定を含めた3つに制限されてきました。この問題はユニバーサルWindowsアプリ「アラーム&クロック」の世界時計で解決できます(図01~02)。
図01(左) 筆者のタイムゾーン設定。もちろん基本は日本ですが、ニューヨークなどの東部時間、ロサンゼルスなどの太平洋時間を登録しています |
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図02(右) 「アラーム&クロック」を使えば、2つ以上のタイムゾーンを追加することが可能になります |
もっともアプリケーションを起動するのは手間がかかりますので、いまだにOSの標準機能でお茶を濁していますが、OSのアップグレードや入れ替えを行うと設定を忘れてしまうことが度々ありました。今では新環境で簡単に設定するレジストリファイルを事前に用意しています。
異なるタイムゾーンの時計は、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\TimeDate\AdditionalClocksキーで管理され、タイムゾーン1の情報は「1」キー、タイムゾーン2は「2」キーに格納される仕組みです。ちなみに「3」キーを作成しても、読み取るロジックが存在しないため意味をなしません(図03)。
図03 HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\TimeDate\AdditionalClocksキーの内容。異なるタイムゾーンの情報を「1」キーおよび「2」キーで管理しています |
AdditionalClocksキーの構造は以前と変わりませんので、Windows 7やWindows 8.xをインストールしたPCにも流用可能です。単純な操作ですが筆者は便利に使っておりますので、今回は一連の手順を紹介しましょう。
1. 「日付と時刻」の<追加の時計>タブで異なるタイムゾーンの設定を行います。
2. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
3. HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\TimeDate\AdditionalClocksキーを開きます。
4. AdditionalClocksキーをエクスポートし、任意のファイル名で保存します。 5. レジストリエディターを終了します。
これで操作が完了しました(図04~11)。
早速結果を確認してみましょう。異なるPCに作成したレジストリファイルをコピーし、ダブルクリックで内容を取り込んでください。この状態で通知領域の時計をクリックすれば、そのまま異なるタイムゾーンが現れます。これは常にShellExperienceHost.exe(Windows 10の場合)がAdditionalClocksキーを参照する仕組みになっていますので、再起動や再サインインする必要はありません(図12~15)。
なお、追加した異なるタイムゾーンは、「日付と設定」の<追加の時計>タブで<この時計を表示する>のチェックを外せば、DWORD値「Enable」のデータが「0」に切り替わり、非表示となります。レジストリの操作に慣れている方は、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\TimeDate\AdditionalClocks\1キーおよび2キーを削除してください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)